じじぃの「王女のなぞ・人生の知恵者・こびとのおじいさん!昔ばなしとは何か」

10 Things You Didn't Know About Your Favorite Fairy Tales

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=AklPueRaKrY&feature=emb_title

The Gruesome Origins of Classic Fairy Tales

●Snow White
Walt Disney's 1937 animated film Snow White and the Seven Dwarves closely resembles early versions by Giambattista Basile and the Grimm Brothers, but just a few small tweaks turn this tale from charming to gruesome.
https://www.abebooks.com/books/the-gruesome-origins-of-classic-fairy-tales/index.shtml

なぞなぞ (グリム童話)

ウィキペディアWikipedia) より
なぞなぞ(Das Ratsel, KHM 22)は、『グリム童話集』に収録されている作品である。
【あらすじ】
ある国の王女が、自分に解けない謎を出した者と結婚すると布告していた。その代わり、王女がその謎を解いたら求婚者は首をはねられる。
10人目の求婚者である王子は王女に「ある人が、1人も殺さずに12人殺した」とは何か、という謎を出す。この謎は王子が王女のもとへ来るまでに体験した出来事を下敷きにしている。
この王子は旅の道中にある宿屋の老婆から毒の入った飲み物を渡されたが、その飲み物のかかった馬が落命する。この馬を食べたカラスを人殺しの悪党12人が食べて死んでしまった。これらの出来事が謎の正体である。
謎の解けない王女はコートを着込み、身分を隠して王子を訪れる。王子から答えを聞き出すが、コートは奪われてしまう。その翌朝、王女は謎を答えるが、王子が奪ったコートから策略を用いたことが発覚する。
最終的に王女はこの王子と結婚する。

