じじぃの「洞窟の民・森の狩人・砂漠の民!アメリカが嫌いですか」

米大統領選挙の“陰謀論”の源流は建国にあった】報道1930 まとめ20/11/23放送

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=1XZzyYkoInM&feature=emb_title

報道1930

2020年11月23日 BS-TBS
【キャスター】高畑百合子、松原耕二 【コメンテーター】堤伸輔 【ゲスト】中山俊宏(慶應義塾大学教授)、森本あんり(国際基督教大学教授)
誰かが裏で米国を操っている…。「陰謀論」が広がる米国社会。
ロシア疑惑や貿易戦争などで迷走するトランプ政権を支持する人たちの間で、新たな勢力が影響力を強めている。ネット上の匿名の投稿者、「Q」の主張を信奉するQAnon(Qアノン)と呼ばれる人たちだ。
トランプ氏を熱烈に支持するQの言説は、「世の中を動かしているのは、実は○○だ」といった類いの陰謀論である。そうした考えが浸透する背景には何があるのか。
●白人が持つ“深層”の恐怖
なぜ米国の保守層に陰謀論が根付きやすいのか。
「ディープストーリー」という物語で米国の社会学者・ホックシールドが白人保守層を5年間取材した物語を解説。
「ディープストーリー」とは、「心の奥深くで感じる物語」のこと。
それによると、人々は山頂には米国ンドリームがあると信じ長い行列に辛抱強く並んでいるが、列に割り込んで先に行くものがいる。それは移民であり、マイノリティであるという。すなわち、不正があるというのがディープストーリーである。
もはや米国は“ユナイテッド・ステイツ"ではない。なぜ分断はこれほど深いのか。カリフォルニア大学バークレー校の著名学者が共感を遮る「壁」を越え、右派の心へ向かう旅に出た。全米最貧州の一つ南部ルイジアナでの5年間、ティーパーティー運動を支える人々から聞き取ったディープストーリーを丹念に描く。
陰謀論とQアノン
Qアノンと呼ばれる陰謀論
Qアノンに傾倒しているとされる議員が4人も誕生している。
「Qアノン」とは米国がディープステートに支配されて彼らと戦う救世主がトランプとする陰謀論支持者のことをいう。
中山俊宏、「本当のところQアノンというのは分からない。彼らはゲームを楽しんでやっているように見える」

