じじぃの「科学・地球_12_地球の自叙伝・地球の石と水」

はやぶさ2 ミッション「完全に完遂」 リュウグウ“ガス”と“砂”採取

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=5WRygRnJpm8

【衝撃】地球の水はどこからきたのか?

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=CUELH5-Q0JE

地球の水はどこからきたのか?

長野県信濃境の鉄普通角閃石

鉱物が芯から好きな人の中には、日本全国どこにでもありそうで、多くの人が見向きもしない「普通輝石」や「普通角閃石」などのいわゆる造岩鉱物にも興味があるようだ。
●産出鉱物
鉄普通角閃石【FEROHORNBLENDE:Ca2Fe4(Al,Fe3+)Si7AlO22(OH)2
普通角閃石【Hornblende】には、苦土普通角閃石【MAGNESIOHORNBLENDE】と鉄普通角閃石【FEROHORNBLENDE】があるようだ。分析していないので確かではないが、周囲が火山灰の”鉄分(?)”で赤茶色に色づいていることがあるの鉄普通角閃石とした。
http://mineralhunters.jp/sinanosakai09_10.html

地球の水は彗星や小惑星が起源ではない可能性。星間分子雲中の塵から?

2020-05-14 sorae 宇宙へのポータルサイト
水の惑星」とも呼ばれる地球の水をもたらしたのは、これまで彗星や小惑星だったのではないかと考えられてきました。今回、実験結果や近年の研究をもとに、星間空間に存在していた有機物から地球の水がもたらされた可能性を指摘する研究成果が発表されています。
香内晃氏(北海道大学)らの研究チームは、水素分子や塵でできている星間分子雲に含まれている有機物を再現し、太陽からおよそ2.5天文単位のところにある雪線(※)の内側を模した環境でどのように変化するかを実験で確かめました。再現された有機物を加熱した結果、温度が摂氏350度になると有機物から水が、摂氏400度では水に加えて石油が生成されることが明らかになったとしています。
https://sorae.info/astronomy/20200514-organic-matter.html

『岩石から読み取る地球の自叙伝』

マーシャ・ビョーネルード/著、渡会圭子/訳 日経BP社 2007年発行

混合と分別 より

運命は密度が決める

太陽系の物語の冒頭は、何度もコーラスがレフインするバラードに似ている。全体としては分類と移動の物語だが、一節ごとに同じ句が挿入され、新しい物質が混ぜられて坩堝(るつぼ)に戻されるため、分別をやり直さなければならない。太陽系の祖先はおそらく、最初は独自の惑星や月が存在する整然とした世界だったと考えられる。しかしその中の星が爆発して、すべての要素がごちゃ混ぜの状態になった。やがて新しい星が発生し、混乱する物質を温度によって並び替え、石や金属の塊を内部軌道に集めていった。それらの塊は互いにびつかり、衝突し、まとまり、雑多な物質が入り混じった巨大な瓦礫(がれき)の山となる。この瓦礫の山は自らの放射熱を蓄積・溶解して分離し、中央に密度の高い金属が集まってその周囲を岩の多いマントルが取り囲んだ。地球がちょうどこのように中味を整理していたとき、同じくらいの成長段階にある地殻の惑星と衝突した。2つの惑星は物質を交換し、それまでよりやや大きな地球と、道連れとなる小さな月ができた。そのどちらも、ふたたび自分の惑星を分化させる作業に戻ったというわけだ。
惑星がいったん金属質の核、岩石質のマントル、そして原始的な地殻に分かれてしまうと、逆行はできないらしい。密度によって定められた地点に達してしまったのだ。それでは上に浮かび上がった殻は、その後、どのようにして下部の層と交流を持つのだろう。
おもしろいことに、これまで見つかった一連の証拠によると、地球が穏やかで安定している要因は、惑星の内部と外部が、コミュニケーションと物質交換を続けているやり方にあることが示されている。そしてその取引のほぼすべてに、水が使者、外交官、船荷主、扇動者などとして関わっている。

水はいずこ

地球と最も近い隣人である金星と火星は、もともと同じ金属や岩を受け継いだが、その運命は3つの惑星が形成された直後から、違った方向へと分かれていった。火星は最初から小さいという不利な条件を抱えていた。1つには熱を急速に失ってしまうこと、害2に引力によって周囲に大気をつなぎとめておけないことだ。金星は大きさこそ地球に近いが、太陽に近いという欠点という補う方法を見つけられなかったため、温度調節が慢性的な問題になっている。セルフメンテナンスの方法を学んだ地球だけが、その若さと勢いを保っているのだ。

地球の美しさの秘密とは? それを水――大量の水である。しかしその水はどこから来たのだろうか。金星や火星には、まったく存在しなかったのだろうか。

金星、地球、火星のどれも、新たに燃え立った太陽に近すぎたため、太陽系の星雲から物質が凝縮していた時期には、混じりけのない水が持続的に存在することはなかったはずだ。しかしこれら3つの惑星はその時期にも、熱を防ぐ屋根に相当する鉱物から水分を受け取っていたと考えられる。それは角閃石(かくせんせき)と呼ばれる含水「ケイ酸塩」鉱物である。角閃石は種類の多い有名な鉱物の一族で、ここに属するものとしては、花崗岩の主要な成分であるホルンブレンド、一般に翡翠と呼ばれる石に含まれる軟玉、厄介者の2種類のアスベストなどがある。
角閃石一家の特徴は結晶格子によってできた細長い針のような構造で、その中に水酸化イオン(OH-)の形で存在する水が接合材となって、ほとんどが造岩鉱物であるケイ素、酸素、マグネシウム、カルシウムその他の元素のレンガを接着する。透角閃石と呼ばれる角閃石の化学式はCa2Mg5Si8O22(OH)2である。これはケイ素(Si、地球の石の95パーセントに見られる不可欠な成分)の原子8個に対して水の分子が1個ということだ。角閃石は内部太陽系で凝縮した星雲物質のごく一部を占めるにすぎないが、このおかげで地球、火星、そしておそらく金星にも、かなりな量の水が存在したはずだ。たとえ結晶の金庫の中に閉じ込められた状態だったとしても、その水を金庫から解放するための鍵は、熱と圧力である。角閃石はだいたい地下200メートルで崩壊する。すると閉じ込められていた水が鉱物の束縛から解き放たれ、最後には火山の末路を通って蒸気として地表へと脱出する。したがって初期の地球にあった水の一部は、おそらくもとから地球にあったもので(金星や火星も同じ)、マグマの海から熱によって追い出されて、新しい惑星の表面をおおう火山から噴き出したのだろう。
しかし地球(おそらく火星も)は、内部から噴き出したということでは説明しきれないほどの量の水を、何らかの手段で手に入れていた。どこかよそから持ち込まれた水があったはずだ。供給元として考えられるのは、厳寒の太陽系の外縁から長旅の途中にあった彗星である。ほとんどの彗星は中心が非常に離れた楕円形の軌道を描いていて、惑星の引力に逆らえず内部太陽系から戻れないものが多い(1994年、強引に木星に引き寄せられて衝突し、壮大な天空ショーを演じたシューメーカー・レビー彗星はその運命をたどった)。

信じられないことのようだが、地球の水の半分はこのようにしてよそから届けられたものなのだ。しかし自前のものと外来のものの比率については、地球化学者の間で論争の種になっている。