【実弾射撃】S&W M642 エアウエイト わずか400gの 38口径リボルバマック堺のレビュー動画#523
モデルガン
『完全犯罪を狙った奴ら』
M・ウルフ&K・マダー/著、秋岡史/訳 扶桑社 1997年発行
検事のアリバイ より
アリバイとは、ラテン語で「ほかの場所」という意味である。探偵小説にアリバイはつき物で、昔から事件解決の鍵を握る重要な役割を演じてきた。作家は、綿密に計算したアリバイ工作で犯人の所在をくらまし、周到なトリックで、警察――もちろん読者もであるが――を翻弄することが腕の見せどころなのである。
例えば、デュマ作「三銃士」の中に、ダルタニアンが時計の針を30分遅らせて戦いに出かける話が出てくる。彼は、隊長に嘘の時刻を確認させて出発するのだが、偽の時間をアリバイ工作に利用し、戦いに参加することは不可能だと証明しようというものだった。もっとも、これは腕時計がなかった時代の話である。
実際に、殺人などの重罪犯人が、犯行時のアリバイ作りに関心を持つようになったのは、今世紀に入ってからのことである。たとえば、悪名高きイギリスの連続殺人ジョン・ロイド(1914年頃)は、結婚相手を次々に殺害しては、妻の遺産を手に入れていた。彼は、当時結婚したばかりのマーガレット・ロフティーを浴槽で溺死に見せかけて殺害し、妻が死んだ時刻には、トマトを買いに出かけていて留守だったと主張した。ところが、偶然この記事を読んだ前妻の遺族が、彼女が溺死したときもロイドはトマトを買いに出かけて留守だったと証言していたため、彼のアリバイはあっさり崩れ去った。この事件では、ロイドのアリバイ工作があまりにもお粗末だったので役に立たなかった。
しかし、完璧なアリバイの存在は、容疑者にとって最強の味方である。一分の隙もない鉄壁のアリバイが、陪審員の集団思考を圧倒してしまうことはよくあることなのだ。たったひとつの強力なアリバイが、多くの状況証拠を覆すことも珍しくないのである。
ただし、たとえアリバイがあっても、確かな物的証拠が存在するとなると、状況はまた違ってくる。
・
寝室には、赤毛のエレイン・テリー・カースキーが、ごてごてに飾りたてた巨大な円形ベッドの上に大の字に横たわっていた。着ている日本の着物は黒地に小さな花模様つきで、はだけた胸から豊満な裸体が覗いている。右耳の真ん中には、銃弾で撃ち抜かれた穴が開いていた。
ベッド脇の床の上には、通称ビルと呼ばれていたオービル・ドランカンの大きくて逞しい体が横たわっていた。スラックスにスポーツシャツ姿で靴を履いているが、ズボンの前が開いたままである。銃弾は左耳をかすった後、頭部の側面から脳に撃ち込まれていた。死体はうつぶせで、顔は、乾いて固まった大量の嘔吐物の上に突っ込む格好になっていた。
シーツも毛布もマットレスも血まみれで、ベッドのヘッドボードと壁には、飛び散った血のりがこびりついていた。
-
-
-
-
-
-
-
-
- -
-
-
-
-
-
-
-
どうでもいい、じじぃの日記。
「完全犯罪」とは犯罪を犯しても犯人が逮捕・処罰されることのない犯罪のことをいう。
短編小説『完全犯罪を狙った奴ら』に登場する「検事のアリバイ」ではこうだ。
犯人カースキーは銃で妻を殺した。
彼には犯行時刻にガソリンスタンドに立ち寄っていたというアリバイがあった。
犯行の決め手は彼が持っていた38口径ハリントン・アンド・リチャーズ・ディフェンダーという拳銃だった。
この拳銃は特別な弾道痕を残す拳銃だ。
証拠となる証人の証言(ガソリンスタンドでおしゃべりしていた)よりも、拳銃を撃った後の特別な弾道痕が決め手になったのだ。
「新型コロナウイルス殺人事件」。
東京都では家庭内感染の割合が25%を超えて最多となった。
この1週間ほど38度の熱が続く。喉に痛みを感じ息切れがする。
熱中症かなあ。
「はーい。口あけて、アイスですよ」
うちのおじいちゃん、この頃よく咳をするなあ。