じじぃの「ブライトン爆破の生存者たち!死ぬまでに観ておきたい世界の写真」

guests at the Grand Hotel, Brighton after IRA bomb

Shocked, dust covered guests at the Grand Hotel, Brighton after IRA Stock Photo

12th October 1984 Alamy
Shocked, dust covered guests at the Grand Hotel, Brighton after IRA bomb attack on Mrs Thatcher, 12th October 1984
https://www.alamy.com/stock-photo-shocked-dust-covered-guests-at-the-grand-hotel-brighton-after-ira-55238513.html

『死ぬまでに観ておきたい 世界の写真 1001』

ポール・ロウ/著、小川浩一、竹村奈央、風早仁美/訳 実業之日本社 2019年発行

ブライトン爆破の生存者たち より

マーティン・マイヤー
撮影年:1984
撮影地:ブライトン、英国
フォーマット:35mm
5人が死亡、34人が負傷した。1984年10月12日、IRAアイルランド共和軍)は、イギリス保守党の党大会が開かれていたブライトンのグランド・ホテルを爆破した。標的は英マーガレット・サッチャーだった。現に彼女の隣の部屋に爆弾が仕掛けられていたが、爆発の起こった午前2時54分、サッチャーは演説の準備のためにまだ起きており、間一髪で負傷をまぬがれた。
マーティン・マイヤー(1945~)の写真には、爆破直後にショックを受け、身を寄せ合って救助を待つ生存者たちが写し出されている。建物の中で撮影されたこの1枚には、いたるところに塵がうずたかく積もり、異様な光を生み出しているのが見て取れる。
「100年分の塵が積もったようで『眠れる森の美女』を思い出した」。ホテルの電話交換手だったポーリーン・バンクスは語る。「私が受けた最初の電話は海外からで、マーガレット・サッチャーが座った便座をおらえないかという問い合わせだった」。ホテルに残された指紋による科学捜査をもとに、爆破犯のパトリック・マギーが逮捕された。彼には1986年に終身刑8回の判決が下ったが、北アイルランドに和平をもたらした聖金曜日協定(ベルファスト合意)の条項に基づき、14年後に釈放された。