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アメリカが嫌いですか』

阿川尚之/著 新潮文庫 1993年発行

洞窟の民、森の民、砂漠の民 より

なぜワシントンの地下鉄の駅は、かくも暗いのか。石油ショックの頃ならともかく、アメリカ人に照明を消してエネルギーを節約しようというような発想はない。犯罪の発生を防ぐためホームをビデオカメラで監視するなど、色々な工夫を施したというのだから、むしろもっと明るくしてもよさそうなものである。にもかかわらず駅を暗くするのは、この地下鉄を建設した人々の趣味としか思えない。
暗いのは地下鉄の駅ばかりではない。ニューヨークにあるグランド・セントラルやペンシルバニアといった鉄道の駅、特にホームは驚くほど暗いし、列車やグレイハウンドの長距離バスの車内も、すりガラスの窓でわざと暗くしている。アメリカで借家を探している時、居間の天井に1つも電灯がついていないのに気がついた。それではどうするかというと、スタンドをいくつか買ってきて間接照明でほんのりと部屋を明るくする。引っ越した後数日間、私たち家族は1つだけ持参した卓上スタンドの光で夜を過ごし、心細い思いをした。
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多くのアメリカ人が間接照明を好み暗い場所を好みのは、彼らの祖先が洞窟や森に住んでいたことと関係があると、私は密(ひそ)かに思っている。昔世界史で習った、ラスコー洞窟の壁画を描いたクロマニヨン人、あれである。東部ではまだ多数を占めるヨーロッパ系のアメリカ人たちは、地中深く地下鉄の駅へ降りていくとき、洞窟に住んでいた祖先の記憶を蘇(よみがえ)らせてほっとするのに違いあるまい。
アメリカで長く続いている、「フリント・ストーンズ」という人気漫画テレビ番組がある。フリント・ストーンズは火打石のこと。石器時代洞窟に住んでいた家族が主人公の他愛(たわい)ない話だが、登場人物はみな現在のアメリカ人そのものであるところが、おかしいし妙にリアルである。これもまた、もしかしたらアメリカ人の祖先が洞窟の民であったのと、関係があるかもしれない。
北ヨーロッパの洞窟の住民は、やがて外へ出て森の狩人となる。ヘンゼルとグレーテル、白雪姫、眠れる森の美女、ロビンフッドと、ヨーロッパのおとぎばなしに出てくる森は、暗くて秘密に満ちていて、懐かしい。大体ヨーロッパの冬は暗くて長い。昼でも陽(ひ)の光は弱々しく淡い。レンブラントやドラトゥールの絵があんなに暗いのも当然なのである。電気などという便利なものが発明されたとて、暗さに対する親しみはそう簡単に消えないだろう。
洞窟や森の暗さに慣れた白人の目は、ひょっとすると我々東洋人よりも闇に強いのかもしれない。英国に長く住んだ友人の話によれば、イギリスの家庭を夜訪れると、手探りでないと歩けないほど、部屋の中が暗いそうである。逆に彼らは戸外で陽の光をひどくまぶしがる。サングラスなしで太陽へ向かって立てない。フットボールの選手が目の下に黒く隈(くま)をとるのは、陽の光が反射するのを防ぐためで伊達(だて)でも何でもない。
ワシントンの地下鉄の駅が暗いのは、アメリカ人の祖先が洞窟や森の民だったかからだという説を、ある時食事の積で披露したら、「ちょっと待て、我々の祖先が森なんぞに住んでいなかったぞ」とあるロイヤーが言いだした。彼はユダヤ人である。3千年、4千年の昔自分たちの祖先はギラギラと光る太陽を背に、今の中近東地方を移動していた。その地に森なんかなかったというのが、彼の言い分である。
「でもユダヤ人だって、大昔は洞窟に住んでいたんじゃないかい。映画『ジーザズ・クライスト・スーパースター』の冒頭シーンは、洞窟の中で休むイエスとその弟子たちの場面だったし」
と反論を試みたが、はなはだ説得力に欠けると、自分でも思った。
この友人の言うように、北ヨーロッパ系の白人ばかりがアメリカ人ではない。遠い昔、祖先が洞窟や森に住んでいた金髪碧眼の持ち主など、最近ではむしろ少なくなりつつある。ラテン系、アジア系、ユダヤ人、黒人、みなそれぞれ異なる文化を携えてこの国へやってきた人たちである。アメリカの文化を北ヨーロッパ文化との結びつきだけで考えてはいけない。それはその通りなのだが、この国でこれまで力を持ってきたのは、北ヨーロッパの人たちである。アメリカのユダヤ人にも、アシュケナジーと呼ばれるドイツや東欧出身者が多い。街や地下鉄の作り方に、彼らの趣味がいまだに色濃く反映されていても、それはそれで不思議はないと私は思う。

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どうでもいい、じじぃの日記。
2021年1月6日、トランプ大統領を支持する人々が米連邦議会に乱入。支持者の女性1人が死亡するなど、首都ワシントンは大混乱に陥った。
警察は不法侵入容疑の重要参考人リストを公開した。
重要参考人リストのトップは、上半身裸でバファローのような角付きのかぶり物をした男だ。米メディアによると、西部アリゾナ州の自称俳優・歌手の男(32)とみられる。
彼は極右陰謀論「Qアノン」の信奉者として知られ、「Qシャーマン」とも呼ばれる。上院議長席で記念撮影をするなどした。
その後の報道の中で、「Qアノン」は「オウム真理教」とよく似ている、という記事があった。
そういえば、トランプさんもオウムの麻原彰晃も「陰謀論」を唱えていた。
白人至上主義者の主張は、どこか歪んでいるのかもしれない。