菅首相が初のG7会議 中国包囲網 “日英同盟”の本気度 【後編】
動画 fnn.jp
https://www.fnn.jp/articles/-/147580
China's Uighur camp detainees allege systematic rape - BBC News
プライムニュース 「菅首相が初のG7会議 中国包囲網とワクチン “日英同盟”の本気度」
2021年2月22日 BSフジ
【キャスター】梅津弥英子、反町理 【ゲスト】薗浦健太郎(自由民主党副幹事長 衆議院議員)、宮家邦彦(内閣官房参与 キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)、朱建榮(東洋学園大学教授)
2月19日、バイデン大統領や菅首相、さらにイタリアのドラギ首相が初参加となる主要7ヵ国・G7首脳会議はオンラインでの開催となった。
バイデン大統領、初の国際舞台となるG7。新型コロナウイルス対策や人権、環境などがテーマとなる中で、米国第一主義を掲げたトランプ大統領時代の結束の乱れは、どこまで回復できるのか?
また議長国の英国が、中国の懸念に対抗する日米豪印の戦略対話「クアッド(QUAD)」やTPPへの参加に意欲を示す中、中国は、今回のG7サミットをどのように見ているのか?
菅首相初G7会議・中国包囲網と国際情勢の行方
2月19日深夜、菅首相とバイデン大統領などが初めて参加したG7首脳会議がオンライン形式で開催された。
声明では新型コロナウイルスの安定供給や、世界経済の立て直しなどで協力していくことで一致し、2021年を「多国間主義のための転換点」と位置付けた。
一方、中国に対しては不公正な貿易慣行に対処するためのアプローチを模索し、中国と共同対応していくにとどめた形となった。
中国の脅威に対抗する日本、米国、オーストラリア、インドの枠組みクアッドに英国が参加意欲を示すなど、中国包囲網が激しくなる中、国際連携はどうなるべきなのか。
●中国包囲網と国際情勢の行方 菅首相初のサミット
会議終了後に出された首脳声明。
・新型コロナウイルスについては「公正な普及と発展途上国を中心とした支援に75億ドルを拠出」
・新型コロナ回復後は「2050年のCO2排出ゼロに向けてクリーンエネルギーに移行」、非市場志向の政策や慣行に共に対処するための共同アプローチを協議
・東京オリンピック・パラリンピックについては「新型コロナに打ち勝つ世界の結束の証として安全、安心な形で開催するとの日本の決意を支持」
薗浦健太郎、「G7が復活する芽が見えてきた。国際機関をG7がルールとしてやっていくというところでまとまった。育っていくかはこれから次第」
宮家邦彦、「トランプが米国一国主義で多国間協調主義をぶっ壊したわけだから、それに対してようやくバイデンになって、ジョンソンもEUから出て協調路線に戻らなければとキックオフが始まった」
●日米豪印「クアッド」の狙い
朱建榮、「クアッドは中国を念頭に群れている。次にNATOを中国は警戒している。日本もオーストラリアもそれぞれの利益がある。インドはうまく日本や米国からも取れるところは取っている。今すぐクアッドが軍事面で1つの意見になることはない」
宮家邦彦、「最大の問題は、軍事同盟にしようと思ってはいないが、中国の態度が強硬になれば、おのずからそうなる」
朱建榮、「ほかの国も一緒にやれば良い。中国を念頭においた枠組みではないかと思う」薗浦健太郎、「中国の振る舞いに対してみんなで共同対処しないといけない。中国の国民に何かしようと思っているわけではない。尖閣、南シナ海、宇宙での問題、ウイグルやチベットの問題。中国が脅威としかうつらない振る舞いをしている。みんなが思っているからこそ連携になっている」
●英国「アジアシフト」狙いと背景
アジア太平洋への動きを加速している英国の思惑と、これからの日本と英国の関係について。
宮家邦彦、「英国は海洋国家。海洋国家はランドパワーに警戒がある。EUから出て孤立している。アジアはおいしい地域。成長が見込めて英国の生き残りをかける時に東アジアというのは自然な発想」
薗浦健太郎、「ファイブアイズ(Five Eyes、米国、英国、カナダ、豪州、ニュージーランド5ヵ国から構成され、政治的、軍事的な情報を共有する同盟)は情報機関をシステマティックにやっている。英国の情報収集能力が昔のものではなくなっている。これに誘われたから日本もそのレベルになったと喜んでと飛びついてはいけない」
日本と英国の新たな関係について。
日英同盟で日本は第一次大戦の時に軍隊を派遣して、戦死者まで出している。
宮家邦彦、「この機会に本気で情報機関を作る努力をするのも1つの政策」
朱建榮、「日本自身にとってファイブアイズはプラスなのか。日本が負わされる義務を含めてどうなのか。中国からみれば日本がすぐにこれに飛び込むことはないと見ている」
宮家邦彦、「この中でスパイ防止法など大きな枠組みで見直さないといけない」
薗浦健太郎、「入るなら法律の建づけと人の要請と機関の設置を考えないといけない」
●ウイグル族「弾圧」報道の波紋
新疆ウイグル自治区を巡る報道で、英国と中国の間で対立が生じている。
英国BBC、英国メディア規制当局、中国国家ラジオ・テレビ総局の動きについて。
反町理、「ウイグルの弾圧でイスラム諸国から何も言ってこないのはなぜか」
宮家邦彦、「トルコにしろイスラム諸国は経済的に中国に依存している。中国の外交がうまいので外に出てこない」
薗浦健太郎、「BBCは人権問題や戦地に赴いて報道してきた報道局。国としてBBCが仕掛けたとは考えられない。5Gを含めた通信について、ヨーロッパの国々がいろいろ気づき始めている。英国は報道の自由は自分たちが築き上げてきたという自負がある。国が放送機関について統制を加えるということに辛辣に対応する国でもある」
宮家邦彦、「ウイグルはいろんな情報が流れている。否定するならオープンにして見せればよい」
朱建榮、「中国は事実ではないと、BBCに是正せよと言い、その後は報道合戦があった。ウイグルの問題は常識的に考える必要がある。おととし中国各地からウイグルへの観光客は2億人を超えている。トランプ政権が中国を批判する一環だったのでは」
【提言】 「中国包囲網における日本の役割とは」
宮家邦彦 「包囲なんて無理 抑止と関与」
中国の海洋進出をくい止めなければならない。
朱建榮 「二者択一は日本の悪夢」
米国か中国か、どちらかを選ぶというのは日本の悪夢だ。
薗浦健太郎 「結束と経済発展」
同じ価値観を持つ国との結束。同時にバランスをとって経済を発展させる。
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