じじぃの「科学夜話・偶然とは思えない擬態の不思議!生命とはなんだろう」

コノハムシの秘密 Leaf insect, How to disappear 動画 Youtube
https://www.youtube.com/watch?v=4zopbZe_mis
オオコノハムシ

形態の生命誌―なぜ生物にカタチがあるのか (新潮選書) - 2011/7 長沼毅 (著) amazon
ヒマワリの花はなぜ美しい螺旋を描いているのか?シマウマや熱帯魚はどうして「アニマル柄」なのか?
数学者もびっくりした蜂の巣の六角形構造とは?体節から生えてくる昆虫の翅の起源はなにか?最先端の進化発生学を援用しながら、「生命が織り成す形」の法則性を探り、個体の発生プロセスに進化のダイナミズムを見出す、生物学の新しい冒険。

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『生命とはなんだろう?』 長沼毅/著 集英社インターナショナル 2013年発行
偶然の突然変異とは思えない擬態の不思議 より
突然変異と、環境からの圧力――この単純な仕掛けによって、地球上の生物は多彩な進化を遂げてきました。目に見えないサイズの単細胞生物が、偶然の積み重ねによって、私たち人間のように複雑な仕組みを持つ生物になっていったのです。
しかし生物の持つさまざまな形質の中には、とても偶然とは思えないものも少なくありません。その代表が、「擬態」でしょう。たまたま、ほかの生物とそっくりな姿形を身につけたことで、外敵の目を欺けるようになった生物はたくさんいます。
ちなみに、これを「外的の目を欺くためにほかの生物とそっくりな姿形を身につけた」というと目的論的になってしまうので、あえて「たまたま、そうなった」という表現にしました。兵士が迷彩服を着るのは明確な目的意識がありますが、生物の進化には誰の意思も関わっていません。生物の迷彩は、あくまでも結果なのです。
でも実際の擬態を見ると、「あれに似せよう」と目的を持ってデザインされたようにしか思えません。たとえば、 オオコノハムシ。その名のとおり、木の葉そっくりな外見をした昆虫です(画像参照)。その葉っぱっぽい色はもちろん、「葉脈」のような構造まで実によくできている。ほかにも、コノハチョウやリーフフィシュなど、木の葉(枯れ葉)に擬態した生物はいます。果たして、偶然の突然変異だけで、あそこまで成功に似せられるものでしょうか。
これについてはさまざまな議論がありますが、まだ明確な説明はなされていません。ダーウインの進化論に異を唱える人々がしばしば持ち出す反論材料でもあり、生物学者にとっては頭の痛い問題のひとつといっていいでしょう。
そこで私がひとつの可能性として考えているのは、生物の形を決める上で、力学的な原理が働いているのではないかということです。詳しくは拙著『形態の生命誌』(新潮選書)に書いたので、興味のある方はそちらを読んでいただきたいのですが、生物の形の中には、たとえばオウムガイのようならせん形や木の枝の広がり型など、数学的に表現できるものがあります。つまり、その形を作るルールを数式にすることができる。これは、そこに何らかの力学的な原理が働いていることを意味しています。

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どうでもいい、じじぃの日記。
この間、擬態について調べていたら、動画「カメレオンの七変化 - みるみる変化するカメレオンに目を奪われます!!」があった。
飼い主が異なった色縁メガネをそばに置くと、その縁の色に合わせて体色が変わるというもの。
「パンサーカメレオン」は、擬態のとき以外にも威嚇や求愛や縄張り争いの際にも色変わりするという。
「オオコノハムシ。その名のとおり、木の葉そっくりな外見をした昆虫です」
周りの環境に合わせて体色を変える動物は、どこかで同化したことを認識しているんでしょうねえ。
「あえて『たまたま、そうなった』という表現にしました」
まあ、どこにも例外がいますからね。 (^^,,