じじぃの「プラシーボ効果・実は腰痛に効く薬はない?理系の疑問」

Female carer helping old man

『理系の素朴な大疑問』

博学こだわり倶楽部/編 KAWADE夢文庫 2019年発行

ニセの薬が効いてしまう、不思議な心の作用とは? より

幼少期、なにかの拍子にケガをしていると、母親が「痛くない痛くない」とおまじないのように囁くことで、なぜか痛みが消えたという経験があるだろう。
もちろん、実際に痛みがなくなるわけではないが、痛みがひいた気がしたのは、「痛みが消えた」と思い込んだためである。
暗示をかけて痛みを消すなど、ほかの動物ではまずできないことである。しかし、ヒトはこのような能力ももち合わせている。
こうしたヒトの脳の暗示効果は、医療現場で広く認められている。
たとえば、患者に生理食塩水の点滴などの見せかけの薬(偽薬)を、効果的な薬だといって投与する。すると不思議なことに、患者は薬の効果を信じ込み、見事に回復する場合がある。この効果は「プラシーボ効果」と呼ばれる。
プラシーボ効果は、これからおこなわれる薬の投与、治療などが、自分の肉体や精神によい影響を与えると信じて、期待したときに表われる。
実際にプラシーボ効果が実証された実験がある。鎮痛作用があるモルヒネを打っている患者に黙って、生理食塩水に切り替えたところ、鎮痛作用がそのまま維持されたという。
つまり、生理食塩水という医学的になんの効果ももたない液体が、プラシーボ効果によって薬剤の役割を果たしたのである。
つまり人間は、「期待」するだけで、効く薬を生み出してしまうという驚異的な力をもっているともいえるのだ。

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どうでもいい、じじぃの日記。
現代医学でも原因がわからないとされる痛みの1つに腰痛がある。
腰痛は、腰そのものに問題がある場合だけでなく、職業、生活習慣、ストレスなどとの要因が複雑に絡んでいることが多い。
腰痛は、骨や神経の損傷からなるのは15%ほどで、85%は原因がわかっていない。
しかし、介護士さんの腰痛は患者の「抱きかかえ」からくるのが多い。特に介護する側が高齢女性の場合は要注意だ。
腰痛ベルトや腰痛用の薬というのは、ほとんど効果がないそうだ。