国際リニアコライダー広報番組2-2 ILC科学少年団シーズン2
国際リニアコライダー ILC (asahi.com HP より)
クローズアップ現代 「ヒッグス粒子を超えろ ~日本の巨大加速器計画~」
2013年2月6日 NHK
いま日本で”ヒッグス粒子に続け”と未知の素粒子を探すための国際共同実験施設を誘致する動きが広がっている。ILC(国際リニアコライダー)と呼ばれるこの施設の特徴は、全長30㎞に及ぶ直線状の巨大加速器。精度良く実験でき、物理学の新たな扉を開くとともに宇宙の謎の解明にもつながると見込まれている。
【ゲスト】山下了(東京大学素粒子物理国際研究センター准教授)
http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3306/index.html
『人類、宇宙に住む 実現への3つのステップ』
ミチオ・カク/著、斉藤隆央/訳 NHK出版 2019年発行
先進文明 LHCを超える より
欧州原子核研究機構(CERN)が、スイスとフランスの国境にまたがる世界最大の衝突型円型粒子加速器(LHC)は、何度も大きなニュースになっている。とらえがたいヒッグス・ボソン(ヒッグス粒子)の発見もそのひとつで、ふたりの物理学者、ピーター・ヒッグスとフランソワ・アングレールにノーベル賞が贈られた。LHCの主な目的のひとつは、粒子の標準模型というパズルにおいて、最後のピースをはめることだった。標準模型は、最も進んだタイプの量子論であり、低いエネルギーにおいて宇宙を完全に説明することができる。
標準模型は「ほとんど万物理論」と呼ばれることもある。われわれのまわりに見える低エネルギーの宇宙を正確に記述できるからだ。それでも、いくつかの理由から究極の理論にはなりえない。
1.標準模型は重力については何も言っていない。それどころか、標準模型をアインシュタインの重力理論と組み合わせると、混成された理論は破綻し、意味をなさなくなる(計算結果が無前大になるので、その理論は使い物にならないのだ)。
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素粒子の雑多な集まりからなる標準模型が、自然の究極の理論であるとは考えにくい。まるでカモノハシとツチブタとクジラをセロテープでぐるぐる巻きにして、これこそ母なる自然の極上の創造物、何億年にも及ぶ進化の最終産物と呼ぶようなものだ。
LHCに続く大型粒子加速器は、現在計画段階にある国際リニアコライダー(ILC)だ。これは全長およそ50キロメートルの直線のチューブであり、そのなかで電子と反電子(陽電子)のビームが衝突する。現在の計画では、日本の北上山地に建設が予定されており、費用は約200億ドルとされ、そのうち半分は日本政府が負担することになっている。
ILCが生み出せる最大のエネルギーは1兆電子ボルトにとどまるが、ILCは多くの点でLHCに優(まさ)っている。陽子同士をぶつけると、陽子の複雑な構造ゆえに、衝突の解析が非常に難しい。陽子のなかには3個のクォークがあり「グルーオン」という粒子で結びつけられている。一方、電子にはそれより小さな構造は知られていない。一点だけの粒子にみえるのだ。そのため、電子と反電子が衝突するときには、単純明快な相互作用となる。
このように物理学が進歩していても、我々のタイプ0文明では、プランクエネルギーを直接探ることができない。だがそれは、タイプⅢ文明には可能となる。
ILCのような加速器の建造は、いつの日にか、時空がどれだけ安定なのかを検証し、時空で近道ができるかどうかを明らかにするうえで、きわめて重要なステップになるかもしれない。
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どうでもいい、じじぃの日記。
2011年12月、欧州原子核研究機構(CERN)は2つの研究グループが示したLHCの実験データの中に、ヒッグス粒子の存在を示唆するデータがあることを見つけ、12日、ヒッグス粒子は 「glimpse(垣間見えた)」と発表した。
その後CERNは、ヒッグス粒子に次いで「ダークマター」などの解明に向けて活動を続けている。
2013年2月、NHK 『クローズアップ現代』で「ヒッグス粒子を超えろ ~日本の巨大加速器計画~」を観た。
スイスにあるCERNで、ヒッグス粒子発見で喜ぶ研究者たちの映像が出てきた。
日本で超巨大プロジェクトが動き始めました。
「ILC」 国際リニアコライダー(International Linear Collider)計画
長さ30キロの巨大実験装置を作るプロジェクトです。建設費は8000億円。
宇宙の始まり ビッグバンを再現し、ヒッグス粒子に続く未知の素粒子を見つけるのが目的です。この装置があれば宇宙誕生の謎に迫れるといいます。
多くの外国人がいる中で、黒板に何かを描き説明している村山斉(東京大学カブリ数物連携宇宙研究機構初代機構長)さん。
村山さん、「いろんな素粒子が見つかってきたわけですけど、ある意味で影の粒子。もう一つ、影武者のようなものが一方にある」
それらを見つけるために欠かせない実験装置。それが巨大加速器です。
ヒッグス粒子を見つけた加速器はスイスのジュネーブ郊外にある研究所、欧州原子核研究機構(CERN)にあります。
CERNの地下にある加速器は世界最大。山手線一周に近い27キロの円形です。この中で粒子を加速し、ぶつけることで未知の素粒子を見つけ出します。
しかし、このCERNの加速器には実は限界があるといいます。まず、ぶつける陽子がより小さな素粒子の集まりであることです。
村山さん、「陽子というのは、いわば大福もちのようなもので、これをぶつけるわけです。大福もちは中にアズキが入っていて、アンコに入っている。ところがバンとぶつけると、ぶちゃぶちゃとアンコが出る。しかし、本当に見たいのは、この大福もちのアズキ同士がコツンとぶつかって出てくるのを見たいのだけれども、周りにアンコがびしゃびしゃと。しかも大福もちをぶっつっけてもアズキ同士がぶつかることはめったにない」
そしてもうひとつの課題が、加速器の円形です。粒子が曲がるとき、光を放ち、エネルギーを失うという性質があります。CERNではいわば粒子にブレーキをかけながら、加速しているようなものなのです。
こうした課題を克服するために考えられたのが「ILC」なのです。
2020年2月14日、日本学術会議は誘致に重要な一歩となる「重点大型研究計画」に「国際リニアコライダー(ILC)」の選定を見送った。
日本で、「ビッグバン」や「ダークマター」の再現が見られるのかと思っていた。
残念です。 (^^!