じじぃの「DNAの損傷・メチル化・修復酵素とは?分子生物学」

 DNAの損傷 (research.kobe-u.ac.jp HPより)

がんとDNAメチル化sphere.sysmex.co.j HPより)

DNAメチル化による哺乳類生殖 ・発生の エビジェネティ ックス制御
哺乳類ではゲノムDNAのシトシンがメチル化されることが知られており、メチル化によって多くの場合、遺伝子がサイレントとなる。
哺乳類の発生では、細胞の分化に伴い多くのゲノム領域でメチル化・脱メチル化の両方が起こり、細胞の種類ごとに非常に複雑なDNAメチル化パターンが形成されることで遺伝子発現が固有のものとなることが明らかになってきた。
生殖の過程は、生殖細胞、受精卵や初期胚、そして胎児の発達を支える子宮、胎盤、性腺などさまざまな細胞の増殖と分化の上に成立している。
DNAメチル化によるエビジェネティックスは、生殖、発生、分化の基礎として重要で、その異常は様々な病気の原因ともなり得る。
http://www.vm.a.u-tokyo.ac.jp/seika/htmlJ/japanesePDF/2002Ogata_Hattori_Shiota.pdf
『図解入門 よくわかる分子生物学の基本としくみ』 井出利憲/著 秀和システム 2015年発行
DNAの損傷と修復 より
天然物や合成品を含めて、化学物質の中には、DNAの塩基に結合するものや、塩基同士を結合させるもに、DNA鎖を切断するものなどが数多く存在します。紫外線や宇宙線などの放射線は、塩基の修飾や鎖の切断を起こします。また、多くの生物は酸素を使ってエネルギーを産出しますが、同時に活性酸素を生み出し、それがDNAを傷つけます。哺乳類や鳥類では体温程度の熱によってさえ、分子運動によってDNAから塩基が失われたり鎖が切断されたりします。まずは、どんな損傷があるかを概略として図(画像参照)にまとめておきます。
生命の誕生以来、DNAはこうした様々な危険に日常的に遭遇してきました。DNAの塩基が外れたり、塩基に余計なものが結合したり、別の塩基に結合したり、あるいはDNAの鎖が切断すると、様々な不都合が生じます。DNA複製の際に、複製が損傷のところで停止して先へ進まなかったり、本来とは別の塩基を取り込んだ新生鎖を合成したりします。鋳型鎖に切断があれば、伸びて行った新生鎖はそこから先に進めず、結局、二本鎖切断が起きます。DNA鎖の切断は細胞死を招きますし、塩基配列の変化は突然変異を誘発します。重要なことは、これらのことは滅多に起きないことなのではなく、日常的に起きていることです。これらに対処しない限り、生物はたちまち絶滅します。
そこで、すべての生物は、DNAの損傷を発見して修復する様々な機構を具えることで、DNAが働きを失わないよう対処してきたのです。損傷の種類に応じて、実にたくさんの修復酵素が用意されていて、それらが適正に働くことによって遺伝子の異常が修復され、異常の蓄積が低く抑えられています。ヒトでは、癌の多発や老化促進(早老症)など、短命となる結果を生じる遺伝子疾患がたくさん知られていますが、これらは修復酵素が十分に働けないような変異のためだと考えられています。普段、修復酵素が黙々と働き続けて、DNA損傷を修復しているからこそ、我々は一見何事もないように暮らしていける。こうした病気の存在は、そのことを示しているわけです。

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どうでもいい、じじぃの日記。
暇なもので、病気に関する本をよく見ている。
遺伝子を複製する際に、コピーミスが発生するが普段は修復酵素が修復してくれる。
作られたタンパク質にメチル基(CH3)がくっつくことがあり、これをメチル化という。
ややこしいのは、正常に起きるメチル化と異常なメチル化があるのだそうだ。
例えば、ヒストンタンパク質がメチル化されると固まった状態になる。
修復酵素は、正常に起きたメチル化なのか、異常に起きたメチル化なのか、を見分けるのだという。
とか、本に書いていました。