じじぃの「科学夜話・東京2020オリンピック・感動で鳥肌が立つ?人間を科学する事典」

感動をもう一度

「感動しても鳥肌が立つ人」は「特殊な脳の構造を持つ人」という研究結果 2018年08月09日 Various Topics 2
私は、コンサートや演劇などで(予測もしないほど大きな)感激をしたとき、鳥肌が立つことがあります。
こういう人は少なくないのに、今でも「鳥肌は寒いときと恐怖を感じた時にしか立たない。感激したときに「鳥肌が立つ」を使うのは誤用」とされています。
が、こんな研究結果がでているようです。
https://blog.goo.ne.jp/afternoon-tea-club-2/e/961397a1ccf6de02b51dc6b76b6e8256
『人間を科学する事典―心と身体のエンサイクロペディア』 佐藤方彦/著 東京堂出版 2005年発行
鳥肌がたつのはなぜ? より
2004年8月16日深夜、アテネオリンピックの体操男子団体戦。最初の「ゆか」を8ヵ国中7位でスタートした日本チームは、徐々に追い上げ、僅差でのぞんだ最後の鉄棒競技で劇的な逆転金メダルを獲得しました。翌日、職場などで「鳥肌がたったよ」というような会話が交わされる事も多かったでしょう。この感動の表現としての「鳥肌がたつ」は、実は間違った日本語とされてきました。
広辞苑』で「鳥肌」と引くと、「皮膚が、鳥の毛をむしり取った後の肌のように、ぶつぶつになる現象。強い冷刺激、または恐怖などによって、立毛筋(りつもうきん)が反射的に収縮することによる」とされています。立毛筋は、表皮の下にある真皮の中に存在します。寒さや恐怖の刺激があると、自律神経系の交感神経の働きで立毛筋は収縮します。自律神経とは、自分の意思とは関係なく、無意識に働いている神経で、内臓の働くや呼吸、消化、代謝の調節を行ないます。手や足を動かすのは自分の意思で出来ますが、心臓は自分の意思では動かせません。これは心臓に自律神経が働いているからです。立毛筋が収縮すると体毛が引っ張られ、ふだんは斜めになっている体毛が逆立つとともに、毛穴の表皮が盛り上がる事で毛穴をふさぎ、熱の放散を防ぎます。また同時に体表の毛細血管が収縮し熱の放散を防ぎ、汗腺も休止し体温を維持しようとします。
通常、自律神経に支配される臓器(内臓、血管、内分泌腺など)は、交感神経と副交感神経が二重に支配しています。交感神経は刺激に対して支配臓器の身体活動を亢進させる働きがあります。これに対し、副交感神経は身体をリラックスさせ、エネルギーを蓄える働きがあります。
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「鳥肌がたつ」状態は、リラックスさせる働きの副交感神経も支配を受けていないため、より強い感情表現として現われるのかもしれません。
このように、「鳥肌がたつ」というのは感動の表現というより、寒冷等の刺激に対する防御作用というように捉えるのが生理学的には正しいようです。実際、鳥類や他の哺乳類は「鳥肌がたつ」ことが大いに防寒に貢献しますが、毛が短い人類にはあまり防寒作用があるとは思えません。鳥肌が立つのが交感神経の働きだとするなら、冒頭で触れたオリンピックの例のように、感動のあまり興奮し交感神経が刺激され「鳥肌が立つ」のもあながちおかしいとはいえません。実際、最近の一部の国語辞典には「強い感動を覚える際にも使う」と書いてあるものもあるようで、今後「感動」の表現としても定着するのかもしれません。

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どうでもいい、じじぃの日記。
昭和56(1981)年発行の『広辞苑』で「鳥肌」と引くと「皮膚が、鳥の毛をむしり取った後の肌のように、ぶつぶつになる現象。強い冷刺激、または恐怖などによって、立毛筋(りつもうきん)が反射的に収縮することによる」と書かれていた。
ネットで「広辞苑 鳥肌」をキーに検索してみたら、「寒さや恐怖・興奮などの強い刺激によって鳥肌が生ずる」と書かれている。
何かに感動して「鳥肌が立つ」人は「感性の豊かな人」なのでしょうか。
私にも過去一度あったような気がします。(そう思いたいだけかも)