A Man Called "Bee": Studying The Yanomamo - PREVIEW
Yanomamo, Noble Savages
Where Does Male Honor Come From?
September 19, 2020 The Art of Manliness
Chagnon’s first big surprise when he arrived among the Yanomamo was that the tribe existed in a state of chronic war ? their lives were overhung with the “ubiquity of terror.” Chagnon’s education in anthropology had largely presented him with an image of primitive tribesmen as Roussean “noble savages” ? communal, peace-loving people who were one with nature and each other.
https://www.artofmanliness.com/articles/the-yanomamo-and-the-origins-of-male-honor/
腸と脳―体内の会話はいかにあなたの気分や選択や健康を左右するか 紀伊國屋書店
エムラン・メイヤー/著 高橋洋/訳
腸と脳のつながりを研究し続けてきた第一人者が、腸と腸内の微生物と脳が交わす緊密な情報のやりとりが心身に及ぼす影響や、腸内環境の異変と疾病の関係などについての最新知見をわかりやすく解説する。
健康のための食事や生活についての実用的アドバイスも必読。
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784314011570
第8章 食の役割 より
今日のアメリカでは、人口甘味料、乳化剤、香味料、着色料、過剰な脂肪分、活性グルテンを多量に含む高カロリーの不自然な食べ物を口にせずに、日々を送るのはむずかしい。何を食べるかがマイクロバイオ―タ(ある環境中の微生物)の働きを左右することを考えると、次のような問いが頭に浮かぶ。身体の進化の基盤になってきた食事法を採用した場合、マイクロバイオ―タはどう変化するのだろうか? 私たちの祖先のマイクロバイオ―ム(微生物叢)は何を語っているのか? それについて今から知ることは可能なのか?
実のところそれは可能だ。私たちの祖先が何を食べていたかを知ることは、心身の健康にもっとも資する食事とは何か、具体的にいえば、高脂肪/高タンパク質/低炭水化物を心がけるのが良いのか、果物と野菜が多い雑食主義か、完全菜食主義なのか、はたまた折衷的かつおいしい地中海食事法なのか? このきりのない議論に一定の答えを与えてくれるかもしれない。またそれを知れば、腸、腸内微生物、脳が調和しつつ共存していたころの状況がある程度わかるだろう。すなわち、人類が進化する過程で、いかなる食習慣が形成されていったかがわかるはずだ。
それを知る方法の1つは、数万年の進化を経て私たちの身体を形作ってきたものとそれほど異ならない食習慣を手はじめとして、先史時代の生活様式を現在でも維持している、ヤノマミ族やマラウイ人のような狩猟採集民や農耕民を研究することである。
ヤノマミ族の食事レッスン
かれこれ40年以上も前のことだが、私はヤノマミ族の生活や食習慣をじかにこの目で見るという、稀有な体験をした。ベネズエラのジャングルの奥深くへと数千キロメートルにわたって分け入り、アマゾン熱帯雨林の一部をなす、オリノコ川上流地域で暮らす原住民の集落を訪れたのである。
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ヤノマミ族は、高度な多様性によって特徴づけられる森林に依存しながら暮らしており、マイクロバイオ―ムにも多様性が反映されている。果物と野菜からなる食事に加え、彼らは食用とは別のさまざまな目的で植物を用いる。たとえば、植物から抽出した毒をもとに毒矢を制作して狩猟や漁獲に用いたり、食用の他に薬用、催幻覚のために数百種類の植物、木の実、種子を採集したりしている。彼らはまた、調理に発酵の原理を応用し、自然が与えてくれる微生物の恩恵を受けている。自然な発酵作用やアルコール飲料を作るべく、村人の一団が丸木舟のなかで大量のプラタノをすり潰しているところを、われわれは見た。こうしてできたアルコール飲料は、男たちが大量に飲む。もちろん、それによって行動が変化するのは私たちと同じだ。おそらくヤノマミ族は、数世紀にわたる試行錯誤を経て、食物や薬草に含まれる成分が特定のシグナルを生み、腸と脳の双方に影響を及ぼすことを学んだのではないだろうか。
