じじぃの「科学・地球_48_SDGsの世界ハンドブック・海洋資源・プラスチック汚染」

microplastic pollution

Washing your clothes can create Arctic microplastic pollution

2021.01.13 The Japan Times
Maria-Luiza Pedrotti, CNRS marine biologist specialized in micro-plastics, looks at sea sample taken from the Mediterraneean Sea on a coastal research vessel as part of a scientific study about microplastics damaging marine ecosystems, near Villefranche-Sur-Mer, France, in October 2018.
New research has found the majority of microplastics in Arctic seawater are polyester fibres, suggesting households are polluting the oceans simply by washing their clothes. REUTERS
https://www.japantimes.co.jp/news/2021/01/13/world/science-health-world/washing-clothes-microplastic-pollution/

LIMEX ライメックス 国内で自給自足出来る石灰で作られ 紙 プラスチックの代用に

2021.03.05
石灰から作られた LIMEXの紙は水に強く丈夫 樹木不要。
ライメックスはプラスチックの替わりに レジ袋の無料提供も可能。
LIMEXが使われた プラスチック代替え品は食器、ボールペン、クリアファイル、スマートホンケースなど、それにレジ袋に。
2020年7月から レジ袋が有料化なりましたが、ヨドバシカメラでは LIMEXを使用しているので 無料で提供出来ています。
石灰石は枯渇の心配のないとされる資源で、プラスチックになる石油に比べ低コストなので 無料で提供しています。
https://slow-baaba.com/sdgs-limex

『地図とデータで見るSDGsの世界ハンドブック』

イヴェット・ヴェレ、ポール・アルヌー/著、蔵持不三也/訳 原書房 2020年発行

19 持続可能な開発からほど遠い不平等な世界 より

地球上に住む人々のあいだにはつねに大きな不平等(格差)が存在してきたが、その一部はなおも増幅しつづけている。25年前には最貧困層(10%)の約7倍であったOECD諸国における最富裕層(10%)の可処分所得の平均は、今日では約9.5倍となっている。衛生環境や食生活の分野において改善こそみられるものの、社会的不平等は顕著である。極度の貧困状態で暮らす人々の数はここ30年で10億あまりに減少した(世界銀行調べ)。2005年から2015年にかけての10年間で、栄養失調状態にある人々の数は10億から8000万になった。とはいっても、環境問題(生物多様性の劣化、気候変動ないし温暖化、海洋汚染)は山積しており、これらは不適切で容認しがたい管理の仕方に起因する。人類全体としては持続可能な開発のスタンダードから今もほど遠い状況にあり、最貧困層は社会的・経済的な機能障害のあおりを真っ向から受けている。それゆえ、貧困の削減と根絶は持続可能な開発目標の核心をなすものといえる。

56 資源としての海洋とその汚染 より

海洋は地球表面積のおよそ70%を占め、地球のエネルギー収支と気候、さらに温室効果ガスの収支において重要な役割を担っている。そこは生物の多様性に富んでおり、鉱物資源(団塊[地質体中に存在する周囲と成分の異なる塊]、化石エネルギーなど)の宝庫でもある。海洋を地球の持続可能な開発に組みこむことは必須であるが、多くの理由がそれをむずかしくしている。

海洋

地球の気候は海洋によって調整されている。それは水塊の慣性や海流の機能のおかげである。自然および人間が放出するかなりの量のCO2を吸収する海水は、大量の炭素をストックし(大気の50倍)、温室効果ガスと気候変動を抑制している。しかしながら、海面の温度は20世紀の初頭から現在までに1℃上昇し、水位も全体として上昇しており(ここ数年においては1年に3mmの割合)、それが人口密度の高い低地沿岸地域にとくに深刻な影響をおよぼしている。そこに溶けこむ炭素の量の増加により、海水の酸化も進んでいる。そのことが生物多様性にダメージをおよぼしている(たとえばサンゴ)。

豊富な資源

深さ4000mから5000mの海底には多金属団塊や水酸化鉄の堆積層、鉱石とレアアースを豊富にふくんだマンガン粒が存在する。まさに海底は化石資源の宝庫といえる。海洋はまた自然利用エネルギー(風力や風水力)を産出することも可能である。

海洋汚染

1972年から74年にかけて、大西洋と北大西洋へのプラスチック投棄を指摘する最初の研究が現われた。1997年には、アメリカ人船員のチャールズ・ムーアが環流(地表風や地球の自転によりひき起こされる巨大な循環系)にプラスチックが島や「大陸」のようになってただよっていることを告発した。

たとえば北太平洋環流にはアジア東岸と北米西海岸のプラスチック廃棄物が集まっている。くだけ波と紫外線の影響で破砕されたこれらのゴミは、平均数ミリサイズの粒子でできたプラスチックの「スープ」のようなものを作り出し、海面から深さ30メートル近くにまで広がっている。この海洋プラスチックの密集度は1平方キロあたり30万片、重さにすると5キログラムである。

こうした海洋汚染の80%は陸地に起因する。プラスチックは河川から運ばれてきたものであり、廃棄物処理のシステムをもたない沿岸の人口密集地域の住民が投棄したものである。これらプラスチックの廃棄物にくわえ、殺虫剤や医薬品、重金属、炭化水素なども人間の健康と沿岸地帯の生態系に、とりわけ食物連鎖を介してときに深刻なリスクをもたす。
たとえば、水銀化合物をはじめとする一部の化合物は、食物連鎖の下位層に属する生物(藻類、小型甲殻類など)より、上位捕食者(海鳥、巨大魚、海洋哺乳類など)にはりかに多く含有されるのだ。化学汚染は生態系を破壊し、酸素が除かれることによってデッドゾーン[溶存酸素濃度がきわめて低い海域]を生み出しうる。海洋の温暖化と酸化もまたしかりである。