じじぃの「科学・芸術_811_朝鮮の聖地・白頭山」

白頭山の噴火が秒読みか… 日本や朝鮮半島全域に深厚な被害

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=Dz8LhdBf3hI

白頭山(ペクトゥサン)


朝鮮半島の「聖山」白頭山に噴火兆候! 想定される規模と日本への影響

2019.4.16 Yahoo!ニュース 辺真一
北朝鮮の両江道と中国の吉林省との国境上にそびえたつ白頭山(標高2,744メートル)が噴火するかもしれない。
昨日(15日)も韓国の汝矣島の国会図書館で「目覚める白頭山噴火、どうすべきか」と題する討論会が開かれ、白頭山の頂上付近での地殻変動は深刻な噴火の兆候だと判断していた。
富士山(標高3、776メートル)が日本を象徴する山ならば、白頭山朝鮮半島の「聖山」である。また、富士山同様に白頭山も活火山、それも朝鮮半島の唯一の活火山である。
北朝鮮は2009年から計6回、咸鏡北道・吉洲郡豊渓里で地下核実験を繰り返しているが、2017年9月に実施した6回目の実験に使用された核爆弾は水爆で、爆破規模は広島に投下された核爆弾(15キロトン)の10倍もあった。白頭山は豊渓里の核実験場から130キロしか離れていない。
https://news.yahoo.co.jp/byline/pyonjiniru/20190416-00122528/

『地学ノススメ 日本列島のいまを知るために』

鎌田浩毅/著 ブルーバックス 2017年発行

巨大噴火のリスク より

わが国は地震国であるだけでなく、世界屈指の火山国でもあります。日本列島が陸地面積では世界の400分の1にしか過ぎないことは前述しましたが、その小さな国に、地球上の活火山の実に7パーセントがひしめいているのです。
噴火は人間生活に大きな影響を与える自然現象です。火山灰や溶岩流の災害を起こすだけでなく、ときには文明を滅ぼすことさえあります。
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噴火災害としては、日本を取り巻く近隣諸国の火山にも危険なものがあります。北朝鮮と中国の国境にある白頭山(ペクトゥサン)は、巨大噴火を繰り返してきた活火山として火山学者の間では有名です(図.画像参照)。
標高2744メートルのこの火山は、頂上付近に天池と呼ばれる美しい火口湖があります。中国側は「長白山」と呼ばれており、十大名山の1つに数えられ、国立公園にも指定されています。周辺は温泉が湧き出る屈指の観光名所です。一方の北朝鮮では、白頭山は最初の朝鮮国をつくった王が生まれた場所とされ、さらに北朝鮮を建国した金日成国家主席がゲリラ活動の拠点とし、息子の金正日総書記の生地ともされていることから、聖なる地ともいわれています。
その白頭山が1100年前、有史以来では最大という噴火を起こしたのです。
ちなみにこの10世紀という時代は日本でも、青森・秋田県境にある十和田湖(十和田火山)が、915年に大噴火を起こしています。地層に残された火山灰をくわしく調べると、高温の火砕流が東北地方北部を埋め尽くし、焼け野原にしたことがわかりました。その約30年後の946年に、白頭山が十和田火山よりさらに大規模な噴火を起こしたのです。ただし日本と中国の噴火には関連性は認められません。
実は、世界中の噴火の歴史を調べても、このときの白頭山の噴火を上回るものは、その後には発生していません。地質学者が火山灰など地層に残された記録、すなわち「古文書」を丁寧に読み解くと、驚くべき噴火の姿が明らかになってきました。
最初に、白頭山の山頂から火柱が立ち昇り、上空25キロメートルまで火山灰を噴き上げました。それとともに、摂氏700度を超える火砕流が噴出し、火口から半径100キロメートルの地域まで流れ下りて、一帯を焼き尽くしたのです。
さらに、大量の火山噴出物が川を氾濫させ、大規模な土石流が麓を襲いました。その結果、4000平方キロメートルを超える森林が破壊されました。
山頂から大量のマグマが出た結果、火口には周囲2キロメートルの大きな凹地ができました。白頭山カルデラと呼ばれるものです。このとき噴出したマグマの量は、西暦79年に古代ローマポンペイを壊滅させたヴェスヴィオ火山のマグマの約50倍にも相当するものでした。
こうした巨大噴火が起きると例外なく、火山灰は空高く舞い上がります。アジア上空では偏西風という強いジェット気流がたえず吹いています。大量の火山灰はこの風域に突入して、西風に乗りはじめました。東方へ流された火山灰は、日本海を1000キロメートル渡って北海道と東北地方に達し、そこで5センチメートルも降り積もったのです。