じじぃの「感染症を歴史から見てみる・3つの言葉・共通点は?ワイドスクランブル」

La Peste [trailer] | Una serie original de Movistar+

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=JRl6Dy7I8SA

Peste

ペスト (小説)

ウィキペディアWikipedia) より
『ペスト』(仏: La Peste)は、フランスの作家・アルベール・カミュが書いた小説。
出版は1947年。1957年に44歳でノーベル文学賞を受賞したカミュの代表作の一つである。
フランツ・カフカの『変身』とともに代表的な不条理文学として知られる。カフカの『変身』は不条理が個人を襲ったことを描いたが、カミュの『ペスト』は不条理が集団を襲ったことを描いた。この『ペスト』で描かれる不条理は伝染病のペストである。カミュは、中世ヨーロッパで人口の3割以上が死亡したペストを、不条理が人間を襲う代表例と考え、自らが生まれ育った北アフリカのフランス領を舞台にしたこの小説を書いた。

                    • -

大下容子ワイド!スクランブル

2020年3月23日 テレビ朝日
【司会】佐々木亮太、大下容子 【コメンテーター】川村晃司テレビ朝日コメンテーター)、マライ・メントライン(ドイツ放送プロデューサー)、古田大輔(メディアコラボ 代表) 【解説】池上彰(ジャーナリスト)、増田ユリヤ(ジャーナリスト)

池上彰増田ユリヤ・徹底生解説 3つの言葉・共通点は

感染症を歴史から見てみる。
奈良の大仏、デマ、万有引力
感染症の流行をきっかけに生まれたもの。
実は人類というのは感染症との長い闘いの歴史があった。
●歴史書 第1章:Encounter(未知との遭遇
一番古い感染症の流行の記録があるのはギリシャアテネではやった疫病。
疫病によりアテネはスパルタに負け、ペロポネソス戦争のときに指導者としていたペリクレスも疫病で倒れ、扇動政治家が登場。
その人たちのことを「デマゴーグ」といったので、これが「デマ」の語源になった。
15世紀、コロンブスが米国大陸に到達したときに物の行き来がヨーロッパと米国であり、梅毒(性感染症)という病気がヨーロッパにまん延。
互いにほかの国のせいにすることも発生。英国やドイツがフランス、フランスはスペインのせいだなど。
いつの時代も感染源のなすりつけ合いが行われた。
アメリカ大陸に上陸したスペイン人は、天然痘や麻疹、チフスなど多くの病気を現地に持ち込んだ。
インカ帝国天然痘によって滅びた。
その理由を神の怒りと当時は考えていた。
●歴史書 第2章:ルネサンス感染症から生まれた
ペスト菌を媒介するノミがネズミから人間に移り、伝染させる。
14世紀、ヨーロッパでペストが大流行し、ヨーロッパの人口の4分の1、2500万人が死亡した。
ペストの大流行の頃から教会や墓地に「死の舞踏」といわれる壁画が描かれるようになった。
人口減少により労働力が不足。
賃金がアップされ金を手にした農民たちは自由も手にした。
ペストの流行を止められなかったカトリック教会の権威が失墜。
その結果、封建的なキリスト教の価値観から脱して自然な人間らしさを大切に生きていかなければいけないと古代ギリシャやローマの文化が復活。
ルネサンスも同様に疫病から生まれた。
この言葉は再生とか復興という意味。
ペストの流行によって文学作品も生まれている。
イタリアの作家ジョヴァンニ・ボッカッチョは、フィレンツェを襲ったペストの惨状を目の当たりにし、それをもとに『デカメロン』を書いた。
ペストが流行したことによって10人の男女が逃れて別荘で暮らすことになり、退屈まぎれにみんな持っている話をちょっとしてくれというので1人が10ずつ話をする。
10日間で100の話をした設定で『デカメロン』という本ができた。
キリスト教の教会の権威が失墜したことで今度は国家が前面に出てきて絶対王政になっていくという世界の歴史があった。
日本でも疫病が流行して世の中が変わった。
侍の起源。
奈良時代に疫病が大流行し、聖武天皇が経済政策として田んぼの私有を認めた。
田んぼを守るために武士が誕生。
仏教を精神的な支えにしていった。
●歴史書 第3章:疫病に立ち向かうということで医者も防護
ドイツの医師コッホは、感染力のある病原体としての細菌である炭疽菌を光学顕微鏡を用いて初めて発見した。
さらには天然痘と闘っていくために冷戦下あった米国とソ連が協力して天然痘に打ち勝った。
人類は感染症と闘い続け、かなり負けてきたこともあるが、ここに来て科学の力によってこれに打ち勝とうとしている。
疫病の思わぬ副産物。
17世紀にヨーロッパでペストが流行し学校が休校になった。
当時のイングランドケンブリッジも大学が休校になり、アイザック・ニュートンが大学が故郷へ帰って故郷で思索を深めていたときにリンゴの木からリンゴの実が落ち、万有引力の法則を発見したと伝えられている。
ニュートンは現在にわたる微分積分も考え出した。
新型コロナウイルスで休校になって家に閉じ込められている子どもたちも大勢いると思うが、これを機会に新たに勉強し新しいことを考える。小説も生まれるかもしれない。
川村晃司、「フランスの作家アルベール・カミュは『ペスト』を書いた。この本はアルジェリアを舞台に、致死率の高い感染症であるペストの流行による街の混乱と市民の戦いを描いている。今、新型コロナウイルスが世界各地に広がり深刻な影響を及ぼしているが、人間性を蝕む不条理を描いている」
https://www.tv-asahi.co.jp/scramble/

『ビッグヒストリー大図鑑:宇宙と人類 138億年の物語』

デイヴィッド・クリスチャン/監修、ビッグヒストリー・インスティテュート/協力、オフィス宮崎/日本語版編集 河出書房新社 2017年発行

東西の出会い より

1492年まで、「旧世界」(アフロユーラシア)と「新世界」(アメリカ大陸)の人々は、お互い相手の存在を気づいていなかった。この2つの世界を結びつけたのはヨーロッパの探検家で、これをきっかけに世界は「コロンブス交換」、すなわち人間や動物、作物、病気、技術の移動を経験することになる。

ヨーロッパの探検家は自分たちが優位に立てる技術(乗馬、銃や鋼鉄製の武器など)を最大限に利用して新世界の人々を征服した。またヨーロッパから持ち込まれた病気も新大陸征服に味方した。コロンブス交換によって世界各地の生活は一変する。
人々はどこにいても新種の食料が手に入るようになり、その結果、その後2世紀にわたって世界の人口は増加の一途をたどった。作物や家畜の拡散とともに、改良された農業技術や体系的な新しい方法が入ってくる。政府の力が拡大し、人口や収入を増やすために自国の領土を拡張しようとした。その結果、人間はますます土地に改変を加えるようになる。

天然痘

天然痘、発信チフスコレラなど、多くの感染症アメリカ大陸に持ち込まれた。アメリカ大陸の先住民には旧世界の病気に対する抵抗力がないため、人口が激減する。

キリスト教

ヨーロッパからの征服者たちは熱心なキリスト教徒だった。アメリカ大陸では土着の宗教がすたれ、キリスト教への大規模な改宗が行われた。

アメリカ大陸の輸送と農業に画期的な影響を与えたのが馬である。北米の平原に住む先住民は馬を自在に乗りこなすようになり、バッファロー(バイソン)の狩りにも馬を役立てた。