じじぃの「核保有国・中国・インド・パキスタンがカシミールの領有権を主張!池上彰のニュース検定」

Kashmir map

池上彰のニュース検定

2020年1月23日 テレビ朝日 【グッド!モーニング】
きょうのキーワード 「カシミール地方」。

問題 「カシミール地方の領有権を主張するもう1つの国は?」

バングラデシュ
パキスタン
・ネパール
正解 「パキスタン
 「中国、インド、パキスタンの3ヵ国がカシミール地方の領有権を主張しています。インドとパキスタンは3度も戦争をしています。カシミール地方は紛争の発火点なのです。去年8月、インド政府がジャムカシミール州の自治権を剥奪しました。カシミール地方は3国が実効支配しているが、独立を求めるイスラム過激派などによるテロが頻発しています。インド政府は約70年間にわたりインド側の地域に自治権を与えてきました。住民の多くがイスラム教徒のためイスラム教徒は9割を超え、パキスタンへの帰属を望んでいたからです。今になってインド政府が自治権を取り上げたのは、ヒンズー至上主義を掲げるインド・モディ首相が圧勝したことで変化が起こりました。モディ首相は“自治権を認めることがテロ発生の原因”と考えていました。今回のインドの行動はパキスタンだけではなく中国の反発も招いています。中央アジアの情勢はにわかにきな臭くなったのです」

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『国際関係がウラ読みできる ライバル国と友好国』

国際時事アナリスツ/編 河出書房 2016年発行

インドと中国 カシミールチベット、インド洋でも対立する両大国 より

●印パだけでないカシミールでの紛争
13億8000万人という世界一の人口を有する中国と、それに次ぐ13億1000万人のインド。これだけのパワーを持つ両大国が争うのは、同じアジアの国としても地球規模で見ても、避けてほしいところだ。
だが、両国は1ヵ所にとどまらない国教紛争を抱え、半世紀以上にわたって角つき合わせている。カシミール地方北東部にあるアクサイチン地区、それにインド北東部、ブータンの東にあるアルナチャル・プラデシュという辺境地区である。
歴史をさかのぼると、中印の国境は「マクマホンライン」が基本とされてきた。これは、1914年に中国に併合される前のチベットと、イギリスとの間で定められた国境線である。
インドは宗主国イギリスから受け継いだ領土を境界とするが、中国はそれを「帝国主義の遺物」として認めていない。ヒマラヤ山脈の南側が伝統的に境界だったとして、1962年には中国軍が侵攻し、両国の大規模な武力衝突が起きた。
この中印の国境紛争により、インドは実効支配していたアクサイチン地区を奪われた。さらに、中国がパキスタンと接近したことで問題は複雑化する。
カシミール問題というと一般的にはインドとパキスタンの間の紛争をさすが、実際のところカシミール地方はインド、中国、パキスタンの3ヵ国の接するところに位置し、この3ヵ国に分断されているのである。
アルナチャル・プラデシュについてはインドが州を設置し、その後、目だった衝突は起きていない。
ただし、折に触れて緊張が高まっていることも確かだ。2006年には中国の駐印大使が「アルナチャル・プラデシュは中国のもの」とテレビ番組で発言、2012年には中国が、アルナチャル・プラデシュとアクサイチン地区を自国の領土とした旅券を発行し、これを受けてインドはインド領とする査証を発行した。
また、2013年4月にはカシミールのインドの実効支配地域まで中国軍約50人が侵入し、インドの国境警察と20日間にわたってにらみ合った。2016年3月にも中国軍の小隊が越境し、挑発行為であるとの非難の声が上がっている。

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じじぃの日記。
中国はサラミ戦術といって、敵対する勢力を殲滅または懐柔によって少しずつ滅ぼし、世界における中国の権益を拡大している。
2018年4月の新聞に、南太平洋バヌアツに中国軍事拠点を建設することの協議を始めた、という記事が載っていた。
とうとう、中国は太平洋に進出してきた。
そのうち、いくつかの海域を「ここは中国領だ」と言い出すのではないだろうか。