じじぃの「科学・芸術_875_しんかい6500・マンガン団塊」

沖ノ鳥島に中国調査船 「排他的経済水域 認めず」(19/01/02)

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=gG-FdivaiOg

南鳥島 マンガンノジュールの畑

裁定で「島」が「岩」に降格 どうなる沖ノ鳥島

2016/07/20 News Socra
オランダ・ハーグの仲裁裁判所は7月12日、フィリピンが2013年1月に提訴していた南シナ海問題について、フィリピンの主張15件の大部分を認める裁定を発表した。
だが、太平島が「岩」だとなれば、日本が必死で浸食による水没を防ぎ、さらに港などまで建設して、すでに1000億円を注ぎ込んだ沖ノ鳥島はどうなるか、との問題が生じる。太平島の面積は51万平方メートルであるのに対し、沖ノ鳥島は「北小島」が7.9平方メートル(畳4.8枚分)で約6万5000分の1、満潮時には16センチが水面上に出るだけだ。「東小島」は1.6平方メートル(同1枚分)で僅か6センチしか水面上には出ない。地球温暖化による海面上昇で水没しそうだ。
https://socra.net/politics/%E8%A3%81%E5%AE%9A%E3%81%A7%E3%80%8C%E5%B3%B6%E3%80%8D%E3%81%8C%E3%80%8C%E5%B2%A9%E3%80%8D%E3%81%AB%E9%99%8D%E6%A0%BC%E3%80%80%E3%81%A9%E3%81%86%E3%81%AA%E3%82%8B%E6%B2%96%E3%83%8E%E9%B3%A5%E5%B3%B6/

『深海――極限の世界 生命と地球の謎に迫る』

藤倉克則、木村純一/著、海洋研究開発機構/協力 ブルーバックス 2019年発行

人類と深海 鉱物・エネルギー資源 より

ここからは深海底の鉱物資源について見ていきましょう。海底鉱物資源は、海底熱水鉱床マンガンクラスト、マンガンノジュール、レアアース泥に大別されます。これらのうち、日本周辺の海底熱水鉱床沖縄トラフおよび伊豆・小笠原海域のみに分布しています。ここでは、この偏在性の理由とともに海底熱水鉱床の特徴についてひもといていきます。
なお、鉱床とは、資源として利用できる元素や石油・天然ガスなどが濃縮している場所で、採掘して採算が取れるものをさします。したがって、現時点で商業開発にいたっていない海底熱水鉱床を鉱床とよぶには問題があるのですが、ほかに適切な訳語が存在しないため、ここでは海底熱水鉱床という用語を使用して話を進めます。

マンガンノジュール

ノジュールとは、地学辞典を引くと「堆積物中に形成された小さくて硬い、球状・板状または不規則状の塊」とあります。したがって、マンガンノジュールはノジュールを日本語に直してマンガン団塊ともよばれます。成分としては鉄とマンガンの2成分が卓越するため、学術的には鉄マンガンノジュール(ferromanganese nodule)と表記するのが正確です。マンガンノジュールはマンガンクラストといくつか類似した特徴を有します。マンガンノジュールは、1872~1876年に科学調査のために行われたイギリスのチャレンジャー号の航海において、ドレッジと呼ばれる試料採集箱を海底に曳航する手法で初めて採取されました。マンガンノジュールもマンガンクラストと同様に穏やかな静的環境で生成しますが、主に深海平原に分布し(図.画像参照)、しばしば海山斜面の平坦部などでも観察されます。
マンガンノジュールも100万年に数mmという非常に遅い速度で成長するため、古い海洋プレートである北太平洋深海平原にもっとも密に分布します。マンガンノジュールの大きさは直径数㎝~最大20㎝程度、乾燥密度は 1.6~1.8/㎝3乗、空隙率は10~30%、含水率は5~15%で、通常の岩石よりもスカスカで軽い化学堆積岩です。
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それではマンガンノジュールは世界の深海底にどれくらい分布しているのでしょうか。Clarion-Clipperton Zone(CCZ)というマンガンノジュールがもっとも密に分布している北太平洋の一部海域に絞っても、59.9トンのマンガン、2.26億トンの銅、2.74億トンのニッケル、1200万トンのモリブデン、4400万トンのコバルト、8万トンのテルル、420万トンのタリウムなどが存在するとされています。これらの金属元素のうち、マンガン、ネッケル、コバルト、テルルタリウムなどは陸上の全埋蔵量を凌駕する量です。したがって、膨大な量のマンガンノジュールと金属資源が深海平原に分布していることは間違いありません。ただし、マンガンノジュールの弱点もマンガンクラストと同様に、薄くて広い分布です。さらに、採掘時に堆積物が混入すると鉱石価値が低下します。今後、レアアース泥とセットにした採掘プランを考えれば、より採算性が向上するかもしれません。また、近年船上からの音波機器を使って効率的に海底面上に分布するマンガンノジュールを探査する手法が開発されています。