概していえば、ヤノマミ族の食事は野菜中心で、ときおり肉類を食べて栄養バランスを補っている。アメリカで市販されている牛肉や豚肉の高脂肪加工製品とは異なり、ヤノマミ族が食べている肉は、脂肪分の少ない健康な野性動物から得られたものである。彼らは、テレビや新聞で栄養に関してうんちくを傾ける専門家とはまるでちがう世界で日々を暮らしているが、野菜、果物、そして折に触れて口にする魚類や低脂肪の肉類からなるヤノマミ族の日常食は、『これ、食べていいの?──ハンバーガーから森のなかまで:食をえらぶ力』(小梨直訳、河出書房新社、2015年)で著者マイケル・ポーランは述べる、「おもに野菜を、そして食べ過ぎないこと」という助言にも合致する。
だからといって、「私たちは狩猟採集民に戻るべきだ」といいたいわけではない。最適な健康を維持するために、パレオダイエット[狩猟採集社会の食事を真似る健康法]を実践する必要があるとも思わない。狩猟採集生活を続ける原住民は成長が妨げられ(森で狩猟採集生活を営む民族にはそのほうが都合が良い)、平均寿命は私たちよりはるかに短く、戦争やそのときの負傷で命を落とす者も多い。とはいえ、彼らの生活様式を観察していると、食習慣とマイクロバイオ―ムの結びつきが、健康増進にきわめて重要であることがわかる。
食習慣はいかに腸と脳の会話を変えるか
本書で私は、「脳ー腸ーマイクロバイオ―ム」相関をスーパーコンピューターにたとえてきた。このコンピューターは、免疫系、代謝系、神経系をはじめとする身体のあらゆる系(システム)と緊密な連携を保ち、身体の内外で起こる変化に完璧に適応可能である。「脳ー腸ーマイクロバイオ―ム」相関の適応性は、自然環境と密接に結びついた先史時代の生活様式から、大都市で暮らし世界各地から輸入されてくるものを食べる現代の生活様式へと、人類がうまく移行した事実にはっきりと示されている。私たちが宿すマイクロバイオ―ムは、医薬品、殺虫剤、化学物質など、過去に一度も遭遇したことのない物質の代謝を学習する能力すら備えている。
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食習慣の変更が脳に及ぼす影響が、いかに重大なものかを示す例をあげよう。ヒトマイクロバイオ―ムは、およそ50万種類の代謝物質を生成する。総称してメタボローム(生体に含まれる代謝物全体)と呼ばれる代謝物資の多くは、神経系に影響を及ばす。微生物のなかには、ホルモンや神経伝達物質、あるいはその他の神経系に直接作用する分子を含め、50種類ほどの代謝物質を産生するものもある。また代謝物質は、他の代謝物質との結合様式にしたがって、最大4万までバリエーションを持ちうる。代謝物質の産生には、およそ700万の遺伝子が関与するが、この数はヒトゲノムの遺伝子数2万よりはるかに大きい。
私たちは、多様な食物、とりわけ多品種の植物性食物を食べている。また、私たちの腸内にはかくも多くの微生物の細胞が含まれる。それゆえ、身体を循環する代謝物質の40パーセントは、私たち自身の細胞や組織によってではなく、腸内微生物によって生成されていると見積られる。事実、マイクロバイオ―ムは、腸細胞を含め身体のあらゆる細胞に影響を及ぼす、非常に複雑なシグナル伝達システムの重要な構成要素をなす。
腸内微生物が生成する代謝物質が、単独でもしくは複合して、私たちに与える複雑な影響を完全に解明するためには、今後何年もの研究を要するが、それが深甚なものであること、また、その解明が人間の成長や、脳および脳腸相関の障害において食事が果たす役割の理解を革新するであろうことは疑うべくもない。要するに、腸内微生物で構成されるオーケストラは、生後1年もすれば熟練した演奏家がそろい、演奏の準備が整う。食習慣の選択は、演奏される曲目ばかりか、演奏の質も決定づける。そしてこのオーケストラを指揮するのは、あなた自身だ。