じじぃの「膨張する中国・戦狼外交の脅威・香港一国二制度の終えん!報道1930」

香港0524 「国家安全法」反対デモ

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=kbvkCVh4l3w

香港国家安全法が成立 (2020/06/30)

報道1930

2020年7月1日 BS-TBS
【キャスター】高畑百合子、松原耕二 【コメンテーター】堤伸輔 【ゲスト】佐藤正久(前外務副大臣)、興梠一郎(神田外語大学教授) 【中継】福岡静哉(毎日新聞 台北支局)
膨張する中国「戦狼外交」の脅威 香港「国家安全法」施行“1国2制度崩壊”へ 中国“強行外交”の背景に“新型コロナ” 尖閣諸島や南沙 エスカレートする中国の脅威

膨張する中国「戦狼外交」の脅威

●香港行政長官「歴史的一歩」 「国家安全維持法」初の逮捕者
国家安全維持法が施行され一夜明けた香港では英国から中国への返還23年を祝う式典が行われた。
林鄭月娥行政長官は法律について「歴史的な一歩を踏み出した」と述べた。
香港での反政府的なデモを取り締まる「香港国家案縁維持法」は中国の全人代常務委員会で昨日可決・成立し、香港で即日施行された。
香港警察は今日、国家安全維持法に対する抗議集会で「香港独立」と書かれた旗を所持していた男性を逮捕したと発表した。
国家安全法による初の逮捕者。
国家安全法をめぐっては今日午後、香港島中心部で抗議集会が行われた。
警察は中止するよう警告したが一部の参加者はデモ行進を強行した。
警察は国家安全法違反や違法集会などの疑いでデモの参加者ら30人以上を逮捕したと発表した。
中国・北京では中国政府が記者会見し、「『一国二制度』を堅持し、国家の主権・安全を維持するためのものだ」と立法の意義をアピールした。
●最高刑は終身刑 “国安法”とは
香港が英国から返還されて23年が経った。
国家安全維持法が施行されたことについて。
興梠一郎、「学校、メディア、NGO、インターネットまで全て監視しているという法律」

国家安全法は「反分裂法」の香港版

9条 ・・・国家の安全を維持するため、香港政府は学校、団体、マスメディア、インターネットに対して宣伝・指導・監視と管理の体制強化など必要な措置を取るべき
21条・・・いかなる人が第20条に違反する行為を他人に実行させるため、扇動・ほう助・教唆または犯罪行為の為の資金等を提供することは犯罪になる
38条・・・永住権を持たない人が香港にいなくても香港特別行政区に対し、本法案に記載された犯罪行為を行った場合、本法案は適用される
●緊急取材 市民の抗議に警察が
福岡静哉が20時の香港の様子を報道。
香港のショッピングモールでは国家安全維持法に対する抗議集会が行われていた。
地面には「天滅中共中国共産党滅びろ)」の文字が。
道路は警官が封鎖し、そのうちの1人が青い旗を掲げている。
そこに書かれていたのは「警察からの警告・この集会・デモは違法・直ちに解散せよ・さもなくば武力行使も辞さない」。
既に香港警察は「香港獨立(香港独立)」と書かれた旗を所持していたとして国家安全維持法違反の疑いで、旗を所持していた男性を逮捕したと発表。
昨夜施行されたばかりの法案による逮捕者は少なくとも30人。
数は増え続けているとみられる。
一国二制度の終えんとも言える今回の法律に香港社会は委縮。
天安門事件の歴史を伝える記念館はもう閉館するのではと言われている。
開館を続けていること自体が中央政府転覆の試みとみなされる恐れがある。
雨傘運動を主導した黄之鋒(ジョシュア・ウォン)は米国の公聴会に出席し、抗議活動に対する支持を呼びかけた。
国際社会と協力し活動を続け、民主の女神とも呼ばれる周庭(しゅうてい 、アグネス・チョウ)はツイッターに「デモシストから脱退する」と投稿した。
周庭とはその後連絡が取れていない。
●緊急取材 一国二制度の終えんで“萎縮”も
堤伸輔、「一国二制度が一度は終わってしまったと言わざるを得ないのかもしれない。永久に終わるのか、何らかで戻るのかは中国本土の体制次第だと思う。しばらくは民主化運動は委縮せざるを得ない。今回死刑だけは盛り込まれなかった。今回中国側が守ったのはそこだけ。香港のかなりの人が国外移住を考えている」

