じじぃの「特殊相対性理論・ガンマ線が演じるマジック!どんでん返しの科学史」

Cloud Chamber | Exploratorium

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=jh7SzrNWGhI

霧箱実験

サッと現れる白い軌跡が荷電粒子や放射線が通過した跡

霧箱(cloud chamber)

ウィキペディアWikipedia) より
霧箱は、蒸気の凝結作用を用いて荷電粒子の飛跡を検出するための装置。1897年にチャールズ・ウィルソンが発明した。
●新粒子の発見と拡散型霧箱の発明(1930年代)
1932年、カール・デイヴィッド・アンダーソンは、磁場中で霧箱の観測をしていると、電子と同じ質量で反対の向きに曲がる飛跡を発見した。
これはポール・ディラックが予言していた陽電子を立証するものであった。この発見がきっかけでディラックは翌1933年にノーベル賞を受賞し、アンダーソンも1936年にノーベル賞を受賞した。
さらにアンダーソンは1935年、電子と陽子の中間の曲がり方をする飛跡を発見した。陽子の質量は電子の1800倍であるが、この粒子は電子の200倍の質量であった。この粒子は発見当初、湯川秀樹が予言した中間子であると考えられていたが、その後ミュー粒子(ミューオン)と判明した。
1930年代には霧箱自体にも大きな変化が見られた。1931年、ジュセッペ・オキャリーニは計数管を使用して霧箱を自動で膨張させる装置を開発し、ブラケットと共同で実験を行った。また、1939年、A.ラングスドルフによって拡散霧箱が発明された。これらはその後の霧箱に大きな影響を与えた。

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『〈どんでん返し〉の科学史 - 蘇る錬金術、天動説、自然発生説』

小山慶太/著 中公新書 2018年発行

ガンマ線が演じるマジック より

話は変わるが、何も入っていないシルクハットにハンカチをかぶせ、それをはずすと、中からハトが飛び出すというマジックがある。もっと大がかりになると、誰もいない箱から人間が出てきたり、空っぽの檻(おり)に突然、ライオンが現れるというショーまである。どうやって大きなライオンをおとなしくさせたままどこかに隠しておき、檻の中につれてきたのか不思議に思うばかりである。しかし、いかに不思議に映ろうとも、巧妙な仕掛けがあることは間違いなかろう。
ところが、仕掛けを施すことなく、空虚な空間から粒子を取り出すという”マジシャン”が自然界に存在する。それはガンマ線という、X線よりもさらにエネルギーの高い光(電磁波)である。不可秤量であるガンマ線自身がトリックなしに、質量のある電子と陽電子に変身するのである。
この現象は1930年、イギリスのディラックが提唱した「空孔理論」によって予言された。空孔理論によると、ガンマ線が真空中を走ると、偶発的な現象により、ガンマ線が消滅し、代わって、電子と陽電子が必ずペアをなして発生するのである。陽電子の質量は電子に等しいので、不可秤量(重さのない物質)のガンマ線が真空という自然の容器の中から、自分を身代わりにそて、電子2個ぶんの質量を取り出すことになる。
当時、素粒子の実験分野では、荷電粒子の飛跡を記録する霧箱の開発、改良が進められていたが、これを使って間もなく、ディラックの予言どおり、ガンマ線が消えた瞬間、空っぽの空間から電子と陽電子のペアが湧き出してくる現象が撮影されている(画像参照)。
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19世紀の半ば、カロリック(熱素)説が衰退するなか、ジュールやドイツのマイヤー、ヘルムホルツらの研究により、「エネルギー保存則」が確立され、熱力学という新しい領域が台頭してくる。エネルギーもまた、諸現象を通じてさまざまな形態に相互変換されるが、その総量は保存されることが示された(これによって、錬金術と並んで永いこと追い求めつづけられてきた人間の夢である「永久機関」にも引導が渡されることとなる)。この保存則によって、エネルギーに関しても、「有」が「無」に、逆に「無」が「有」に変わり得ないことが証明された。
これら2つの保存則に照らし合わせてみると、ガンマ線から電子と陽電子が生成される過程は、自然の基本法則に抵触しているかのように映る。
しかし、それが抵触していないことを証明したのが、アインシュタインの有名なあの式、「E = mc2」である。(Eはエネルギー、mは質量、cは光速)。
この式は1905年、「物体の慣性はそのエネルギーに依存するか?」と題する論文のなかで導き出された。

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どうでもいい、じじぃの日記。
ガンマ線が消えた瞬間、空っぽの空間から電子と陽電子のペアが湧き出してくる現象が撮影されている(画像参照)」
この間テレビで、歴史学者と若者たちが討論する番組を観た。
若者、「死んだらどうなるんですか?」
歴史学者、「私たちは星から生まれた。死んだらまた星になるのです」
ようするに、質量保存則とエネルギー保存則のことを言っているのかなあ。
私が死んでも、全くの「無」になるわけではないらしい。