じじぃの「未解決ファイル_194_熱水鉱床」

最新鋭海洋調査船「白嶺」、メディア初公開 2012/3/22 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=ihUFcsWIwCQ
望星丸・船内で見学で・・・マンガンは1cmで100万年 動画 YouTube
http://www.youtube.com/watch?v=k3LyzrswF0I
海洋調査船 「白嶺」 画像
http://uragasuido.opal.ne.jp/img/2/DWCF5352.jpg
熱水鉱床 Google 検索
https://www.google.co.jp/search?q=%E7%86%B1%E6%B0%B4%E9%89%B1%E5%BA%8A&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ei=6lUQUpPtLYG-kAWntYCoCQ&ved=0CDoQsAQ&biw=1029&bih=626
NHKスペシャル 「ジパングの海〜深海に眠る巨大資源〜」 (追加) 2013年9月28日
日本近海の海底には、世界最高品位の金や銀、ハイテク産業に必須のレアアースなど、200兆円近くの鉱物資源が埋蔵されている可能性があると言われている。
海洋資源の掘削技術の急速な進歩によって、その“宝の海”の活用が、今現実味を帯び始めている。日本列島は、世界で最も過酷な自然災害が頻発する島だ。プレートが沈み込む特異な場所に存在するが故に、地震津波・火山・深層崩壊など数々の巨大災害に見舞われてきた。しかし、その特徴的な地形は、日本に不幸をもたらすだけではない。“大地の変動”こそが日本列島を作り上げ、しかも海底に世界有数の鉱物資源を作り続けていることが、最新の科学的調査によって明らかになってきた。
番組では、今年行われている日本の海底資源調査に密着。プレートの沈み込みが、どのようにして豊富な資源に富む日本列島の大地と海を作り出したのかを紐解いてゆく。同時に、世界各国の政府や企業が海底資源の開発競争を始める中、日・中の“領海”を巡る知られざる攻防に迫る。日本列島に住む恩恵とは一体何か。その地質的背景と歴史をたどることで、揺れる大地に暮らす意義を見つめ直す。
http://www.nhk.or.jp/special/detail/2013/0928/
資源めぐり「海のフロンティア」攻防激化 急がれる戦略的な海洋政策 2013/7/31 産経新聞
日本近海で今年1月、白嶺がその真価を発揮した海洋資源の大発見があった。経済産業省資源エネルギー庁の委託で、JOGMECが沖縄海域の水深約1600メートルを調査し、海底下40メートルまで掘り進めた結果、未知の海底熱水鉱床を発見したのだ。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/environment/673466/
海底熱水鉱床 ウィキペディアWikipedia)より
海底熱水鉱床は海底にある熱水鉱床である。海底熱水鉱床は、海底のうち海嶺などマグマ活動のある場所に海水が染み込み、熱せられた海水によってマグマや地殻に含まれていた有用な元素が抽出され、この熱水が海底に噴出して冷却される事によって沈殿して生成する鉱床である。
好熱菌など特異な環境で生息する生物も存在する。また、それらを生産者とする特異な生物群集があることも知られている。
背弧海盆 ウィキペディアWikipedia)より
背弧海盆(はいこかいぼん、back-arc basin、略称BAB、別名retro-arc basin)とは、地質学的事象であり、その成り立ちにおいて島弧や沈み込み帯と関連がある海面下の盆地である。西太平洋で比較的新しい時代に集積された複数のプレートの境界領域でこれらを見ることができる。その多くは海溝にプレートを巻き込む力に対する巻き返しの反発力で生じたものである。背弧海盆の成立はプレートテクトニクス理論で割り出されたわけではないが、地球の熱消失に関する主流モデルとは矛盾しない。

