じじぃの「科学・芸術_945_世界の陰謀論・軍事作戦」

Did President Roosevelt Know About Pearl Harbor? | Codes and Conspiracies

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=lgostlLpCkQ

Secret History - Pearl Harbor

『ビジュアルストーリー 世界の陰謀論

マイケル・ロビンソン/著、安納令奈/訳 ナショナル・ジオグラフィック 2019年発行

軍事作戦

軍事作戦こそ、秘密裏にことを運ばなくてはならない。奇襲が成功すれば、戦況はがぜん有利になる。それはそれとして、真珠湾攻撃について伝えられる史実を疑う人々がいる。米国当局はこの攻撃について事前に知っていたのに回避行動をとらなかった、というのだ。また、米国海軍が行ったフィラデルフィア実験を成功させるには、隠密性が至上命令だっただろう。この実験の目的は、戦艦などの大型兵器を敵のレーダーに探知されないようにすること。しかも近距離でもこれを成功させようとしていた。ほかにも、帰還兵について隠された真実がある。帰還兵の中には勲章や称号を授かり、活躍をたたえられ、恩給を受け取る者もいる。しかし、彼らの肉体や精神の健康状態はどうなのか? 政府の支援は十分か? あるいは陰謀説マニアが疑うとおり、政府はみずからの大罪をもみ消そうとしているのか?

真珠湾攻撃

1941年12月、大日本帝国軍はハワイの真珠湾に停泊していた米国の艦隊に奇襲攻撃をかけた。この攻撃で2400人の米国人が死亡した。米国は日本に宣戦布告し、第二次世界大戦に参戦する。しかし、米国政府はこの”奇襲”攻撃のことを本当に知らなかったのだろうか。1941年の開戦から1945年の終戦までの間、米国は真珠湾攻撃についてたびたび調査し、終戦時には議会聴聞会まで行った。その結果、アメリカ合衆国は奇襲を知り得なかった、という結論を出している。その理由として、陸軍と海軍との間の意思疎通が不十分で、日本軍の戦力をかなり低く見ていた状況を挙げた。
しかし、真珠湾攻撃について何年も調査した人々が出した結論はこうだ。米国政府はこの作戦を事前に知っていたが、あえて何もアクションを起こさなかった。当時の大統領ルーズベルトは、第二次世界大戦への参戦の口実を求めていたからだ。日本とドイツは同盟関係にあったので、両国は当然、戦況について極秘情報を共有していた。そのなかで米国は、いわゆるコードネーム”パーブル”(訳注:高い技術の暗号で、日本が当時使用していた外交暗号に対し、米国側がつけたコードネーム)のメッセージを傍受し、1941年6月に「ドイツがソ連へ侵攻することを知った。こうした背景から、ルーズベルト大統領は近いうちに真珠湾攻撃がある、と知っていたはずだ、と陰謀好きは推理する。米国は日本の情報を解読できていたはずだというのだ。

フィラデルフィア実験

1943年10月、米国ペンシルベニア州フィラデルフィア沖にある海軍造船所で、ある軍事実験が行われたといわれている。その実験では、米国の駆逐艦エルドリッジを敵のレーダーから消そうとしていたらしい。海軍はこの情報を否定しているが、この話が初めて1955年に告発されて以来、陰謀説の1つとして頻繁に取り上げられている。そのシナリオでは
アインシュタインの統一場理論を応用すれば、戦艦を(訳注:レーダーに探知されないどころか)物理的に消せる、と言い切る。目撃者の証言には、戦艦が”見えなくなった”という話から、”緑色の霧”に包まれたという説までいろいろある。また、乗船していた海兵隊員のなかには、気分が悪くなった、あるいは精神に異常をきたした者もいたという。
陰謀ファンは、実験場にいた海兵隊員はある種の催眠術をかけられ、この実験について沈黙させられた、と考える。また別の説では、海軍はこの実験を繰り返し、戦艦エルドリッチをバージニア州ノーフォークへテレポート(瞬間移動)させることに成功したという。その後、ふたたびテレポートでフィラデルフィアに戻る前にエルドリッチがノーフォークで停泊しているのを、別の海軍艦艇が目撃した、という情報もある。この実験のメカニズムの説明は科学的でもなんでもない。それでも人々はフィラデルフィア実験に魅せられ、その筋書きは多くのSF物語のモチーフとなっている。