Is Huawei LOSING their Kirin processors?
HiSilicon Kirin 990を開発
Ms. He Tingbo (Teresa He)
Director, President of HiSilicon, President of the 2012 Laboratories
orn in 1969, Ms. He holds a master's degree from Beijing University of Posts and Telecommunications. She joined Huawei in 1996 and has since served as Chief ASIC Engineer, R&D Director of HiSilicon, and Vice President of the 2012 Laboratories. Currently, she serves as President of HiSilicon and President of the 2012 Laboratories.
https://www.huawei.com/en/about-huawei/executives/board-of-directors/he-tingbo
『世界の覇権企業 最新地図』
現代ビジネス研究班/編 KAWADE夢文庫 2019年発行
海思(HiSilicon/ハイシリコン ファーウェイの快進撃を支え、中国人の誇りとなった企業 より
2019年は、「5G(第5世代移動通信システム)」元年とされる。新たなる産業革命の起爆剤ともなる「5G」の標準開発に当たって、当面、2強となっているのが、中国のファーウェイとアメリカのクアルコムである。この対決をさらに細かく追うなら、中国の半導体メーカーである海思(ハイシリコン)対アメリカのクアルコムの対決となる。
海思(ハイシリコン)は、じつはファーウェイの子会社である。ファーウェイの製品が多くの国で高性能と認められ、世界を席巻しているのは、ひとつにはハイシリコンの提供する半導体を使っているからだ。いわば、ハイシリコンは、ファーウェイの中核にあるといっていい企業なのだ。
ハイシリコンの能力の高さを世界が知ったのは、2012年のこととされる。この年、同社はいきなり150Mbps対応のチップを発表した。この時期、ライバルのクアルコムでさえも100Mbps対応のチップがせいぜいであったところに、はるかにしのぐ高速通信用チップを開発していたのである。
ハイシリコンは、CPU(中央演算処理装置)として「キリン」を開発しているが、これに対抗しうる性能をもつCPUは、クアルコムの「スナップドラゴン」しかないといわれるほどだ。
ファーウェイが5G元年にその先駆者たろうと野心をたぎらせているのも、子会社ハイシリコンの卓越した開発能力があってのものである。しかも、ハイシリコンはファーウェイにしか自社製品を売らない。この一点で、ファーウェイは他の中国のライバル企業やアメリカの企業相手に優位性を確保できるのだ。
ハイシリコンがファーウェイ一筋なのは、ファーウェイから独立した企業であることが大きい。何庭波という女性開発者が、世界の最先端をいく製品の開発に没頭するため、ファーウェイからの独立を申し出た。ファーウェイは、その研究成果を自社のみに渡すという条件で、これをゆるした。以後、ハイシリコンの開発・研究レベルは上がり、ファーウェイを支えているのだ。何庭波は現在、ハイシリコンの総裁であり、2019年の時点で50歳。若き気鋭の経営者にして研究家にかかっているともいえるのだ。
日本では、ハイシリコンの存在はあまり知られていないようだが、中国人には好感度の高い企業である。中国事情に知悉(ちしつ)した遠藤誉氏によると、中国のネットには「海思よ、あなたこそ中国の芯だ」といった書き込みが散見できるという。これは「ハイシリコンこそ、中国の心だ」といった意味である。