じじぃの「脳科学・体の制御・脳は体の司令塔!面白い雑学」

電気信号を化学物質に変えて情報を伝達する


第8回 フクロウ博士の森の教室 シリーズ

生命科学DOKIDOKI研究室
●電気信号を化学物質に変えて情報を伝達する
情報伝達に関係する神経細胞ニューロンといい、大きく分けると細胞体、樹状突起、軸索の3つの部分から成り立っていましたね。このニューロンが脳はもちろん、からだ中にネットワークを張り巡らせて、情報の伝達を行っているわけです。
───どんな方法なのか見当がつきません。
私たちのからだの体液には、たくさんのカリウムイオン、ナトリウムイオン、塩素イオンなどが含まれています。ニューロンも細胞の一種ですから、細胞膜によって外界と隔てられていますが、通常細胞の外の体液とニューロンの中の細胞質のイオンとではその構成が大きく異なっています。たとえば、カリウムイオン濃度は細胞内では高く、細胞の外では低くなっています。また細胞膜には、タンパク質でできた、特定のイオンを通す筒(イオンチャネルと呼びます)がたくさんあり、イオンはこの筒を通って濃度の高い方から低い方に流れようとします。しかし、イオンが流れ始めると、それを押し戻す電気的反発力も生じます。その二つが釣り合ったところでイオンの流れは見かけ上止まるため、神経細胞の膜の内と外ではそのイオンの濃度差に応じた電位差が生じるのです。
https://www.terumozaidan.or.jp/labo/class/08/interview02.html

『面白くて眠れなくなる脳科学

毛内拡/著 PHP研究所 2022年発行

PartⅠ もっと知りたい!脳のはなし――【脳の機能②体の制御】脳は体の司令塔 より

脳と神経

体のコントロールも脳が行なっています。脳から下った指令は、ずっと体を伝わっていき、目的の筋肉を動かします。この脳からの信号が伝わる経路のことを神経といいます。電線のようなものを想像されるといいかもしれません。
神経痛がひどいとか歯の神経を抜くとかいう場合の神経は、感覚神経ということになりますし、いわゆる運動神経というのは、脳から体を動かす際に働く神経のことを指します。
まず、脳も神経も併せて「神経系」という大きな枠組みに含まれています。ここで、「系」というのはシステムのことを指し、ある働きを担う一連のしくみと理解すれば良いと思います。この神経系は、中枢神経系と末梢神経系に分けられます。
中枢神経系には、脳と脊髄が存在しています。脊髄は、背骨と並行している神経の束で、脳からの指令や体からの信号はすべて脊髄を通っています。いわば、脳と体のインターフェイスといえるでしょう。
末梢神経系はさらに、体性神経系と自律神経系に分けられます。
性神経系はさらに、感覚神経系と運動神経系に分けられます。感覚神経系は、五感などを体に返す神経で、運動神経系は、これまで見てきたとおり、脳からの指令を体に伝える神経です。
一方、自律神経系はさらに、交感神経系と副交感神経系に分けられます。交感神経系は、体が興奮状態や覚醒状態にある時に優位になっている神経で、心臓がドキドキしたり、鳥肌が立ったり、筋肉が収縮するのはこの神経のおかげです。一方、リラックスしてくると筋肉が弛緩(しかん)し、心拍がゆっくりになったり、胃腸の消化の働きが良くなったりするのは副交感神経系のおかげです。
このように交感神経系と副交感神経系は、真逆の性質を持ち、1つの臓器や器官をコントロールしています。
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話を元に戻しましょう。ではいったい脳はどのようにして、手足を動かすのでしょうか。

電気的な活動で素早く伝わる

脳の中にある神経細胞は、電気的な活動を行なっています。電気といってもコンセントから流れる、家電を動かす電気とは性質が異なるものです。
人体の7割近くは水というように、細胞の中には細胞内液と呼ばれる液体が詰まっています。また、細胞の周囲も、細胞外液や細胞間質液と呼ばれる液体で満たされています。
この液体には、さまざまなイオンが溶け込んでいます。たとえば、ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオンなどのいわゆるミネラルです。甘くないスポーツドリンクのようなものです。
そのイオンが細胞の内側と外側でアンバランスになっていること、そして脳の活動に伴ってこのアンバランスが逆転することで、電気的な活動を行なっているのです。
この詳細なメカニズムについては、次の項でご紹介します。
この脳で生じた電気的な活動が、頭の中から、脊髄へ、そして動かしたい部位に存在している筋肉へと次々と伝わることで、私たちは自由自在に、そして素早く手足を動かすことができるのです。

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どうでもいい、じじぃの日記。

脳に届くのは信号だけ

脳を動かしているのは、ほとんど電気信号なのだそうです。
どうやって、脳の中でいろんな情報を伝達しているかというと、電気信号を細胞内のカリウムイオン、ナトリウムイオンなどの化学物質で電位差を生じさせているのだそうです。
つまり、細胞膜の内側と外側に生じる浸透圧差を利用して化学物質を出したり入れたりしているのだろうか。
一説では、人間の脳には大脳に数百億個、小脳で1000億個、脳全体では千数百億個の神経細胞ニューロン)があるのだそうです。

この詳細なメカニズムについては、次の項でご紹介します。

では、まーたね。