じじぃの「科学・地球_52_SDGsの世界ハンドブック・京都議定書・COP21(パリ)」

Kyoto - Teaser (English)

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=scIL9wUaDMM

Kyoto - Teaser

賄賂や交渉で環境(と自国の利益)を守れ! ブラックなボドゲ京都議定書

2021.03.30 KAI-YOU.net
海外ボードゲームの販売/開発を手がけるホビージャパンが先日、とあるゲームを発表した。
その名も『京都議定書』。
プレイヤーたちは6つの大国の代表となり、「世界は環境崩壊の危機に瀕している」と主張する、いくつかの極めて不吉な論文について討論していくという。
https://kai-you.net/article/79970

『地図とデータで見るSDGsの世界ハンドブック』

イヴェット・ヴェレ、ポール・アルヌー/著、蔵持不三也/訳 原書房 2020年発行

78 気候変動の緩和――温室効果ガスの管理 より

京都議定書やCOP(COP21、パリ、2016年)を契機として国連が唱えた温室効果ガスの削減は、炭素(カーボン)クレジット[先進国間の温室効果ガスの排出削減量証明。認証排出削減量]の取引にもとづいて確立された、クリーンな開発メカニズムをふくむ柔軟性メカニズムとかかわる。排出量の価格決定は温室効果ガスの全体的な削減につながり、「気候変動の緩和」をうながすはずである。

京都議定書からCOP21まで

1992年にリオデジャネイロで採択された気候変動枠組条約(UNFCCC)の延長上にある京都議定書は、COP3(第3回気候変動枠組条約締約国会議)でなされた国際的な合意である。それが発効するには、世界のCO2排出量のすくなくとも55%に責任を有する、先進国をふくむ55ヵ国以上の国が締結しなければならなかったが、2005年に発効した。気候変動枠組条約批准国196ヵ国(195ヵ国+EU)がこの議定書に参加した。しかし、アメリカ合衆国はこれに署名したが、批准をこばんだ[カナダは批准したが、2012に離脱]。
当初、京都議定書は2008年から12年かけて[第1約束期間(CP1)]。人間の活動による温室効果ガスの排出量レベルを1990年比で5%削減するという目標を設定した。2012年にカタールのドーハで開催された条約締約国会議では、京都議定書の改定案が採択され、2013年から20年までを第2約束期間として[CP2]、各批准国がわりあてられた排出量を超えてはならないこと[さらに排出量を1990年の水準からすくなくとも18%削減すること、あらたに三フッ化窒素(NF3)が削減対象のガスが追加されること]などがもり込まれた。
2015年のCOP21(パリ)はすべての締約国による協定が結ばれた。温室効果ガスの排出量を削減して、2100年までに平均気温上昇を1861-80年の産業革命時代と比較して[2℃未満に抑える]、という協定である。この協定は各国が「それぞれに共通に有しているが、差異のある責任を分担する」ことを認めた。これはとくに途上国の開発レベルと特殊なニーズを考慮してのことである。一方、先進工業国は資金の提供にくわえて、テクノロジーの移転と脱炭素経済への転換を促進しなければならないともしている。ただ、この協定はその義務を尊寿しない国に対して強制力をもたず、罰則も規定していない。

炭素の価格づけ(カーボン・プライシング)

2016年に世界的なエコノミスト13人[ノーベル経済学賞受賞者のジョーセフ・スティグリッツ教授ほか]をメンバーとして創設された。炭素価格化ハイレベル委員会(CPLC)は、炭素価格の幅を設定することを任務としたが、同委員会によれば、ほかの対策と結びつければ、パリ協定の目標[気温上昇を2℃未満に抑える]を達成することができるという。そこでは、炭素利用の削減対策を完全なものにするために導入された炭素税が、エネルギーを大量に消費する営為に不利益を課すようになるだろう。