じじぃの「永久凍土が融ける日・シベリアの凍土から炭疽菌が発生!失敗の世界史」

Climate Change Animation Shows Devastating Effects

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=S7jpMG5DS4Q

シベリアの永久凍土が熱波で融けはじめている

シベリア永久凍土の融解で危険な病原体が放出される可能性

2018年03月13日 Sputnik 日本
北極圏とシベリアの永久凍土が溶け、炭疽菌に感染した家畜が露出する可能性は非常に高いと、世界自然保護基金WWF)ロシア支部寄稿プログラムのアレクセイ・コロリン部長がスプートニクに伝えた。
https://jp.sputniknews.com/science/201803134661093/

『とてつもない失敗の世界史』

トム・フィリップス/著、禰冝田亜希/訳 河出書房新社 2019年発行

人類が失敗を予測できなかった歴史 より

2016年8月に12歳の男の子が死に、この子のほかに少なくともトナカイを放牧している遊牧民20人が病院で手当てを受けた。シベリアのヤマル半島で炭疽菌が発生したのだ。炭疽菌がこの地で見られたのは75年ぶりだった。発生は夏の熱波の時期に起こった。普通より25度高い気温だった。シベリアをおおう分厚い永久凍土が熱波で融け、何十年も前に形成された氷の層をむき出しにした。そこには1941年に発生した炭疽菌で死んだトナカイの凍った死体があった。
氷は病原体をそのままの状態で保つことができる。何十年も何百年も、もしかしたらもっと長く、生きているが活動していない状態で保つのだ。ロシアの冬がヒトラーの軍隊を敗ったころから病気はずっと零度以下の気温で休眠状態にあり、氷の檻(おり)が融けるときをひたすら待っていた。2016年についにその時が来て(それは記録をし始めて以来の、地球上で最も暑い年だった)、温暖化の世界がバクテリアをもう一度、解き放った。まずは2000頭のトナカイが感染し、それが人間にも押し寄せた。
災難がそんなに複雑怪奇だと予想できた者は誰もいなかったと言いたくもなる。だが、実際はこれより5年先立って、2人の科学者はまさにこのことが起こると予測していた。つまり、気候変動がさらに悪化したときに永久凍土が次第に後退すれば、長いこと存在しなかった歴史上の病気が将来的に世界に戻ってくると。
これは気温が上昇した場合に限って、歴史を後戻りさせるという興味深い結果をともなって起こり続ける。実験室で仕事に精を出したトマス・ミジリーに戻り、公園で鳥かごを開けるユージーン・シーフェリンに戻り、帝国を夢見るウィリアム・パターソンに戻り、産業革命の結果としての気候の変化が私たちを過去に後戻りさせるのだ。今世紀の間に、どれだけ多くの人が気候変動のせいで殺されるのかわからないし、それがどんなふうに社会を変えるのかもわからない。

だが、人類はゾンビの状態だった炭疽菌を墓場から呼び戻すことになった。

つまり、少なくとも犠牲者のひとりは、私たちの決断が招いた意図せぬ帰結のせいで亡くなった。あの男の子はおそらく、私たちの決断のせいで亡くなる最後の犠牲者とはならないだろう。

                    • -

じじぃの日記。
2020年11月3日に行われる予定のアメリカ大統領選まで、1年を切りました。
直近の予想では、民主党候補の方がトランプさんより支持率が少し高いとか。
トランプさんがまさか再選とはならないですよね。