じじぃの「中国共産党100周年式典演説を徹底分析・習近平の権力維持構想!プライムニュース」

中国共産党100周年 式典&演説を徹底分析 習近平の権力維持構想 【後編】

動画 fnn.jp
https://www.fnn.jp/articles/-/204253

中国共産党100周年 式典&演説を徹底分析 習近平の権力維持構想 【後編】

中国共産党創立100周年を前に北京で開催された文芸ショー

プライムニュース 「中国共産党100周年 式典&演説を徹底分析 習近平の権力維持構想」

2021年7月1日 BSフジ
【キャスター】長野美郷、反町理 【ゲスト】林芳正日中友好議員連盟会長 元防衛大臣 元経済財政担当大臣 自由民主党参議院議員)、朱建榮(東洋学園大学教授)、興梠一郎(神田外語大学教授)
7月に創立100周年を迎える中国共産党。1日に予定される記念式典に向け、かねてより入念な準備が進められてきた。首都・北京では、6月23日から天安門広場への一般客入場が制限され、厳重な警備態勢の中、巨大スクリーンなどが設置された。
今年6月には、第1回党大会の開催地に設けられた記念館もオープン。館内は、中華人民共和国誕生までの歴史や、毛沢東をはじめとする建国の中心メンバーと並んで、習近平主席の業績を讃える展示が目を引く。
大躍進政策文化大革命、改革開放、天安門事件と、まさに紆余曲折の歩みを経て、今や中国はアメリカに継ぐ世界第2位の経済大国にして、世界3位の軍事大国の地位を現実のものとした。では、国民を強引なまでに統率し、ここまでけん引してきた中国共産党は、「100年」の先に何を描き、その実現に向けて習主席はどのようなメッセージと覚悟を表明するのか?
この日は、中国の動向を注視し続けてきた政治家と学者を迎え、記念式典の内容から中国の今後の目標と戦略を読み解き、100周年という節目に見えた中国共産党の真の姿に迫る。

中国共産党100周年 式典&演説を徹底分析 習近平の権力維持構想

共産党100周年で習主席が米国けん制
中国共産党の創設100周年の記念式典が北京で開かれ、習近平国家主席は米国をけん制。
天安門広場で開かれた記念式典で、習主席は人権問題で対立する米国などを念頭に「私たちは教師面した上から目線の説教は決して受け入れない」と述べけん制。
また、習主席は「台湾問題を解決し、祖国の完全な統一を実現することは歴史的任務だ」と述べ、統一への強い決意を示した。
一方、香港では中国への返還24年の記念式典が開かれたが、この日に例年行われるデモは感染対策を理由に許可されなかった。
警察が厳戒態勢を敷く中、数人の活動家が街頭で政治犯の釈放などを訴えた。
●検証 中国共産党100周年式典・習主席“自画自賛”演説の真意
7月1日、行われた中国共産党創立100周年記念式典で、習近平国家主席天安門楼上で1時間以上演説を行った。
鄧小平以来、中国共産党指導部が目指してきた「小康社会」を全面的に達成し、貧困問題を解決したと宣言。
式典には7万人以上が参加。
胡錦濤国家主席温家宝前首相は出席したが、江沢民国家主席の姿は確認できなかった。
習近平国家主席の演説でのここまでの実績と内政関連の発言をVTRで紹介。
●検証 100周年の中国共産党・習主席が描く「これからの中国」
林芳正、「鄧小平第2代最高指導者と比較するとよく分かるが、権力が集中しないように集団指導体制でわざわざ奇数にしている。2期10年など人治にならないように制度を作った。おそらく毛沢東に並び、強い国を作るということで自分の時代だと偶像化していくようなことが、鄧小平が敷いていき今までの統治の仕方として変わっていくのかなと思う」
中国共産党100周年で舞曲披露 「習主席アピール」の狙いは?
今週月曜、北京五輪のメイン会場だった国家体育場「鳥の巣」で祝賀イベントが開かれた。
ステージでは中国共産党100年の歴史を表現した歌や踊りが披露された。
タイトルは「偉大なる道のり」。
ステージは4部構成で、共産党の草創期を描く第1部と中華人民共和国建国初期を取り上げた第2部。
第3部では毛沢東から習近平まで歴代トップを讃える映像を次々上映。
第4部では現在の習近平国家主席の業績について多くの時間を割いて紹介する展開となった。
その中では貧困からの脱却や新型コロナへの対応、軍の強化や一帯一路構想などが次々に紹介された。
宇宙ステーションから中国共産党100周年の祝辞が送られた。
こうしたステージ構成もあってか、会場に習主席は出席したものの、前国家主席胡錦濤やその前の江沢民国家主席らの姿は確認されなかった。
●検証 中国共産党100周年式典・習主席が説いた「外交方針」
中国の今後の外交姿勢を読み解く。

