じじぃの「歴史・思想_369_言語の起源・認知革命・会話の始まり」

Phrases, Clauses, and Sentences by Shmoop

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=N7RL9gtBIt4

Identifying Phrases and Clauses

Identifying Phrases and Clauses

WRITING CENTER UNDERGROUND
●Phrases
A phrase is a group of words that form a single unit in a sentence, but do not include a subject, or a verb, or both.
Since a phrase does not have a subject and/or verb, it does not form a complete idea or thought. Since a phrase does not contain a subject or verb, it cannot stand alone as a sentence, and is considered a fragment.
https://writingcenterunderground.wordpress.com/2015/09/30/identifying-phrases-and-clauses/

『言語の起源 人類の最も偉大な発明』

ダニエル・L・エヴェレット/著、松浦俊輔/訳 白揚社 2020年発行

文法はどこから来たか より

シンポルに続く、言語のための重要な発明は文法だった。シンポルからさらに複雑な発話を作るためには、構造がかかせない。そこでは一連の編成原理が必要であり、そのおかげで、効率的かつ聞き手の文化的な予想に合った発話が可能になる。
文法は同時に2通りの形で編成される。されは、縦の系列的編成とも呼ばれるものと、横の総合的編成と呼ばれるものだ。20世紀の初頭にスイスの言語学者フェルディナン・ソシュールが指摘したように、こうした編成のモードがすべての文法を支えている。文法の縦と横の編成がともに働くことで、それらがなかった場合よりも言語の個々の単語や句に詰め込める情報を増やし、コミュニケーションをしやすくする。こうした編成のモードは、シンボルと情報伝達の性質により結果として生じる。
シンボルと音があれば、それを何らかの線形の順序に並べるのには、巨大な心的飛躍は必要ない。言語学者は意味のない音(「音素」のことで、各言語音がそう呼ばれる)を意味のある単語にまとめることを「二重のパターン化」と呼ぶ。
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韻律(音高、音の大きさ、長さ)、ジェスチャー、その他の浮び上がる識別子(姿勢、ひそめた眉など)は一体となって、発話を分解して、音高やジェスチャーによって分割し始める作用がある。そしていったん発話が分解されると(またそうなってはじめて)、発話は構成・再構成(合成)されて、さらに別の発話を組み立てられるようになる。そしてこれは、人間の言語に必要なもう1つの特性――意味的構成姓につながる。これはすべての言語にとってきわめて重要な、発話全体の意味を部分の個々の意味から符号化したり復号したりする能力だ。
つまり、音や意味を発語につなげる自然な過程の中で、ジェスチャー、イントネーション、持続時間、振幅を介して、当初は構造化されていない全体を分解し、その上で部分を全体に再構成するという流れが生じやすいということだ。そしてこれこそがあらゆる文法の起源である。
ただ、あらためて言っておくと、ケネス・パイクは形態論と統辞論をともにこれとは別の階層に置いていて、それは「形態統辞的階層」と呼ばれ(ただし本書で取り上げるのはこれにすこし調整を加えた私の独自形式)、会話を部品から構成されると捉え、その部品を徐々に小さくしていくとしている。
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つまるところ、ホモ・エレクトゥスに言語能力があったとしても、あるいはホモ・エレクトゥスがG1言語によって概要を航海したり世界中に進出できたとしても意外ではないはずだ。結局、考える動物はわれわれだけではないのだ。また、人類以外の動物が心的に何ができるかを理解して正当に評価できるようになると、われわれの先祖であるホモ・エレクトゥスにも、もっと敬意を払えるようになる。動物がいかに思考するかの例は、カール・サファナの著書Beyond Words: What Animals Think and Feel [言葉を超えて――動物が考え感じること]にある。サファナは、動物のコミュニケーションが、これまでの研究者の一般的な認識をはるかに超えていることを、説得力を持って説明している。また、他にも動物が人間と非常によく似た感情をもっていることを示した研究者がいる。そして、他者を解釈し、他者とコミュニケーションをし、共同体を築こうとする上で、感情は必須である。それでも動物が使うのはきまってインデックスであり、おそらく中にはアイコンを解するものもいるだろうが(テレビの画面に他の犬が映っていると吠えかかる犬など)、野性の動物がシンボルを使っているという証拠は見つかっていない。
しかしながらすでに見たように、人類の間ではホモ・エレクトゥスとホモ・ネアンデルターレンシスがシンボルを使ったことを示す証拠がある。そしてわれわれはシンボルに線形語順を加えることで言語を得た。さらにここに二重のパターン化を加え、いくつかの起こりやすい斬新的な歩みを組み合わせるだけで、さらに効率的な言語に達する。したがって、シンボルを有していたということは――ときにエレクトゥスにもネアンデルタール人にも文化が存在したという強い証拠がある中では――その共同体で言語が使われていた可能性が高いことを示す。
ここで「原型言語」という特別の概念は必要ないことをもう一度言っておく。

人類の言語はすべて完成した言語だ。いかなる意味でもどれがどれより劣っているということはない。それぞれがただ、G1(初期文法)、G2(中期文法)、G3(後期文法)に対応する3つの戦略のどれかを使っている。そのため、ここにおける言語進化の理論を考えれば、原型言語の概念はほとんど役に立たないと私は思う。