The Human Animal - Brain evolution
Suicidal thoughts brain scan
『ニューズウィーク日本版 2019年6・11号』
自殺者の脳は何が違うのか 自殺した人の脳に共通する特徴とは より
自らの命を絶つ前の週、ジェレミー・リッチマン(49)はフロリダ州のフロリダ・アトランティック大学で講演を行った。
テーマは「人間であることの脳科学」。脳科学を活用すれば、自分や他人を傷つけるリスクがある人に気付き、支援の手を差し伸べられる可能性がある──それが3月19日に行われた講演の趣旨だった。
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しかし、リッチマンが精力的に支援した脳科学は、彼が自らの命を絶つことを防げなかった。遺族は、アビエル財団のウェブサイトに以下のようなメッセージを寄せた。「彼の死は、脳の健康を保つことがいかに手ごわい課題であるかを浮き彫りにした。そして、誰もが自分自身と大切な家族のために、さらには支援が必要な全ての人のために、助けを求めることがいかに大切かということを示した」
脳の健康に関する専門家だったリッチマンが自らも死を選んだことは残酷な皮肉というほかないが、自殺と脳の関係を研究する科学者にとっては意外ではないのかもしれない。
最近の研究によれば、知識があるからといって人は自殺しないわけではない。医学生や若い医師の主な死因の1つは自殺だという。この点では、精神科の学生と医師も例外でない。
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理学者であり、エール大学医学大学院の精神医学講師に就任予定だったリッチマンが、ジャストらの研究結果を知っていた可能性は高い。それでも彼は自殺した。
「知識が行動の変化につながるとは限らない」と、ブレントは語る。「彼は6歳のわが子を亡くした。家族を失った人は悲痛が和らがない場合、特に自殺リスクが高い。鬱や心的外傷後ストレス障害(PTSD)だったり、心の傷が癒えていなかったなら、そのどれもが自殺の引き金になり得た。優秀な学者だったという事実は無関係だ」
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『理系の素朴な大疑問』
博学こだわり倶楽部/編 KAWADE夢文庫 2019年発行
ヒトの脳がもつ信じられない超能力とは? より
譜面は読めないのにはじめて聴いた曲をすぐさまピアノで弾きこなす、本の内容を一瞬で記憶する、6桁の立方根を暗算する……。
サヴァン症候群と呼ばれる人たちは、こうした常人では考えられないような突出した能力をもっている。
映画『レインマン』でダスティン・ホフマンが演じたことで広く知られるようになった。また、モーツァルトやエジソンもこのタイプだったのではないかともいわれている。
なぜ、このような秀でた才能が現われるのかはいまでもはっきりしないが、サヴァン症候群の人は左脳の側頭葉部に損傷をもつケースが多く、それを補うべく右脳が際立って働くようになったという説がある。
右脳は「感覚の脳」と呼ばれ、視覚情報を把握して空間を認識したり、直感的な判断をしたりする能力を司っている。
また、右脳は他者の表情を読み取るといった感覚的な分野も担っている。
これに対して左脳は「言語の脳」と呼ばれ、言語による判断や論理的な思考、時間の観念の理解などを司る。
そして右脳と左脳は、通常バランスをとって機能しており、大きさという点では左脳のほうがやや大きいのが一般的である。
だが、サヴァン症候群の人たちの多くは右脳のほうが大きい傾向にある。
解明にはまだまだ時間がかかりそうなサヴァン症候群だが、人間の脳の潜在力をわれわれに示している。
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どうでもいい、じじぃの日記。
「脳の三位一体説」というのがある。
脳の三位一体説は、生き物の進化を説明するうえで分かりやすい。
ヒトの脳は原始的な脳の上に、より進化した脳が被さり、その上にヒトのヒトたる知能が被さっている。
原始的な脳は本能を司る脳で、大脳新皮質はヒトを含む哺乳類にしかない。
『ニューズウィーク日本版 2019年6・11号』に「自殺者の脳は何が違うのか」という記事が載っていた。
「自殺者の脳は、意思決定に関わる部位にも異常が見られた。自殺リスクの高い人たちは、意思決定が必要な課題が与えられたとき、リスクの高い選択をする傾向にある」
ヒトの脳は、過剰な報酬と過剰なストレスを受けて進化し続けているのである。