じじぃの「科学・芸術_997_米国の企業・ネットフリックス(動画配信サービス)」

Netflix 2021年2月の新着コンテンツ

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=sdpIV7AcVTg

【書評】『NO RULES(ノー・ルールズ) 世界一「自由」な会社、NETFLIX』リード・ヘイスティングス

2020-10-24 BIZPERA
●『NO RULES(ノー・ルールズ) 世界一「自由」な会社、NETFLIX』って?
・休暇規定
・経費規定
・意思決定の承認
・KPI
・…
こういった、ほとんどの人にとっては当たり前のルールがNETFLIX(ネットフリックス)には一切存在しないそうです。
僕もルールという概念が嫌いなので、純粋に「ルールがない組織っていいなー」と思って、『NO RULES(ノー・ルールズ) 世界一「自由」な会社、NETFLIX』を手に取ってみました。
https://www.biz-knowledge.com/entry/no-rules

『NO RULES 世界一「自由」な会社、NETFLIX

リード・ヘイスティングス、エリン・メイヤー/著、土方奈美/訳 日経BP 2020年発行

――ネットフリックスは圧倒的に成功している

ネットフリックスが上場してから17年後の2019年までに、株価は1ドルから350ドルに上昇した。同じタイミングでS&P500かナスダック指数に1ドルを投資しても、3~4ドルにしかなっていない。
ネットフリックスに夢中になっているのは株式市場だけではない。消費者も批評家もネットフリックスが大好きだ。『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』や『ザ・クラウン』などのオリジナル・コンテンツはここ10年を代表する人気作品となり、『ストレンジャー・シングス 未知の世界』はテレビ番組として世界最多の視聴者を集めているとされる。スペインの『エリート』、ドイツの『ダーク』、トルコの『ラスト・プロテクター』、インドの『聖なるゲーム』など英語以外の言語で制作された番組は、それぞれの国でドラマへの期待値を上げ、新たな国際スターを生み出した。アメリカではここ数年でネットフリックス作品がエミー賞に計300回ノミネートされ、複数のアカデミー賞も獲得した。さらにゴールデン・グローブ賞ではあらゆるテレビ局やストリーミングサービスを上回る17回のノミネートを受け、コンサルティング会社レビュテーション・インスティテュートが毎年発表する「アメリカで最も評価の高い企業ランキング」で1位を獲得した。
社員もネットフリックスが大好きだ。テクノロジー系人材のマーケットプレイス・サイトであるハイアードが2018年に実施した調査では、グーグル(2位)、イーロン・マスク率いるテスラ(3位)、アップル(6位)などを上回り、ネットフリックスが最も働きたい会社に選ばれた。同じ年、報酬やキャリアに関するサイトを運営するコンパラブリーが、アメリカの大企業4万5000社で働く500万人以上を対象に、社員の幸福度を調べた。そこでは数千社を抑えてネットフリックスが第2位に選ばれた(第1位はマサチューセッツ州ケンブリッジのソフトウェア会社、ハブスポット)。
とりわけ興味深いのは、自らの業界が変化すると経営が傾く企業が多いなかで、ネットフリックスはわずか15年のあいだに4回ものエンタテイメント業界と事業内容の大きな変化にうまく対応したという事実だ。

最高の職場=最高の同僚

ピュア・ソフトウェアが買収された1997年初頭、マーク・ランドルフと私は郵送による映画レンタルサービスで起業することを検討しはじめた。アマゾンは本のネット販売でうまくいっている。映画でうまくいかない理由があるだろうか。顧客はウェブサイトで映画のレンタル手続きをして、郵便で返却する。そこで調べたところ、VHSテープの送料は片道4ドルだとわかった。高すぎる。それではあまり大きな市場にはならないだろう。
そんななか友人が、DVDという新発明がその年の秋から発売されると教えてくれた。「見かけはCDのようだが、映画を保存できる」という。私は急いで郵便局に行くと、CDを何枚か自宅に送った(本物のDVDは入手できなかった)。送料は1枚あたり32セントとだった。サンタクルーズの自宅に戻ると、CDの到着をいまかいまかと待った。2日後、CDは傷ひとつつかずに郵便ポストに届いた。
1998年5月、私たちは世界初のオンラインDVDレンタルストアとして、ネットフリックスを開業した。社員は30人、映画は925作品用意した。当時DVDになっていた作品はほぼすべて揃えたのだ。マークは1999年までCEOを務め、その後私が社長を引き継ぐと、経営幹部の1人として会社に残った。
2001年初頭、ネットフリックスの会員は40万人に増え、社員は120人になっていた。私はピュア・ソフトウェア時代の経営者としての失敗を繰り返さないよう努め、過剰なルールやコントロールは設定しなかった。ネットフリックスを特別すばらしい職場にできたわけではなかったが会社は成長しており、事業は順調で、社員にとっても悪い仕事ではなかった。