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『日本の深海 資源と生物のフロンティア』 瀧澤美奈子/著 ブルーバックス 2013年発行
深海に眠る資源 (一部抜粋しています)
熱水噴出孔はどのような場所にできるか。海底付近まで暑いマグマが上がってきているような場所であり、地球上のすべての熱水噴出孔は、おもに3種類に分けることができる。海洋プレートが生まれる場所(中央海嶺)、それからホットスポット、そしてそれが死にゆく(地球深部に沈み込む)場所である。
第1の中央海嶺では、厚さ70〜100キロメートルの海洋プレートが生成される。海洋プレートの生成でマグマが海底のすぐ近くまで上がってくるため、熱水が湧き上がる。第2のホットスポットも同様に熱源であるため、そばで地下水が熱せられて熱水噴出孔ができる。
第3の沈み込み帯では、前に述べたように島弧やその上に火山フロントができ、さらにその後ろ側に背弧海盆という窪地ができる。その窪地に、マグマの上昇により海底に染み込んだ海水が熱せられて吹き出し、熱水噴出孔ができる。このような場所を背弧拡大系という。
地球上で圧倒的に数が多いのは、中央海嶺の熱水噴出孔である。中央海嶺の総延長距離は8万キロメートルもある。地球1周が4万キロメートルなので、地球2周分ということになる。それに対して、背弧拡大系が存在する場所は限られている。日本列島周辺には中央海嶺ホットスポットは存在しないが、沈み込み帯にあるため、背弧拡大系の熱水噴出孔が多く見られる。
背弧拡大系にある熱水噴出孔の数は、地球全体から見ればわずかである。しかし、中央海嶺ホットスポットの熱水噴出孔にはない重要な特徴がある。じつは興味深いことに、産業上有用な金属元素であるレアメタルや金、銀、銅、亜鉛、鉛などの非鉄金属成分が濃集しているのである。いってみれば”元素のごった煮”状態である。
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不思議なことに、世界中の海広しといえども、マンガンクラスト、コバルトリッチクラストマンガン団塊はどこにでもあるわけではない。西太平洋に集中しているのである。なぜだろうか。
答えが明確にわかっているわけではないが、1つの考えとしては、西太平洋に背弧拡大系の熱水噴出孔が多く存在し、そこからマンガンやニッケル、コバルト、白金、レアアースなどが噴出するからという考え方がある。
熱水鉱床ができる仕組みを説明した項で、背弧拡大系では熱水に溶け込みやすい元素(レアメタルや金、銀、銅、亜鉛、鉛など)が、料理のだしのように熱水に溶け込んでいると述べた。
これらの元素を含んだ熱い水脈が、地下から海底に達したときに一気に冷やされて、さすがに水に溶けていられなくなる。それで付近にどっと落ちたのが熱水噴出孔や熱水鉱床だが、すぐ近くの海底に落ちないで、海水中をゆらゆら、ゆらゆらと、と遠くまで漂っていくのがコバルトやマンガンなどなのだろう。特に何らかの理由によって、少しずつ積み重なって、球形に固まったのがマンガン団塊、岩盤の表面全体を覆ったのがマンガンクラスト、あるいはコバルトリッチクラストなのだろうということが、大雑把な推論である。
しかたがって、熱水噴出孔の近くで見られる元素と、マンガン団塊マンガンクラスト、コバルトリッチクラストに含まれる元素は相補的であり、両者を足すと、もともとマグマに含まれていた元素の成分になる。
海中をゆらゆらと漂った元素が、どういう理由で積み重さなってクラストになるのかは、謎である。驚くのは、クラストや団塊の形成に要する時間だ。
なんと、クラストは、100万年かけてやっと数ミリメートルしか成長しないのだという。どうやって測ったものなのか、それも気になるところだが、この世の中で、これほどゆっくりと成長するものがほかにあるだろうか。
仮に、現在20センチメートルの厚さがあるとすれば、それだけで数千万〜1億年という歳月の積み重ねである。ちなみに、形成速度が遅いことで有名な鍾乳洞のつらら(鍾乳石)ですら、1年間に数ミリメートルは成長する。鍾乳石は、マンガンクラストの成長速度に比べたら、100万倍の超スピードといっていい。

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どうでもいい、じじぃの日記。
瀧澤美奈子著『日本の深海 資源と生物のフロンティア』という本を見ていたら、「熱水鉱床」が出てきた。
「仮に、現在20センチメートルの厚さがあるとすれば、それだけで数千万〜1億年という歳月の積み重ねである。ちなみに、形成速度が遅いことで有名な鍾乳洞のつらら(鍾乳石)ですら、1年間に数ミリメートルは成長する」
2011年3月11日に起きた東日本大震災の後、東京電力福島第一原発事故が起こり、飛び出した放射性セシウムが海に流れた。それが海流に乗って、ところどころ溜まった場所は「ホットスポット」と呼ばれる。
熱水噴出孔から出た鉱物も海流の流れで、溜まりやすい場所があるのだろうか。
最近、日本の最東端の南鳥島近くの海底に、レアアース(希土類)を大量に含む泥の大鉱床がある、とかニュースでやっていた。
しかし、海底の表面に薄くレアアースなど鉱物資源があったとして、それを採取するというのは、考えただけでも大変そうだ。
放射性セシウムの場合は放射能が出ているから、ここ掘れ、ワンワンとなるのだろうが。