大腸癌の分化度
大腸癌の組織分類について
組織の分類を考える上で、「分化度」という概念があります。
これは、その癌が発生した背景となる顔(組織)にどれだけ似通っているか、ということです。高分化癌から低分化癌になるにつれ、本来の大腸粘膜からほど遠い人相というわけです。
http://www.iiharaiin.com/add_cpi_cancer3.html
『おしゃべりながんの図鑑』
小倉加奈子/著 CCCメディアハウス 2019年発行
「分化」の定義 より
どうして、同じがんになっても治る人と治らない人がいるのでしょうか。「末期がんをこんなふうに克服しました!」というような話もよくありますが、専門家の私たちからすると、「分化度がよかったのかな?」「そもそも、そのがんの診断自体合っていたのかな?」など様々な疑念、邪念が頭によぎります。それは極端な例ですが、同じ臓器に発生したがんにおいて治りやすいか否かは、何で決まるのでしょうか。
これには、いくつかの要因があります。
いちばん大きな要因は、どのくらい早くがんを発見できたのか、ということです。
早期発見ががんの治療に最も大切なことは、様々なところで見聞きされているかと思います。悪性腫瘍は放っておくとどんどん大きくなり、血管やリンパ管を介して、ほかの臓器に転移をきたす可能性があります。できるうる限り早期の段階で見つけて治療するのが、いちばんです。そして、ほかの主要な要因の1つとして、分化が挙げられます。
分化度が低くなると悪性度が高くなる より
例えば、大腸癌は特に高分化な癌が多いのですが、高分化な癌とは、もともとの大腸の粘膜の構造に類似した特徴を有しているものをいいます。元の細胞の特徴からどんどん逸脱していくと、中分化、低分化、未分化……となり、分化度が落ちる、分化度が低くなる、と表現します。分化度が低い癌は、先祖返りをするような状態に近いですから、無秩序に増殖しやすく、悪性度が一般的に高くなります。
同じ臓器に発生したがんでも、治る人治らない人がいるのは、実は、この分化度が深く関係していることもあるのです。
プチ講義の冒頭で、異型の話をしました。異型と分化度も、密接に関係しています。分化が低くなればなるほど、もともとの細胞の形態も細胞が集団で形作る構造も失われていくので、核異型も構造異型も強くなるといえます。
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どうでもいい、じじぃの日記。
治るがんと治らないがん。
同じがんでも治る人と治らない人がいるのはなぜか。
いちばん大切なのは、「早期発見」だ。
「ほかの主要な要因の1つとして、分化が挙げられます」
分化・・・何も特徴を持っていなかった細胞(未分化)が、形態や機能などの特徴を持っていくこと
例えば、大腸の細胞は、粘液を分泌したり水分を吸収したりする機能を持ち、細長い特有の形態を持つ。
このように「高度に分化した」細胞は、分化度が高くがんになりにくいらしい。
「老人力」とかいうが、わたしゃ、も少しちゃんと分化した細胞がほしいです。