じじぃの「科学・芸術_850_米国の企業・フェイスブック(SNS)」

Facebook: Russia possibly behind fake profiles

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=Wvc1t8hqcrQ

FB仮想通貨創設 金融秩序に動揺、各国が警戒感

2019.6.22 産経ニュース
米交流サイト大手フェイスブック(FB)が独自の暗号資産(仮想通貨)構想を発表し、波紋が広がっている。
世界27億人の利用者を抱える同社だけに、独自通貨のサービスが浸透すれば既存の金融秩序を揺るがす可能性がある。米議会では、プラバイシー保護をめぐる批判を浴びた同社に構想中止を求める声が浮上。仮想通貨のルール整備が追いつかない中、各国当局も慎重姿勢をとり、実現のハードルは低くない。
フェイスブックが18日公表した「リブラ」という名前の仮想通貨は、送金や買い物の決済をスマートフォンのアプリで手軽にできるようにする。来年前半の利用開始が目標だ。
https://www.sankei.com/economy/news/190622/ecn1906220016-n1.html

『世界の覇権企業 最新地図』

現代ビジネス研究班/編 KAWADE夢文庫 2019年発行

フェイスブックFacebook) もはや巨大メディアに成長した、その圧倒的な影響力とは より

アメリカ・カリフォルニア州に本拠を置くフェイスブックは、世界最大のSNSソーシャル・ネットワーキング・サービス)企業である。フェイスブックは、創業経営者マーク・ザッカーバーグの意志をはるかに超えて、一国の政権を転覆させもする覇権企業となっている。
SNSは、もともとは交流サイトであり、自らの情報を発信させながら、他人と電子空間でつながり、やがては友だちになっていくというものだ。
フェイスブックもそうで、そのルーツは、2004年にハーバード大学学生寮で立ち上げられた「ザ・フェイスブック・ドット・コム」にはじまる。学生の語らう電子空間にすぎなかったものが、急拡大、若者をはじめ多くの者を巻き込むネット企業へと進化した。
多くの者が、みずにはいられない空間となったフェイスブックには、多くの広告が集まる。広告収入が、フェイスブックを押し上げる力にもなったのだ。
フェイスブックの急成長の一因は、若者が感情を共有しやすい場であったことだろう。人間は誰しも、自己開示し、他者に認められたい。さらには賞賛されたい。さらには、他人の秘密を共有さえしたい。若者ほどそうした感情は強く、フェイスブックはそうした感情にかなう格好の場であった。アメリカの若者にはフェイスブックなしではいられない「中毒症状」を起こす者も多々いて、彼らの熱がやがて一般人も引き込んでいった。
フェイスブックのライバルにはツイッターがあり、ツイッターの月間利用者は世界で3億人を超える。だが、ツイッターの利用はアメリカ以外が過半数であり、伸び悩んでいる。フェイスブックは、ツイッターよりも人の感情を強くつかみ、ツイッターを引き離したのだ。
フェイスブックは、拡大するにつれ、競合の買収にかかっている。写真共有サイトの「インスタグラム」、対話アプリの「ワッツアップ」を買収。ナンバーワンSNS企業へと成り上がっていった。
フェイスブックが世界企業へと進化していったとき、フェイスブックはたんなるSNS企業ではなくなっていた。多くの人の声や情報の集まるフェイスブックは、一種のメディアと化していた。それも、影響力、煽動力の強いメディアであり、一国の政権を左右するほどの力をもつに至ったのだ。
その典型が、2010年から2011年、中東で連鎖的に発生した革命「アラブの春」である。フェイスブックによる情報の拡散によって、チュニジア、エジプトでは政権が倒れるほどであった。中東諸国では、フェイスブックは、欧米流の民主主義を広める尖兵のようにも恐れられた。
また、アメリカ大統領選もフェイスブックによって左右されるところが大きいという指摘もある。オバマ大統領にせよ、トランプ大統領にせよ、フェイスブックの「世論」を味方にして勝つことができたという。
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権力者がフェイスブックからの発信を誤るなら、自らの首を絞めることにもなる。2019年、ノルウェーでは政権党である進歩党の大臣のフェイスブックへの投稿が炎上、内閣が引っくり返りそうになったこともある。
ただ、フェイスブックには、このところ逆風も吹いている。フェイスブックは、一国の覇権を覆らせるほどに大きくなりすぎ、隙ができはじめたのである。ひとつには、フェイク・ニュースが混じり込みやすいこと。さらには個人情報の漏洩の問題もあり、フェイスブックはひとつの岐路にある。