[NEW VERSION] - Martin Parr - Small Word | Photography Book Inspriation
Martin Parr 「Autoportrait」
Martin Parr Photographer
Martin Parr is one of the most famous documentary photographers of his generation. With more than 100 books and around thirty others published by him, his photographic heritage is already established.
https://en.indeauville.fr/parr-0
『死ぬまでに観ておきたい 世界の写真 1001』
ポール・ロウ/著、小川浩一、竹村奈央、風早仁美/訳 実業之日本社 2019年発行
ベニドルム より
マーティン・パー
撮影年:1997年
撮影地:ベニドルム、スペイン
フォーマット:合成
マーティン・パー(1952~)は、多作の現代写真家でフォトジャーナリストであり、映画やテレビなどの写真以外の幅広いジャンルにもまたがり活躍している。熱心なコレクター、キュレーターでもあり、ヴァナキュラー(ありふれた)写真に強い関心ももつ。それは、キャチュな絵葉書をひたすら集め、写真集で再利用してしまうところにも表れている。
さらにパーは、ひとつのジャンルとして、商業用スタジオの肖像写真にのめり込み、ここ30年間、様々な土地を訪れては写真を撮ってもらった。世界中で撮られた驚くべき写真コレクションは、厖大な種類の表現スタイルやアプローチを示す。現地のスタジオは、独自の仕掛けで被写体を引き立てる。この《ベニドルム》もその一例で、パーの写真がアミューズメント感たっぷりにサメの中に挿入されている。
もちろん、若々しい顔つきの30歳からマグナム・フォトの代表を務める60歳まで、パー自身は長い年月の間に変わっているが、いつも同じ表情を崩していない写真集『Autoportrait(自画像)』(2000、2015改訂)は、パーの皮肉っぽく狡猾なユーモアセンスを証明している。
写真家のヴァル・ウイリアムも述べているように、このシリーズでは「テイーネイジャー、マゥチョな男、宇宙士、アラブ人、ヴィクトリア朝時代の紳士、ジェフィリー・アーチャーにそっくりな人……と写真を加工することでパーの人格が絶えず作りかえられる。これにより、写真というのは、フォトジャーナリストや芸術写真家の完璧な作品よりも、こうしたそこら辺にある写真の方がよっぽど巧みで自由な発想に富んでいたりするものだ、と気づかされる、いやむしろ思い出させてくれる」。