Toyota Makes an Update on Solid-State Batteries
BUSINESS - 三井金属鉱業
●TOPICS[ 第92期下半期トピックス]
当社は、次世代リチウムイオン電池とされる全固体電池用の硫化物系固体電解質を開発し、併せて、既存のリチウム二次電池では困難とされる高エネルギー密度を有する全固体電池の実証に成功しました。
全固体電池は可燃性の有機電解液を使用しないため、高い安全性が要求される二次電池として電池材料メーカーなどで開発が進んでいますが、その実用化では、イオン伝導率が高い固体電解質の開発、またその特性に合わせた正極および負極活物質の開発など、多くの技術課題の解決が求められています。
当社は独自技術で高いイオン伝導性を有し、かつ電気化学的に安定な「アルジロダイト型硫化物固体電解質」を量産性に優れた工法で開発しました。また、硫化物系全固体電池に適した正極および負極活物質の開発にも取り組み、高エネルギー密度を達成するとともに急速充放電も可能であることを試作した全固体電池で実証しました。
https://www.mitsui-kinzoku.com/LinkClick.aspx?fileticket=PxmC%2BPiAuQQ%3D&tabid=145&mid=1063
『週刊エコノミスト』2021.3.2号
〔特集〕水素・電池・アンモニア 「全固体電池」の現実味 トヨタ、年内にも試作車か 電解質の鍵握る三井金属、出光興産 【執筆者】佐藤登(名古屋大学客員教授) より
現在、車載用電池はリチウムイオン電池(LiB)が多用されているが、同電池は電気自動車(EV)向けとしては、性能の限界に近づきつつある。
そこで、既存の液系リチウムイオン電池を固体化する「全固体電池」の実用化に期待が集まっている。全固体電池の構造を簡単に言えば、既存電池の構成材料「セパレーター」と「電解液」の代わりに「固体電解質」を使う(画像参照)。
全固体電池が期待される理由の1つ目は、火災事故のリスクが低減する可能性がある点だ。既存のリチウムイオン電池は可燃性溶媒の電解液が使われており、条件がそろうと火災事故につながる。電解液の代わりに不燃性の固体電解質を使えば、リスクは低減するだろう。
2つ目は、電池の冷却システムを省略できる可能性がある点だ。
液系電池の作動温度域はマイナス30度から50度までの範囲で、特に50度を超える高温域では電池の劣化が加速する。これに対し固体電解質は、100度の高温域でも使え、かつ高温域ではイオン伝導率も大きくなるため性能も向上する。そのため、液系では必要な電池冷却システムを省略でき、電池システムのコンパクト化が期待できる。
・
21年は各社で生産体制へ
中核となる「固体電解質」の開発は、三井金属と出光興産が精力的に進めている。
三井金属は21年中に、電池の試作に供給できるよう、年間数十トン規模の生産体制を整える模様だ。インフラ用や医療用での応用をにらみ、マクセルと協力して開発を急ぐ。同社の固体電解質はアルジロダイト型(Li-P-S-Cl系)結晶質で、車載用途の開拓にも拍車をかけている。
トヨタが主導する別の固体電解質(Li-Si-P-S-Cl系結晶質)のイオン伝導率には及ばないものの、自動車メーカーや電池メーカーとの協業で実用化を目指す。
出光興産も千葉県市原事業所に生産設備を整え、21年から稼働させるという。
同社は硫化物系固体電解質の原料となる硫化リチウム(Li2S)の高純度製造技術を持ち、10年以上も研究を続けてきた。
韓国や中国勢も全固体電池への参入を虎視眈々(たんたん)と狙っている。
-
-
-
-
-
-
-
-
-
- -
-
-
-
-
-
-
-
-
問題。車載用”リチウムイオン電池”シェアトップは? アメリカの企業、日本の企業、中国の企業
答えは中国の企業。
しかし、2021年はリチウムイオン電池から全固体電池に変わる過度期なのだそうです。
全固体電池を使うと自動車なら1回の充電で、東京から福岡まで1000kmの運転も可能になるのだとか。
この全固体電池では日本が中国を一歩リードしているらしい。
「中核となる「固体電解質」の開発は、三井金属と出光興産が精力的に進めている」
4月19日に開幕した上海モーターショー。
中国の新興EVメーカー(NIO)が夢の次世代バッテリー「全固体電池」を世界で初めて実用化した? そんなニュースが流れた。
ただ一部メディアでは、全固体の一歩手前の技術「半固体電池」なのではないかとの指摘もあり、真相ははっきりしていないらしい。