じじぃの「科学夜話・かつては親ウミガメは無敵だった?絶滅の生物学」

Photo shows sea lion in whale's mouth?

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?app=desktop&v=-I_zli92Qr0

Whale 'swallows' sea lion

Whale 'swallows' sea lion: 'It was a once-in-a-lifetime event'

30 July 2019 BBC
Chase Dekker believes the photo he took of a humpback whale "swallowing" a sea lion is the first time that happening has ever been caught on camera.
https://www.bbc.com/news/newsbeat-49161923

『もうすぐいなくなります――絶滅の生物学』

池田清彦/著 新潮社 2019年発行

自然の中では「無敵」に近い親ウミガメ より

カメといえば、中国にシャンハイハナスッポンという、体重が約100キロもある大型のカメがいます。「います」といっても、現存が確認されているのは中国の長沙動物園で飼育されている1頭のオスとベトナムに生存している1頭(これは別種との説もあります)だけですから、やはり絶滅は時間の問題です。
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日本では、ある時期になるとう屋久島などいくつかの島の砂浜にウミガメがやってきて産卵するということがよく知られています。ウミガメも、先述のメカニズムで、低温で卵を育てるとオスになり、高温だとメスになります。
ウミガメはたくさん卵を産み、それらの卵は2ヵ月ほどで孵化して、子ガメたちが海へ旅立つのですが、小さい子ガメはほとんど魚や海鳥などに捕食されてしまうので、親の大きさまで成長できるのはごくわずかです。しかしながら、親になったウミガメは自然の中では無敵に近い。大きくなったらもう魚や鳥には捕食されなくなるからです、
カメの甲羅は、じつは肋骨です。肋骨が肩甲骨の外に出て、皮膚のすぐ直下に入る形で、体を覆っています。この骨(甲羅)はそんなに簡単には溶けませんから、たとえばマッコウクジラが大きいウミガメを飲み込むと、そのウミガメはクジラの胃袋の中では消化されず、そのうちクジラの胃袋を食い破って外に出たりします。そうなると死ぬのはマッコウクジラのほうですから、そんなウミガメを好んで食べるクジラはふつうはいません。
だから、おとなになったウミガメは無敵状態なのです。ただ、そもそもおとなになるまで成長できる数が少ないのです。
自然の生態系の中では親のウミガメは無敵ですが、人間によって捕獲されたり、棲息環境が悪化したりすることによって、その数は減っています。
日本近海に棲息するウミガメは、アカウミガメ、アオウミガメ、タイマイの3種です。なかでもタイマイはIUCN(国際自然保護連合)のレッドリストではCR(Critically Endangered 説滅危惧IA種)にアップされています。
1973年に採択された条約にCITES(Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flor/絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約)があります。採択された都市名から「ワシントン条約」とも呼ばれています。条約の基本精神は、絶滅のおそれがある野生動植物の採取を制限するために国際間の取引を規制しようというものです。アカウミガメもアオウミガメもCITESによれば取引禁止です(附属書Iにリストアップされています)。

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どうでもいい、じじぃの日記。
ぼけっと、池田清彦著『もうすぐいなくなります――絶滅の生物学』という本を見ていたら、「自然の中では『無敵』に近い親ウミガメ」があった。
「無敵」に近い親ウミガメ?
実は、ウミガメの甲羅は肋骨で、クジラが一気に呑みこんでも胃の中で融けないのだそうです。
そのうち、ウミガメはクジラの胃袋を食い破って外に出てくるのだとか。
まあ、これもダーウィンの「自然選択説」かなんかで説明がつくのでしょうか。
かつて、親ウミガメが無敵だったのです。