陸上イージス撤回で・・・“敵基地攻撃能力”も議論か(20/06/24)
大下容子ワイド!スクランブル
2020年6月26日 テレビ朝日
【司会】小松靖、大下容子 【コメンテーター】柳澤秀夫(ジャーナリスト)、中野信子(脳科学者)、デープ・スペクター(タレント) 【解説】藤崎一郎(元駐米国大使)
敵基地攻撃能力は必要か?
日本の軍事力は世界で見るとアメリカ・中国・ロシア・インドに続き5位だという。
これはF-35を100機以上配備する予定であること。イージス艦を7隻保有していることなどがある。専門家も軍備は世界一線級とする一方で、ミサイルへの防衛力は十分ではないという。
●極超音速時代・空の脅威
ロシア・ショイグ国防相は去年12月「アバンガルド」の実戦配備を始めたと発表(AP通信)。
プーチン大統領は2018年3月「アバンガルドはミサイル攻撃を突破できる」と語った(英国・BBC)。
アバンガルドとは極超音速兵器で核を搭載することが可能。
速度マッハ27(時速約3万3000km)。旅客機の約40倍の速さ。
射程は約1万km(米国まで届く)。
迎撃用のレーダーなどを避けるために垂直方向や水平方向など縦横無尽に飛行が可能。
通常のミサイルは放物線を描いて標的に向かう。
迎撃ミサイルはその放物線を計算し迎撃。不規則に動かれると迎撃が困難。
中国は散弾ミサイルを保有(米国・シンクタンクCSIS)。
新型大陸間弾道ミサイル「東風41」(DF-41)の速度はマッハ25(時速3万626km)。
北京からロサンゼルスまで20分で着弾。
射程は1万2000~1万5000km(米国まで届く)。
最大10個の核弾頭を搭載可能(着弾前にわかれる)。
去年10月の軍事パレードでは東風41が16基登場した。
●“専守防衛”の日本・次なる構想
イージスアショア配備計画が撤回となり、敵基地攻撃能力が焦点となっている。
きのう河野太郎防衛大臣は自民党・国防部会に出席し、その後の講演会で「議論の前に言葉の定義を明確にすべきだ」と語った。
中谷元元防衛大臣は「敵基地反撃を検討するよう提言している。5年、6年ぐらい前から本当にミサイルの状況が変わってきている」と語った。
佐藤茂樹公明党外交安全保障調査会長は「歴代政権は専守防衛の観点から選択してこなかった」と語り、敵基地攻撃能力の保有に関しては、公明党として慎重な姿勢を示している。
福島瑞穂社民党党首は「日本国憲法9条があり、専守防衛が基本。敵基地攻撃能力はやはり先制攻撃になる。専守防衛とは矛盾する」と語った。
藤崎一郎、「敵基地攻撃能力は敵の首都も攻撃できる。そういう能力を持つという意味になるので、よっぽど考えなければいけない」
https://www.tv-asahi.co.jp/scramble/
プライムニュース 「3人の元統幕長に聞く イージス・アショア停止 敵基地攻撃の是非とは」
2020年6月25日 BSフジ
【キャスター】海老原優香、反町理 【ゲスト】折木良一(元統合幕僚長 元陸上幕僚長)、岩﨑茂(元統合幕僚長 元航空幕僚長)、河野克俊(前統合幕僚長 元海上幕僚長)
15日、河野防衛相が地上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備を停止すると突然表明し、防衛関係者の間に衝撃が走った。北朝鮮の弾道ミサイル対処のため、海上のイージス艦に加えて陸上からの迎撃能力を強化することで、防衛力を大幅に強化する狙いがあったが、今回の配備停止判断で日本のミサイル防衛体制を根本から見直す必要が生じることになる。
一方、中国は尖閣諸島周辺において海警の船舶が日本漁船を追尾したり、空母艦隊の日本周辺海域航行や軍用機の度重なる飛来など、“不穏な動き”を続けており、日本には大きな「圧」となっている。