習近平国家主席の演説

「我々は人類の文明の成果を積極的に学び、有益な提案と善意の批判を歓迎するが、我々は教師ヅラした上から目線の説教は決して受け入れない。中国人民はこれまで一度も他国の人民をいじめたり、奴隷にしたことはない。身の程知らずは万里の長城の前で頭をぶつけ血を流す」と述べた。
林芳正、「米中貿易戦争から始まっていろんなことがあった。ソフトな路線を混ぜている。中国は明の時代に大航海を行った鄭和を例に今まで他国の人民をいじめたり奴隷にしたことはないという。しかし歴史をみると植民地にしたことはない代わりに冊封体制の歴史がある。欧米、特に欧州は植民地にしていた。自分たちがワンベルトワンロード(一帯一路)で、そういう風にされていた国と一緒になって、そういう国の代表だというメッセージも暗に入っていると思う。G7でああいうメッセージが出て、その後にこういうことを言って、G7で言っているが皆弱い国を植民地にしていたんじゃないかというのが行間ににじみ出るような感じがする」

興梠一郎、「習主席はいままでの共産党の指導者 鄧小平、江沢民胡錦濤を主要な指導者と言い、自分のことは核心的指導者と言った。彼らを格下げにしている。2049年には世界で先頭に立つ国だ。自分が中国を強国にするという野心がある」

林芳正、「普通は自由な体制でないとイノベーションは生まれにくいので、人件費で世界の工場段階で足踏みしてしまう。ところが中国は海外に人を出したり研究開発投資をして最先端の分野で中国がトップを行っているという分野がいくつもあって、これに対して米国は危機感を持っている」
●検証 中国共産党100周年式典・習主席が説いた「台湾・香港」

習近平国家主席の演説

・台湾について「祖国の完全統一を実現することは中国共産党の一貫した歴史的な任務であり中華人民の共通の願いである」。
・香港について「一国二制度は堅持」「国家安全法制を着実に実行し国家の主権・安全・発展の利益を守る」。
興梠一郎、「今回、台湾独立のいかなる企みも粉砕すると言っている。95周年の時より強くなっている」
日米2+2、日米首脳会談、米韓、EU、G7外相、G7サミット、台湾海峡について言及。
興梠一郎、「G7サミットでEUが台湾に言及してきたので、台湾独立に対しさらに強い態度になった」
朱建榮、「中国は台湾が歴史的使命だということが一点。もう1つは中国は台湾独立の動きはどんなことでも粉砕するんだと。中国、習近平政権にとって経済面で米国に並ぶ、世界の経済大国になることは最大のレガシー(世代から世代へ受け継ぐものごと)になる。台湾統一が歴史的使命に変わりがないが、優先度が経済に移った」
林芳正、「党の大会で多分に政治的な文章なので、あれだけそれまでにG7で言われて、それより表現が弱くなりましたというわけにはいかないのだろう。安全保障の面でいえばお互い抑止をかけているということなのだろう」

【提言】 「共産党創立100周年 その先に描くべき日中関係

朱建榮 「小異残し大同求む」
 習主席が語った民主主義や自由、人権は日本とも共有できるものだ。小異を捨てて大同につくことは可能だ。中国のここがおかしいのだったら日本が建設的なアドバイザーになってほしい。
興梠一郎 「毛沢東の約束」
 毛沢東が1945年にロイターに記者に対し新民主主義国家ついて語った。言論・表現の自由、宗教の自由、民主主義を公言している。今の香港はどうか。約束をきちんと守ってください。
林芳正 「大国間の大人の関係」
 中国と日本の関係はまわりの国々にも影響を与える。これだけ大国になったら大国の責任感を持ってほしい。
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