じじぃの「サンショウの葉痕・小悪魔の顔のように見える?目からウロコの自然観察」

サンショウの葉痕

(picomico.com HPより)

クズの葉痕

(corvet.jp HPより)

オニグルミの葉痕

(a9b113.blog.fc2.com HPより)

『カラー版 - 目からウロコの自然観察』

唐沢孝一/著 中公新書 2018年発行

葉痕と冬芽の観察 より

冬は、寒さに耐えて冬越しする植物のくらしを観察するには絶好の季節である。なかでも葉痕(ようこん)や冬芽(とうが)の観察は、冬ならではの楽しみの1つである。

葉痕の観察

落葉樹が葉を落とした痕を葉痕という。人や動物の顔に似ていたり、独特の模様をしているなど実に面白い(写真1.小悪魔の顔のように見える)。
葉痕の模様は、葉が枝につながっていたときの水分や養分が通る維管束(いかんそく)の痕跡である。植物の種類によって模様が決まっているので種名を調べる手がかりにもなる。
人の顔に似た葉痕には、サンショウ、クズ(写真2.可愛いらしい少女のように見える)、ヤマハゼ、アジサイなどがある。
また、ヒツジの顔に似たオニグルミ(写真3)、ネックレスのように見えるタラノキなど様々である。
冬の公園や山野に出かけて観察してみることをお勧めしたい。

冬芽の観察

葉痕の近くには冬芽もあるので合わせて観察してみよう。冬芽は、覆いのあるなし、芽のつく位置、形成される花や葉、主要な芽か予備の芽かなどにより分類される。春になると葉や花になる重要な器官なので、傷つかないよう、また冬の寒さや乾燥から守るための工夫が見られる。