そんな折、アメリカの安全保障シンクタンクが、中国が尖閣諸島に上陸する「強行シナリオ」を含むリポートを発表。中には「尖閣をめぐって日中が衝突してもアメリカは日本を助けない」とするケーススタディも記され、その現実味を巡る議論が湧き起こっている。
●「敵基地攻撃能力」の現実論
岩﨑茂、「相手の敵基地を攻撃するのに必ずしも攻撃用の武器が必要かというとそうでもない。F-35でも空中給油機があれば遠くまで行けるし、島嶼防衛の巡視船でも方向を変えれば敵攻撃用にもなる。攻撃する対象を米軍と話し合って分担するとか新しい戦略を作る必要がある」
河野克俊、「今まで日本は防御オンリーで相手に脅威を与えませんと。しかし日米共同なので矛である米国にこちらは手を汚さず頼む。しかしこういう偽善的防衛論議はやめたほうが良い。米国にも米国の都合がある。ならば自分で攻撃能力持ったほうが良いという極めて常識的な流れだ」
●中国の尖閣上陸「強行シナリオ」を検証
米国のシンクタンク・CSBA(戦略予算評価センター)が発表したレポートの中には、中国の軍事専門家らが雑誌「現代艦船」に連載した中国の尖閣諸島上陸シナリオが引用されている。
中国の尖閣上陸「強行シナリオ」(中国軍事専門家らによる)
①海保の船が尖閣諸島海域にいる中国海警の艦船を銃撃。これに対し、中国海軍の護衛艦が急行し日本側を攻撃
②日中が尖閣を中心に戦闘態勢に入る。中国海軍空母「遼寧」ら機動部隊が宮古海峡を通過し、日本側が追跡
③日本のE-2C早期警戒機とF-15が東シナ海上空を戦闘パトロールに入るが中国のJ-20が撃墜
④中国軍が那覇空港を巡航ミサイルで攻撃
⑤米国が日米安保の発動を拒否
⑥日本と中国が宮古海峡の西側で短期間だが致命的な戦争となる
⑦米国軍の偵察機が嘉手納基地へ(中国軍が不干渉と引き換えに嘉手納を救う)
⑧衝突が始まってから4日以内で中国軍が尖閣諸島に上陸
河野克俊、「絶対に米国が巻き込まれるようなことについては中国は出てこない。米国が出てこないと確信を持ったら中国は出てくる。中国が尖閣諸島をコントロールという状況になれば米国は第5条の発動はない。尖閣で中国海警の艦船が日本の漁船を追いかけたがこれからはずっとこのような行動が続くだろう。中国が実効支配しているのだという既成事実化を作るためだ」
反町理、「日本は尖閣を血を流して守るという姿勢を米国に見せないといけないということか」
岩崎茂、「平時の時に理論上は米国は安保5条の適用としているが、実際何かが起きた時には米国がその時に判断する。米国が自分の国益にならないなら出てこない。全てにおんぶに抱っこになっているといざという時にアレっということになるので、我々もちゃんと持っていなければいけないということ。現在は我が国の施政下にあると言える」
折木良一、「“米国が日米安保発動を拒否”とあるがこれがなければこのシナリオは全て狂う。米国が入るかどうかということ。中国は米国に来てほしくないので米国と日本をどう分断しようかということがある。尖閣については南シナ海と同じで既成事実化するのが向こうの狙い。何か日本が海底資源調査とか実効支配していると目に見える形で表さないとまずい時代になってきている。反発があるから何もやらないとなると日本側にとって不利になっていくと思う」
提言 「今、日本が見据えるべき防衛策」
折木良一 「総合防衛力」
自衛隊だけでは対応できなくなっていることが多くなっている。サイバーとか宇宙とか敵からのミサイルとか。総合的に国全体で議論してほしい。
岩崎茂 「新戦略の策定で安全安心元気な日本の再生へ」
国家安全保障条約は経済、食料、エネルギー、さらに元気な国は新しい新戦略でできる。
河野克俊 「平時に考える」
アーミテージは言った。日本が米軍の前にいたとき戦う。日本が米軍の横にいたときも戦う。しかし日本が米軍の後ろにいたときは戦わない。
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