じじぃの「歴史・思想_479_腸と脳・最終章・健康を取り戻すために」

A Healthy Meal | Healthy Eating Song | Healthy Habits | Pinkfong Songs for Children

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=YZ11C-U7S8I

Eating healthy can help you lose weight and have more energy

14 Simple Ways to Stick to a Healthy Diet

April 17, 2019 Healthline
Eating a nutritious diet has many benefits, including potential weight loss.
However, it’s important to set realistic expectations.
For example, if you pressure yourself to lose weight too quickly, your plan to achieve better health may backfire.
https://www.healthline.com/nutrition/14-ways-to-stick-to-a-diet

腸と脳―体内の会話はいかにあなたの気分や選択や健康を左右するか 紀伊國屋書店

エムラン・メイヤー/著 高橋洋/訳
腸と脳のつながりを研究し続けてきた第一人者が、腸と腸内の微生物と脳が交わす緊密な情報のやりとりが心身に及ぼす影響や、腸内環境の異変と疾病の関係などについての最新知見をわかりやすく解説する。
健康のための食事や生活についての実用的アドバイスも必読。
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784314011570

『腸と脳──体内の会話はいかにあなたの気分や選択や健康を左右するか』

エムラン・メイヤー/著、高橋洋/訳 紀伊國屋書店 2018年発行

第10章 健康を取り戻すために より

健康なマイクロバイオ―ムとは何か

マイクロバイオ―ム(微生物叢)の健康を保つためには、健康なマイクロバイオ―ムが何によって構成されるのかをまず理解しなければならない。
マイクロバイオ―ムは1つの生態系なのだから、生態学の観点から考えてみるとよい。人体を風景になぞらえ、身体の個々の器官を1つの地域と見なし、おのおのの知識が微生物に独自の生息地を提供しているととられるのだ。たとえば膣内には少数の微生物種が、また、口内には多様な微生物が宿っている。消化器系内に限ってもいくつかの異なる地域が存在し、胃や小腸における微生物の多様性のレベルは低く、大腸には体内で最多種、最多数の微生物が生息する。
UCLAの同僚で生態学者のダニエル・ブルムスタインに生態系の健康とは何かを尋ねたところ、自然の生態系には、いくつかの安定した健康状態があることを教えてくれた。つまり、いかなる生態系も複数の安定状態を示すのだ。人体内の微生物の生態系では、健康に結びつく安定状態と、疫病をもたらす安定状態の2通りがある。
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自然の風景と同様、マイクロバイオ―ムの風景はさまざまな要因が決定づける。主要因は、遺伝的構成、および、良い方向にせよ悪い方向にせよ、幼年期の経験によって遺伝子がいかなる変更を被ったかである。また、免疫系の活動、食習慣、ライフスタイル、環境、および性格によって各人で異なってくる内臓反応も重要な要因をなす。
すでに完了した研究の数は限られるが、マイクロバイオ―タ(ある環境中の微生物)の構成を調査する経年的研究では、食生活の変更、免疫機能、薬、とりわけ抗生物質の投与によって、マイクロバイオ―タの構成が変化する場合があることが示されている。それには、元の健康な状態にすぐに戻る一次的な変化と、長引いて慢性疾患を引き起こす変化がある。

多様性

一般に認められている健康なマイクロバイオ―ムの基準に1つは、多様性と、それを構成する微生物種の多さである。自然の生態系と同じく、マイクロバイオ―ムの多様性のレベルが高ければ攪乱に対する回復力は強く、低ければ弱い。また、微生物の種類が少ないと、(病原菌、ウイルス、腸内の病原性共生生物による)感染、粗悪な食事、投薬などによる攪乱に耐える能力が低下する。
ただしそれには、健康時に微生物の多様性が低下する。新生児の腸内、あるいは膣内のマイクロバイオ―タなのど顕著な例外もある。というのも、新生児のマイクロバイオ―ムは、初期のプログラミングがなされる時期には腸内微生物コミュニティの独自のパターンを築くために、また、膣内マイクロバイオ―ムは、生殖と分娩に求められる独自の条件に対応するために柔軟性を必要とするからだ。つまり、微生物が生息する場所の安定性を確保し、感染や疾病から守るための賢い戦略を、自然は生み出したのである。ちなみにどちらのマイクロバイオ―タも乳酸菌とビフィズス菌で占められるのだが、この2種類の細菌は抗菌性の物質を生成する能力や、乳酸を分泌して、他のほとんどの微生物や病原菌には生息が困難な酸性度の高い環境を生み出す独自の能力を有する。

自然で有機的なマイクロバイオ―ムを育成する

マイクロバイオ―ムを農場、マイクロバイオ―タをそこで飼われる動物とみなし、その多様性、安定性、健康、そして脳に影響を及ぼす有益なシグナル分子の生成を最大化するには、どんな飼料を与えるべきかを考えよう。有害な化学物質や、不健康な食品添加物が多量に含まれているとわかっている飼料をわざわざ与えるだろうか? そう考えてみることで、食事コントロールの第一歩を踏み出せるだろう。この心構えがあれば、ファストフードに手を出そうとしたときや、レストランでデザートを注文したくなったときには、考えなおせるようになるはずだ。

動物性脂肪を控える

典型的なアメリカの日常食に含まれる動物性脂肪は、見た目でわかろうが、原型をとどめないほど加工されていようが、いずれにせよ健康を損なう。ウエストのサイズは増大し、最近の研究によれば、とりわけ脂肪分の加工肉は、乳がん、結腸がん、前立腺がんを含め、いくつかの重病を発症するリスクを高める。動物性脂肪を大量に摂取すると、脳の健康も損なわれる。
   

マイクロバイオ―ムの改善による健康増進の指針 (まとめ)

・自然で有機的なマイクロバイオ―ムを育成する
・動物性脂肪を控える
・腸内微生物の多様性を最大化する
・大量生産された食品や加工食品は避け、なるべく有機栽培で育てられたものを食べる
・発酵食品やマイクロバイオティクスを摂取する
・妊娠時には特に栄養とストレスに留意する
・食べ過ぎない
・断食をして腸内微生物を飢えさせる
・ストレスフルなとき、怒っているとき、悲しいときは食べるのを控える
・皆で食事を楽しむ