じじぃの「浮世絵とヨーロッパ美術・天使と闘う聖ヤコブ!この絵どこがすごいの」

バンクシーが「モネ」をオマージュ 10億円で落札(2020年10月22日)

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=DtgzXhv998k

Ukiyo-e woodblock printmaking with Keizaburo Matsuzaki

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=t8uF3PZ3KGQ&feature=emb_title

Gauguin’s “Vision after the Sermon”, Hokusai’s image of Sumo wrestlers

Japanese Culture and European Art of Fin de Siecle

Japanese prints attracted painters with primitivism and purity of style, which reminded them often folk art.
Gauguin and his followers, inherited attention to outline in drawing, bright local colors, absence of perspective, decorativeness of curvilinear forms and diagonal compositions. For instance, figures of Jacob and the angel from Gauguin’s “Vision after the Sermon” were inspired by Hokusai’s image of Sumo wrestlers. Paul Signac’s archive contains a design of a kimono, which pinwheel pattern has definitely served as a model for the ornament in his “Portrait of Felix Feneon.”
https://bestarts.org/japanese-culture-european-art-fin-de-siecle/

『この絵、どこがすごいの?』

佐藤晃子/著 新人物往来社 2012年発行

説教のあとの幻影(天使と闘う聖ヤコブゴーギャン より

赤い大地を横切るように描かれた、1本の大きな樹木。その手前では、白い頭巾をかぶった女性たちが、手を合わせて祈りを捧げています。
彼女らの視線のさきに描かれているのは、大きな羽をもつ天使のようです。この絵は、何をあらわしているのでしょうか?
●なにが描かれている?
この絵には、司祭の説教をきく女性たちと、その女性たちがみている幻影が描かれています。樹木で隔てられたこちらがわには、現実を生きる女性たちの姿が、樹木の向こうがわには、彼女たちが説教できいた「天使と闘う聖ヤコブ」の物語が幻として描かれています。
●天使と闘う聖ヤコブとは?
アブラハムの孫で、イサクを父にもつヤコブは、神の御使いと一晩中格闘した人物として知られています。この物語は『旧約聖書』の「創世記」にあるもので、神との戦いに勝利したヤコブは、「イスラエル」という名前を与えられ、イスラエル民族の祖となりました。天使と闘う聖ヤコブの物語は、しばしば絵画化されており、レンブラントドラクロワも同じ主題で絵を残しています。

●聖ヤコブと天使のもとは『北斎漫画』?

ヤコブと天使が闘う姿は、『北斎漫画』からヒントを得ていることが指摘されています。、『北斎漫画』は、葛飾北斎が1814年に刊行した絵手本で、3900あまりの絵が収録された図案集でした。『北斎漫画』は「ホクサイ・スケッチ」とよばれて親しまれ、欧米で浮世絵が流行するきっかけを作ったといわれています。
●教会に拒否された絵
近代化の波があまり及んでいなかったブルターニュ地方のポン=タヴェンに心惹かれたゴーギャンは、1888年に40歳でこの地を訪れ、《説教のあとの幻影》を描きました。ゴーギャンはこの絵を教会に寄贈するつもりでいましたが、絵が前衛的すぎたため、教会の司祭より受け取りを拒否されてしまいます。
ゴーギャンの絵の新しさとは?
ゴーギャンは、それまで用いていた印象主義的な細かなタッチを捨て、《説教のあとの幻影》を描きました。このようにかたちを輪郭線で囲んで単純化し、平坦な面になるように色を塗ることを、ゴーギャンは日本の浮世絵と、20歳も年下の友人画家エミール・ベルナールから学んでいます。