興梠一郎、「尖閣諸島南シナ海、台湾、香港、一連の動きが連動している。習近平政権は共産党を維持することが最大の関心事」

佐藤正久、「国家安全法が香港基本法の付属文書で位置づけられたので、香港基本法を支持するということは、国家安全維持法を支持するということ。今回相当抑止効果はある」
●“風刺”長寿番組も打ち切り”
香港のテレビ番組も影響を受けている。
RTHK番組スタッフ労働組合・グラディスチウ会長のコメント。
31年続いた長寿番組「頭條新聞」が先月19日を最後に、香港当局の圧力で打ち切りになったと報じられた。
辛口風刺寸劇で人気を博していた。
去年12月、林鄭月娥行政長官への弾劾動議の否決後の放送の紹介。
興梠一郎、「習近平政権になってからとにかくメディアは党のものだと一貫して言っている。それが香港に適用されてきている」
堤伸輔、「これまでは司法が言論の自由を守った部分がかなりあった。国家安全に関わることは行政長官が任命し別の裁判官が裁けることになるので、中国政府を批判する本を出した場合、そちらに持っていかれるので、誰も守ってくれる人がいない状況になる」
●戦狼外交 中国の思惑は
中国の強硬姿勢は対香港だけではない。
中国の外交は「戦狼外交」とも呼ばれている。
佐藤正久、「大使や報道官はこぞって立ち向かう。中国批判に対しては真っ向から反論する。経済的な手段を使っても中国の国益を守ろうという状況」
新型コロナウイルスを巡ってのオーストラリアと中国の対立している。
オーストラリア・モリソン首相が「感染拡大の原因の国際調査をして中国も協力することを望む」と述べた。
これに対して中国は大麦の輸入追加関税80.5%増、オーストラリア産牛肉輸入停止、オーストラリアへの渡航自粛勧告を出した。
興梠一郎、「中国共産党が隠蔽したから世界に広がってしまったと。それを挽回するために医療援助をしたりマスク外交をやったが、やることがマイナスに出ている」
松原耕二、「中国はオーストラリアに対してやったことは日本にも適用できると思っているようだ」
佐藤正久、「中国は新型コロナウイルスのワクチン開発に国をあげて取り組んでいる。世界中に中国の医療インフラを押し進め、医療での世界覇権を目論んでいる」
●日本の対応は 中国との距離
強硬な中国に対して日本はどう向き合うのか。
香港の問題をめぐり菅義偉官房長官は「香港における国家安全法が制定されたことは遺憾であり、わが国としては引き続き状況を注視するとともに、香港市民の権利や自由が尊重されるよう関係国と連携し、中国に対してしっかり求め続けたい」と述べた。
日本政府が他の国に申し入れを行う場合、注視、懸念、憂慮、遺憾、非難と段階分けされている。
今回使われたのは「遺憾」。
佐藤正久、「法の支配は日本政府が主張しているインド太平洋構想の基本」
堤伸輔、「もう少し行動すべき。EUは6月半ばに習近平国家主席李克強首相とやり合って強い懸念を表明した」
興梠一郎、「今は米国にどう対応するか。日本と米国をセットで見ている」
●緊急取材 市民の抗議に警察が
福岡静哉が20時半の香港の様子を報道。
催涙弾が撃たれたという。
佐藤正久、「9月の選挙までにどれだけ法執行を厳格にやるか。中央政府が直接法執行をやるか。そこに注目したい」
興梠一郎、「国家安全維持交渉は事実上秘密警察なので、国家安全情報の収集とか役目に入っている。知らないうちに捕まってというのが中国だ。裁判も公開されない」
https://www.bs-tbs.co.jp/houdou1930/