じじぃの「互恵的利他主義・チスイコウモリの不都合な真実?さらば神よ」

Vampire Bats Who Share Blood With Their Friends

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=ADWSG_JtcEw

Vampire bats form social bonds similar to those of primates.

Vampire Bat Friendships Persist from the Lab to the Wild

Posted Oct 31, 2019 Psychology Today
In the wild, vampire bats form long-lasting social relationships with some of the individuals with whom they roost. These friendships - which can last a decade or longer - are built on mutual grooming, hanging around together, and sharing food.
https://www.psychologytoday.com/us/blog/animal-minds/201910/vampire-bat-friendships-persist-the-lab-the-wild

『さらば、神よ』

リチャード・ドーキンス/著、大田直子/訳 早川書房 2020年発行

私たちは信心深くなるように進化したのか? 親切になるように進化したのか? より

疑わしきには親切にせよ

自然淘汰が親切に味方する理由は、親族関係のほかにもある。そちらのほうが親族関係より重要かもしれない。この説は互恵的利他主義と呼ばれる。今日、私があなたに親切にすれば、明日、あなたが私に親切にする可能性が高い。逆も真である。それが「互恵」だ。「利他主義」も親切にすることを指す。したがって「互恵的利他主義」とは、自分に親切な人にお返しに親切にすることを意味する。
互恵的利他主義は意識されるとは限らない。たとえ自覚はなくても恩に報いる脳をつくる遺伝子に、自然淘汰が味方することはありえる。ジェラルド・ウィルキンソンという科学者が、吸血コウモリを使った巧妙な実験を行なっている。このコウモリは牛のような大きい動物の血を糧にする。日中は洞窟で、夜になると食べ物を求めて出てくる。餌食を見つけるのはとても難しいが、もし見つけることに成功すれば、血はたっぷりある。たっぷりあるのでコウモリは腹いっぱい詰め込み、余分な量を腹に入れて、日中を過ごす洞窟に飛んで帰る。しかし餌食を見つけられないコウモリは、飢え死にする危険がある。小さなコウモリは私たちよりよほど、危険な飢餓と隣り合わせで生きているのだ。そしてウィルキンソンは納得できる形でこれを明らかにした。
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ここからがウィルキンソンの行なった巧妙な実験だ。彼は2ヵ所の別々の洞窟で捕まえてきたコウモリを使った。同じ洞窟のコウモリは互いを知っているが、ちがう洞窟のコウモリどうしは互いを知らない。ウィルキンソンは実験的に、1度に1匹のコウモリを飢えさせた。そのあとそのコウモリをほかのコウモリと一緒にして、ほかのコウモリが食べ物を与えるかどうかを見る。親しい「仲間たち」と一緒にすることもあれば、ちがう洞窟から来た見知らぬコウモリたちのなかに入れることもあった。すると、結果は一貫して同じになる傾向があった。ほかのコウモリは、飢えているコウモリをすでに知っている場合は食べ物を与え、知らない場合――「まちがった」洞窟のコウモリである場合――は与えなかったのだ。もちろん、同じ洞窟のコウモリは遺伝的につながっていた可能性もある。のちにウィルキンソンと同僚が行なった研究によって、この場合はそのお返し――親切な行ないへのお返し――のほうが親族関係より重要であることが明らかになった。

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どうでもいい、じじぃの日記。
先日、NHK BS1ワールドニュース」を観ていたら、「人種差別」の特集をやっていた。
アメリカでは、11月3日の大統領選挙に向け、いろいろな団体がデモを行なっている。
番組のレポーターが、白人を中心になぜ人種差別があるのかを聞いていた。
SNSで友だちとよく連絡を取り合っているという白人女性は、インターネットでやりとりする相手はほとんどが白人なのだとか。
教会によく行っているという白人女性は、10年前教会に来ていた人はほとんどがは白人だっが、今はほとんどが黒人になってしまったとか。
人種を意識しなくても、付き合う相手は白人なのだと言う。
チスイコウモリは仲間と血液のやりとりをする。血を十分に吸った個体は飢えた仲間に血を分け与える。
しかし、相手が仲間でなければ血を与えたりはしないらしい。
親切な行ないへのお返しを期待しているのだ。
チスイコウモリの社会も、人間の社会も似たようなものなのかもしれない。