じじぃの「血管新生阻害薬・がんの転移を阻止できるのか?ヒトはなぜ病のか」

「新生血管」って何?

新生血管抑制治療(分子標的治療)

ナガヤメディカルクリニック

【新生血管抑制治療(分子標的治療)の長所】

◎点滴にて行う治療なので、患者さんの“こころ”と“からだ”への負担が軽い。
◎外来治療が可能。
抗がん剤のような副作用(吐気など)がない。
◎分子標的治療薬なので、目標のタンパク質(血管内皮増殖因子)のみを阻害する。
※短所としては、血管を作らせないように働くため、細胞が壊れやすいところ(腸など)では、血管を再生できないので、穴が開くことがある。また、血栓を作る場合がある。
https://nagayamedical.com/gan-chiryou/shinseikekkanyokusei.php

『ヒトはなぜ病み、老いるのか―寿命の生物学』

若原正己/著 新日本出版社 2017年発行

ガンの広がり、転移の予防 より

万が一 ガンが生じた場合はそのガンの広がりを予防することも大事だ。もし、ガン細胞が生じたところにとどまって成長し続けるだけであれば、多くのものは外科的な手術で除去できるから、ほとんど致命的になることはない。しかし、多くのガン細胞は最終的には転移する。すなわち、個々のガン細胞はつなぎとめられている場所を離れて、細胞外マトリックス(コラーゲンやエラスチン、フィブロネクチンなどさまざまな物質からなる細胞外の構造)に侵入して体の他の場所へと広がっていき、そこで2次腫瘍の形成を開始する。
そのしくみに焦点を当てた治療法が開発されている。
  7 ガン細胞が急速に増殖すると、ガン細胞は酸素や栄養を要求するから血管の供給が必要となる。そのためにガン細胞は血管の形成を促す物質を作り、周囲の組織に漏出させる。この過程を阻害する化学物質は血管新生阻害物質と呼ばれる。もし、血管新生阻害物質を利用できれば、ガンの増大を阻止できるかもしれない。マウスでは、アンギオスタチンとエンドスタチンという2つの血管新生阻害物質が腫瘍を退縮させた。
  8 ガン細胞は細胞外マトリックスを破壊して原発のガン組織を離脱し、体の他の部位に湿潤する。ガンの転移を阻止できればガンの治癒率は飛躍的に向上するだろう。この過程にかかわる分子として、細胞とマトリックスの結合を切断する金属要求性のたんぱく質分解酵素が知られている。また、細胞の移動を促進するのに必要とされるGTPを供給して細胞移動を促進するGTP加水分解酵素などがある。こうした成分はガンの転移には必要だから、将来の対ガン治療の有望な標的となりえる。

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どうでもいい、じじぃの日記。
暇なもので、病気に関する本をよく見ている。
がん細胞は「おしゃべり」なのだそうだ。
がん細胞は周囲の組織に「酸素や栄養をもっとくれ!」とか要求する。がん細胞は血管の形成を促す物質を作り、周囲の組織に漏出させる。
がんを養う「血管新生」を抑え、低酸素状態にすることでがんの増殖は抑えられる。
「マウスでは、アンギオスタチンとエンドスタチンという2つの血管新生阻害物質が腫瘍を退縮させた」
「新生血管抑制治療(分子標的治療)」は点滴にて行う治療なので、患者さんの“こころ”と“からだ”への負担が軽い。
「分子標的治療薬といわれる新しい抗がん剤などは研究開発費が莫大なため、承認直後は健康保険を利用しても大変高価です。薬の種類によっては1回の外来通院で10万円以上かかることもあります」
だそうです。