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『昔ばなしとは何か』

小澤俊夫/著 福武書店 1990年発行

「王女のなぞ」

昔むかし、あるところにひとりの王さまがいました。その王さまには美しいひとり娘がいましたが、とても高慢な娘でした。わがままで、結婚しなければならない年齢になってもだれとも結婚しようとしませんでした。球根しに来る王子たちにはだれかまわず何か難くせをつけました。そしてとうとう王子たちをおどかすために、こんなお触れを出しました。「私に求婚しようと思うひとは、なぞを解かなければならない。もしなぞが解けなければ牢屋に入れられ、二度と釈放されないものとする」。けれど、どの王子もそのなぞを解くことはできません。次々に王子が牢屋に入れられるので、王女はすっかり喜んでしまいました。
しまいにはひとりも王子は来なくなりました。そこで王女はお楽しみを絶やさないために、こんなお触れを出したのです。「王子でなくてこよろしい。来たい者は誰でも来てなぞ解きをしてよろしい。なぞが解けた者と結婚するであろう」。
ところでそのころ、3人の息子をもった農夫がいました。上の2人の息子は賢くて仕事もよくできました。だが末の息子、これはハンスという名まえでしたが、この末の息子はばかだと思われていました。
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「おまえにこの杖(つえ)をやるから、柳の木を探して、しなやかな良い杖を1本切って笛を作れ。作り方はわかるだろうな。笛を作るときにこの枝でたえず柳の皮をたたいて、おまえの知っているあの詩を唱えるんだ。そうやって笛ができあがったら、安心して王の城へ行きなさい。そうすればもう危いことは全然ないからな」。
そう言うとこびとの姿は見えなくなってしまいました。ハンスはさっそく笛作りを始めました。すべすべした、しなやかな柳の杖を笛にちょうどいいような長さに切り、笛の穴を通し、8個の小穴をあけました。つまり親指を除いた4本ずつの指で押さえるように、それからこんどはあの年とったこびとからもらった杖でその柳の枝をたたきました。こんなぐあいに唱えながら。
  「コッツン、コッツン、柳の木、
   犬のくそは白(はく)ぼくだ
   猫はこっそりやってきて
   笛の作り方を教えてくれる」。
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ある日のこと、王女を乗せた馬車がそこを通りかかりました。王女には豚のおどっているのが見えました。そんなものは一度も見たことがなかったのですぐに、あんなおもちゃが欲しいと思いました。
つぎの日、王女は百姓娘に変装してハンスのところにやってきました。けれどハンスは、今までに何度も王女が散歩しているのを見たことがあるので、すぐに王女だと気づきました。変装した王女はハンスが腰をおろしている森のへりに来て、こんなじょうずにおどれる子豚なんて見たことがない、1頭くれないかとたずねました。ハンスはききました。「豚をやったら何をくれる? お金はいらないよ、食うものも飲むものも持ってるからな。それに給料だってもらえるんだから」。「そうなの? じゃ何が欲しい?」と百姓娘に変装した王女はききました。ハンスはある考えを思いつきました。「そうさね。スカートをひざのところまでたくしあげたら、おどりのじょうずな豚を1頭やるとしよう」。
王女はそんなことをするのはいやでした。それでくるりとうしろを向いて歩きだしました。だがそれからちょっと考えて、すぐにもどってきました。王女はこう考えたのです。「こんな森のなかだもの、誰も見てないわ。このばかな豚飼いだけなんだから」。王女はスカートをひざまでたくしあげました。そして子豚をもらって喜んで歩き出しました。
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またまた百姓娘に変装した王女がもう一度子豚が欲しいと言うと、ハンスはこう答えました。「いいよ、もうひとつやろう。だがスカートをおなかの上までたくしあげてくれ」。そんなことはとてもできません。けれど王女はおどり続けている子豚たちを見ているうちに、けっきょく言われるとおりにして子豚をもらいました。今度は王女も用心して子豚をしっかりと腕に抱きました。そして無事に白の中庭まで着きました。ところがそこで子豚をおろした瞬間に、子豚はハンスの笛の音を聞きとって城壁にそって走りだしました。そして穴をひとつ見つけるとその穴をくぐり抜けてハンスのところへもどりました。ハンスは喜んで子豚たちをみんなおどらせました。みんなしまいには疲れはててしまいました。
そのとき、突然またあの年とったこびとがハンスのまえに現れてこう言いました。「ハンス、いよいよチャンスがきたぞ。豚の番をやめて全部小屋へ追い返しなさい。それがすんだらまたここへおいで」。ハンスはこのこびとのお年寄りの言うとおりにしました。そして森のへりにもどってきてみると、こびとのお年寄りはハンスのために、とても上等な服を用意していてくれました。ハンスはそれを着ると、まるでこの世でいちばんすばらしい王子のように見えました。それからこびとは言いました。「さあ、お城へあがって、なぞを解きたく存じますと申し出るがいい。だがおまえさんと会うのも今日が最後だぞ」。
さてハンスはそのつぎの日、お城に行き、王女のなぞを解きたいと申し込みました。誰もハンスのことを知っている者はいません。それになぞを解いて求婚しようという者も、このところずっと現れたことがなかったので、城の女官たちや召し使いたちは寄り集まって「ひどい目に会うのも知らないで、また物好きがひとりやってきたよ」と話合っていました。
王と王妃と王女はハンスを呼び入れました。王女が問題を出しました。「私だけが持っていて、この地球上誰もほかの人が持っていないものは何?」するとハンスはすぐに答えました。
「王女さまはおなかに3本の金髪を持っておられます」。

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どうでもいい、じじぃの日記。
童話の話には、人生についての重要なヒントが隠されているのだとか。
この「王女のなぞ」に、こびとのおじいさんというのが登場する。
昔ばなしのなかでは親が教えるという形で現れることがなく、第三者として現れる。
人が一生を歩む間に、知らず知らずのうちに他人からの忠告や援助を受ける。
行きずりに出会った知らない人の、ちょっとした言葉が、物語に出てくる若者に大きな影響を与える。
童話に、こんなに深いことが含まれているとは知らなかった。

「王女さまはおなかに3本の金髪を持っておられます」

私も、王女さまのおなかの3本の金髪を見てみたいです。 (^^;;