じじぃの「ナイルパーチ・生態系の崩壊・ビクトリア湖で起こった悲劇!生物学入門」

Darwin's Nightmare FishtubeTV Trailer

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=VcvyKQL9ezw

ナイルパーチ (Nile perch)

ヴィクトリア湖

ウィキペディアWikipedia) より
ヴィクトリア湖は、ケニアウガンダタンザニアに囲まれたアフリカ最大(68,800 km2)の湖である。
【生態系と漁業】
ヴィクトリア湖は代表的な古代湖であり、およそ100万年の歴史をもち、多くの固有種が進化し生息する『ダーウィンの箱庭』としても有名だが、近年ナイルパーチというスズキ亜目アカメ科の全長2mを超す肉食の外来魚が食用として放流されて定着し、湖の固有種が激減している。
食用に加工されたナイルパーチはヨーロッパや日本へ輸出されており、ヴィクトリア湖周辺の地域にとって重要な外貨獲得源となっている。

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『これからの時代を生き抜くための生物学入門』

五箇公一/著 辰巳出版 2020年発行

生物の多様性 より

かつてないペースで生物種が消える大絶滅時代

生物は今わかっているだけで、190万種いるとされます。未知の種を含めれば、この地球上には1000万種いるとも1億種いるともいわれています。
ただ、種というものの数え方も実は難しいのです。もともと種を分ける基準は、体の形質の違いだったのですが、最近だとDNAの違いも考慮するようになり、形はとても似ていていても別種に分けられるケースもあります。どこまで区別すればいいのか、種の区分については、生物学者でも議論がつきない問題となっています。種という概念は人間にとって、生物をタグ付けするためのもので、科学的な基準はとりようによっていくらでもできることになります。
現時点で地球上に生息する種の数は正確にはわかっていないのですが、現在、さまざまな生物種が急速に姿を消していて、その大部分が人間活動に起因するものであることが環境問題のひとつとなっています。この現象が人間にとって「たいしたことない」ことなのか「とても危ない」ことなのかすら、現状はわかっていません。生態系という巨大なシステムで、次々と生物種を消しているさまは、例えるなら『黒ひげ危機一発』というヒゲの船長が頭だけを樽から出したゲームで、ブスブスと剣を刺している状態だといえばいいかもしれません。
今は大丈夫でも、キーストーン種(中枢種)が滅べば、ドカーンと多くの種の絶滅につながるのかもしれない。どれか1種滅ぼすだけで、周りに狂いが生じてくる場合があるかもしれない。われわれが生態系のすべてをわかっていて壊しているのであれば多少なりともリスクの予測は可能ですが、現状は盲目的に破壊しているような状態で、崩壊の予測ができないというリスキーな状態にあります。
わかりやすい例を挙げましょう。ある湖の外来種の話になりますが、アフリカ原産の淡水魚で、最大体長2メートルにもなるナイルパーチという肉食魚がいます。この魚を漁業目的で、湖に放り込んだら、その湖に生息していた固有の魚類を食べ尽くしてしまいました。近くに住む漁民は増えたナイルパーチを漁獲して売ることで経済的に潤いますが、魚を輸出用に加工するための燃料として、周りの森林を伐採します。すると、森が荒れて赤土が湖に流出してしまいます。最後は、死の湖になってナイルパーチも獲れなくなってしまいました……。これは、アフリカにある古代湖ビクトリア湖で起こった実話です。たった1種の外来種の導入によって生態系と人間社会のシステムが崩壊したという悲劇的実例です。
生態系は、ある程度系がつながっていると復元力が強いのですが、湖や島など、周辺の生態系とつながっていない生態系は簡単に崩壊します。ある種を引き抜くと、全部がすでに壊れてしまうのです。

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どうでもいい、じじぃの日記。
世界で一番広い湖は1位.カスピ海(ユーラシア)、2位.スペリオル湖(北アメリカ)、3位.ビクトリア湖(アフリカ中央部)。
ビクトリア湖の大きさは日本の琵琶湖の約100倍だそうです(九州の約2倍)。
ナイルパーチが移入されたのは、当時ビクトリア湖では長年の淡水魚の乱獲で漁獲量が激減し始めていたためだとか。
そのナイルパーチビクトリア湖の魚を食べ尽くしてしまったとのこと。
最大体長2メートルにもなるナイルパーチは、肉質も癖がない白身であることから食用として需要が高く全世界に輸出されている。
特にヨーロッパと日本に多く輸出されており、日本ではレストランや給食などフライ用の白身魚として「白スズキ」などの名で供されるのだとか。
本によると、この魚、やっかいものらしいが、私も回転寿司なんかで食べているんでしょうか。