Why Cats Can't Taste Sweets - Bytesize Science
ネコは甘味を感じない動物?
『理系の素朴な大疑問』
博学こだわり倶楽部/編 KAWADE夢文庫 2019年発行
哺乳類で唯一甘味を感じない動物とは? より
人間は塩味、酸味、苦味、甘味、旨味の5つの味を味わうことができる。味蕾(みらい)という味を感じる細胞がつまった味を感じる細胞がつまった味センサーの器官のおかげである。この味センサーはヒトだけではなく、脊椎動物の多くに備わっている。
ただし、人間以外の動物に5つの味が感じられるかというと、そうではない。どの動物も5つのすべてをもっているわけではないのだ。
近年この味センサーについて、ネコ科動物には甘味を感じる味センサーがないという事実が明らかになっている。
アメリカ・フィラデルフィアのモネル感覚研究センターが、ネコに5つの味を与えて神経の反応を調べたところ、甘い味のものにだけ無反応だったという。
人間はもちろん、そのほかの雑食・草食の哺乳類は、一般に甘い味を好む傾向にある。だが、同じ哺乳類でも、ネコは”甘党”ではないらしい。
なぜ、ネコは甘味に反応しないのか。
この疑問を解くために同研究センターはDNA調査を行なっている。
甘味を感じるセンサーは、「T1R2」と「T1R3」という2種類のタンパク質からできている。人間やイヌ、ネズミでは、これらのタンパク質をつくる遺伝子が見つかったが、ネコには「T1R2」をつくる遺伝子の多くが変異していることが判明した。
いっぽう、もうひとつのタンパク質である「T1R3」に関しては、とくに変化はなかった。この傾向は、ネコだけでなく、ほかのネコ科動物にも見られたという。
ネコだけが「T1R2」をつくる遺伝子を変異させたのは、肉食であるネコにとって、甘味を感じるセンサーは必要がなかったからではないかと推測できるという。
不必要な機能は退化するのが自然の摂理。そのため、肉食のネコは、甘味のセンサーを自らなくしたというわけだ。
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どうでもいい、じじぃの日記。
7月3日、NHK Eテレ 「超AI入門特別編 世界の知性が語る パラダイム転換 ~第二夜 ロボットが正義を決める時~」を観た。
倫理学者ウェンデル・ウォラックさんは言う。
「ロボットが人間のような意識をもつことがあるのだろうか。意識は視覚や聴覚、味覚、嗅覚、触覚の感覚器官から情報を得ている。そういう意味では視覚という感覚器官を得たロボットは部分的に意識を得ていると言える」
おいしいものを食べたとき、人間は幸せを感じる。
味覚が未発達なネコちゃんは、人間の意識とはかなり違った世界で生きているのである?