じじぃの「ワクチン接種と自閉症の相関・魔女狩りだ!事実はなぜ人を変えられないのか」

Trump urges Americans to get measles vaccine

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=01YtDo-knXU

魔女狩りだ!

『事実はなぜ人の意見を変えられないのか』

ターリ・シャーロット/著、上原直子/訳 白揚社 2019年発行

はじめに より

2015年9月16日の夜8時ごろ、私は居間のソファにすわって、CNNで共和党の第2回候補者討論会を見ていた。2016年大統領選はアメリカ史上きわめて興味深く、予期せぬ展開や驚きに満ちていた。結果として、人間の本質を知るうえでも魅力的な研究対象となった。
カリフォルニア州シリコンバレーにある、ロナルド・レーガン記念図書館。そのステージ中央に立っているのは2人の最有力候補者である、少児神経外科医のベン・カーソンと、不動産王ドナルド・トランプだ。移民問題と税金に関する討論の合間に、自閉症についての議論が持ち上がった。
「カーソンさん」と司会者が問いかける。

ドナルド・トランプ氏は、子供のワクチン接種と自閉症に関連性があると、公の場で何度も主張しています。これに対して医学関係者は強く異を唱えていますが、少児神経外科医であるあなたも、トランプ氏はこの発言を慎むべきだと思いますか?」

「このように言わせてください」カーソンは答えた。「これまでに非常に多くの研究が行われてきました。しかしワクチンと自閉症の相関を示す結果は報告されておりません」
「では、トランプ氏は自閉症の原因がワクチンだという発言を控えるべき?」司会者が繰り返す。
「いま申し上げたとおりです。その気があるのなら、そうした研究論文をお読みになるといい。彼は頭の良い方ですから、真実を知れば正しい判断を下せるでしょう」
私はカーソンの考えすべてに賛同するわけではなかったが、この件に関しては同意していた。神経科学者という職業柄だけでなく、当時2歳半と生後7週間の2人の子をもつ親ととして、たまたまそのような文献に触れる機会が多かったからだ。だからこそ、トランプの次の言葉に対する自分自身のリアクションには驚愕した。
「私に言わせてもらえるなら、自閉症はいまや流行病ですよ……すでに制御できなくなってきている……小さな可愛らしい赤ん坊を連れてきて、注射をする――子供用なんかじゃなくて、その注射器は馬に使うようなばかでかいものに見える。実例ならたくさんありますよ。私どもの従業員の話ですが、つい先日2歳の子が、2歳半の可愛らしい子供が、ワクチンを受けに行った1週間後に高熱を出しました。その後ひどく悪い病気になり、いまでは自閉症です」
私が即座に示した反応は本能的なものだった。看護婦が馬用の巨大な注射器を私の赤ちゃんに突き刺すイメージが頭に浮かんで離れない。予防接種に使われる注射器が普通サイズのものだということくらい、百も承知のはずなのに――私はパニックに陥った。
「どうしよう? うちの子が自閉症になったら」。そんな考えが頭をかすめること自体ショックだったが、それでもなお、親であれば誰もがよく知る不安という感情が、たちどころに心を支配した。
カーソンが切り返した。「しかしですね。ワクチンが原因となった自閉症などないことは、実際に十二分に立証されているんですよ」

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どうでもいい、じじぃの日記。
「いま申し上げたとおりです。その気があるのなら、そうした研究論文をお読みになるといい。彼は頭の良い方ですから、真実を知れば正しい判断を下せるでしょう」
トランプさんは頭の良い方なのだそうだ。

魔女狩りだ!

という、トランプさんの顔が浮かんでくる。