じじぃの「科学夜話・生物老年学・老化プロセスの秘密!人類宇宙に住む」

When Living 200 Year Becomes Normal - The End of Ageing (Medical Science Documentary) | Only Human

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=365g22hyiDc

老化は「治せる」?

老化は「治せる」──ハーバード大教授が提示する「平均寿命113歳」の未来(倉田幸信)

2020/07/28 note

『LIFESPAN(ライフスパン)  老いなき世界』

著:デビッド・A・シンクレア、マシュー・D・ラプラント 訳:梶山あゆみ
老化とは一種の病気であり、難病ではあるが治療は可能だ──。
現在の先進諸国の平均寿命はおおむね80歳程度だ。それが、情報技術の進歩により10年ほど延びると筆者は見る。
例えば車を運転中、自動車に内蔵されたセンサーがドライバーの脈拍をモニタリングし、異常があれば医者に通報する。キーボードを叩いているだけで、パソコンがパーキンソン病の兆候を早期発見し、使用者に警告してくれる。現在進行中の情報革命のおかげで、近未来には多くの疾患の早期発見が可能になり、誤診や医療過誤は激減するだろう。
https://note.com/tuttlemori/n/n929269fc9c99

『人類、宇宙に住む 実現への3つのステップ』

ミチオ・カク/著、斉藤隆央/訳 NHK出版 2019年発行

論議を呼ぶ老化理論 より

老化にまつわるとりわけ古い迷信に、若者の血を飲んだり若者の魂を吸い取ったりすることで、永遠の若さは手に入るというものがある。まるで人から人へ若さを受け渡せるかのようで、吸血鬼伝説もそうだ。サキュバスは、伝説に出てくる美女の夢魔で、男にキスをするとその体から若さを吸い取るので、永遠に若さを保てる。
現代の研究は、こうした迷信にもわずかな真実が含まれている可能性を示している。1956年に、コーネル大学のクライヴ・M・マッケイは、老いて弱ったラットと若くて元気なラットの2匹の血管を縫い合わせた。すると驚いたことに、老いたほうが若くなるように見え、若いほうには逆のことが起きたのだ。
それから何十年も経って2014年、ハーバード大学のエイミー・ウェイジャースが、この実験を追試した。そしてなんと、同じ若返り効果が認められた。さらにウェイジャースは、その作用を引き起こしていそうな、GDF11というタンパク質を特定した。その結果は実に目を見張るものだったため、『サイエンス』誌はその年の10大ブレイクスルーのひとつにそれを選んだ。ところが、その驚異の報告に続く数年で、ほかのいくつかのチームがウェイジャースの研究を再現しようとしたところ、結果はまちまちだった。GDF11が老化との闘いに役立つ武器となるかどうかは、今も定かでない。
ヒト成長ホルモン(HGH)も論議を呼んでいる。これは一時大ブームを巻き起こしたが、老化を防ぐ効果を裏づける信頼性のある研究は、ごくわずかしかない。2017年には、イスラエルのハイファ大学が800人を超える被験者を対象に大規模な調査をおこない、HGHはむしろヒトの寿命を縮めるかもしれないという、正反対の効果を裏づける証拠を見つけた。さらに別の研究でも、HGH値の低下を招く遺伝子変異がヒトの寿命を延ばす可能性があり、そのためHGHは負の効果をもつかもしれないことが示されている。
こうした研究は、あることをわれわれに教えてくれる。かつて、老化にかんする突飛な主張は、よく調べると怪しいものが多かったが、今日の研究者は、どんな結果も検証可能で、際限可能で、反証可能であるよう求めており、これこそ真の科学のあかしなのである。

現在、生物老年学という、老化プロセスの秘密を明らかにしようとする新しい科学が生まれつつある。近年この分野が活況を呈し、有望な遺伝子やタンパク質、プロセス、化学物質が数多く分析されている。FOXO3遺伝子、DNAのメチル化、mTOR、インスリン様成長因子、Ras2、アカルボース、メトホルミン、アルファ-エストラジオールなどである。どれも科学者の興味を大いにかき立てたが、結果はまだ暫定的なものだ。どのアプローチが最良の結果を約束するかは、いずれわかるだろう。

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どうでもいい、じじぃの日記。
そのうち、「生物老年学」という分野ができるかもしれないとか。
いつまでも若くは難しいかもしれないが、若く見せることはできるかもしれない。
FOXO3遺伝子・・・ ヒトでは50個のForkhead box(FOX)転写因子が存在する。増殖、分化、アポトーシス、DNA修復、酸化ストレスおよび老化に対する防御を含む多様な細胞機能を制御する能力が挙げられている。
DNAのメチル化・・・DNAメチル化異常を誘発する要因として最も古くから知られているものは加齢である。その他に、大腸の炎症が持続する潰瘍性大腸炎、肝炎ウイルス感染などもDNAメチル化の促進因子であることが分かってきている。
mTOR・・・カロリー制限はmTORC1の活性を抑制することによって、老化速度を遅くし、寿命延長の効果を発揮する。
インスリン様成長因子・・・動物の成長や発達には、様々なホルモンが必須であることが明らかにされています。その一つ「インスリン様成長因子(IGF)」は、卵や精子の形成、受精卵の発生、生体の発達・成長・成熟、物質代謝の調節、老化の抑制など、一生にわたって重要な役割を果たすホルモンです。
Ras2・・・2つの遺伝子(RAS2とSCH9)に手を加えることによってカロリー摂取を削減できるというもの。
アカルボース・・・αグルコシダーゼ阻害薬は、αグルコシダーゼの働きを阻害することでブドウ糖への分解を遅らせて食後の急激な血糖値上昇を抑える効果があります。αグルコシダーゼ阻害薬:アカルボース(商品名:グルコバイ)。
メトホルミン・・・糖尿病の治療薬として広く利用されている「メトホルミン」に、アンチエイジング(抗加齢)の効果がある。
アルファ-エストラジオール・・・女性の卵巣で作られる女性ホルモンでエストロン(E1)、エストラジオール(E2)、エストリオール(E3)、エステロール(E4)とあるエストロゲンのうちのひとつ。エストラジオールとプロゲステロンは脳の保護効果をもち、認知機能の改善に有益性がある。そして分子レベルでのバランスを保ち、アルツハイマー病をコントロールする。そのためエストロゲンは、アルツハイマー病の潜在的な治療方法となる可能性をもつ。
こんなジョークがある。
若さの泉の水を手に入れたとする。
街で、「若さの泉の水を手に入れた。あなたは飲みますか?」と尋ねたら、ほとんどの人が「飲まない。死ぬのはふつうのことだから」と答えた。
介護施設で老人に同じ質問をしてみたら、全員が勢い込んで「飲みたい!」と答えた。
老人は老いによる痛みやつらさに毎日悩んでいるからだ。