じじぃの「ウェルナー症候群・早期老化遺伝子とは?!ヒトはなぜ病むのか」

Old Man

『ヒトはなぜ病み、老いるのか―寿命の生物学』

若原正己/著 新日本出版社 2017年発行

老化と遺伝子 より

ヒトの細胞には30億塩基対という膨大なDNAがあるが、細胞分裂のたびにこの30億塩基対すべてを複製する。10時間くらいで30億を複製するので、単純計算によれば1時間あたり3億個、つまり1分間に500万個、1秒間に10万個の塩基を複製するから、どうしても間違いは起こる。平均すると10の7乗塩基対(1000万塩基対)を複製するとどうしても1個はミスするという。
しかし、細胞にはそれを修復する機能もあり、間違いがあればそれを直してできるだけ正しいDNAを引き継ぐしくみがある。その修復をしても10億個に1個は間違ってしまう。どうしても突然変異は避けられない。
DNAはいろいろな原因で変異・変化するが、それらの変異が積み重なって動物は老化し、寿命を迎えるという仮説が突然変異蓄積説だ。2万3000個というさまざまな遺伝子が突然変異を起こすことで老化が進行し、寿命が尽きるという考え方だ。その遺伝子に特別な種類はなくどんな遺伝子でも確率的に変異が起きて、それが蓄積すると老化する、寿命を迎えるという説だ。
それに立ちして寿命に関連した遺伝子があるという考えもある。その遺伝子が変化すると老化し寿命を迎えるという早期老化遺伝子説だ。つまり、寿命そのものが特定の遺伝子に書き込まれているという考えだ。きちんとしたはたらきをもっている遺伝子が突然変異を起こすと老化が加速し、寿命が早まるという遺伝子が見つかっている。いわば遺伝子に時計のはたらきがあって、時を刻んでいるというものだ。
有名なものにウェルナー症候群がある。19世紀の初頭にドイツ人医師のウェルナーが報告したものだが、不思議なことに日本に比較的多い。現在世界中に1300例の症例が報告されているが、そのうち800例以上が日本人だという。この遺伝子病は、12歳くらいから成長が遅くなり、20歳になると白髪になり、声のしわがれなどが目立ち、30歳で白内障2型糖尿病動脈硬化、そしてガンを多発して、若くして死んでいく症状を示し、平均寿命は46歳だ。

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どうでもいい、じじぃの日記。
暇なもので、病気に関する本をよく見ている。
老化に関しては、テロメア短縮説、すり切れ説(いわば酸化ストレス説)、突然変異蓄積仮説、早期老化遺伝子説、サーチェイン遺伝子仮説などたくさんの仮説があるが、まだすべての人を納得させる理論はないようだ。
先日、NHKおはよう日本」を観ていたら、「食卓を大きく変える!? ゲノム編集食品の最前線」をやっていた。
九州大学唐津水産研究センター・大賀浩史助教、「共食いしないサバを目指して研究をおこなっている」
これまでサバは共食いしてしまうため、養殖に向かないとされていた。
共食い遺伝子というのがあるのだろうか。
老化の原因に、早期老化遺伝子説がある。
「この遺伝子病は、12歳くらいから成長が遅くなり、20歳になると白髪になり、声のしわがれなどが目立ち、30歳で白内障2型糖尿病動脈硬化、そしてガンを多発して、若くして死んでいく症状を示し、平均寿命は46歳だ」
この病気の発生年齢に30を足してみると、
「あんたは、50歳になると白髪になり、声のしわがれなどが目立ち、60歳で白内障2型糖尿病動脈硬化、そしてガンを多発して死んでいく症状を示し、寿命は76歳だ」
まあ、そんなところか。