じじぃの「隠れ動脈硬化・血管の炎症を引き起こすインターロイキン-1(IL-1)!Dr.週刊新潮」

血管の炎症 「隠れ動脈硬化

動脈硬化という言葉は昔から使われています。最近は新しい考え方が現われているそうですが...

日本心臓財団
最近、動脈硬化巣に認められるマクロファージがコレステロール結晶を取り込み、最終的にnucleotide-binding domain, leucine-rich-containing family, pyrin domain-containing-3(NLRP3)インフラマソーム活性化が誘導されることが報告され注目を浴びています(Duewell P, et al. Nature. 2010)。IL-1βやIL-18はTNFα、IL-6やinterferonγといった炎症性サイトカインの産生を刺激し、マクロファージやT細胞といった免疫細胞のさらなる呼び寄せを誘導することから、NLRP3が動脈硬化発症の中心的調節因子である可能性が示唆されています。
https://www.jhf.or.jp/pro/hint/c2/hint001.html

カナキヌマブの注目の試験結果

2017/09/29 株式会社ジェネティックラボ
カナキヌマブは炎症性サイトカインのIL-1βに対する抗体医薬である。
IL-1βは炎症経路における重要なサイトカインの1つで、炎症性アテローム動脈硬化症の継続的な進行に関与することが明らかとなっている。また、IL-1βやIL-1βの下流に位置するIL-6が腫瘍微小環境に影響を与え、浸潤・転移を促しているという仮説も提唱されている。カナキヌマブが炎症性アテローム動脈硬化症患者の再発性心血管イベント発生抑制に加え、がん、特に肺がんの発生や悪性化を抑制することを初めて示した。今後、抗炎症薬の抗がん剤としての開発が活発化していくことになるであろう。
https://www.gene-lab.com/ce_publication/presentation/presentation_171002.html

『Dr.週刊新潮 2019 認知症1000万人時代! 世界が瞠目するアルツハイマー病「早期発見技術」』

新潮社 2019年発行

司馬遼太郎」も襲われた「隠れ動脈硬化」まだ間に合う「不可逆的病状」のリセット術 より

1996年2月、歴史小説の泰斗・司馬遼太郎の命を奪ったのは、他ならぬ腹部大動脈瘤破裂であった。
脳梗塞心筋梗塞、大動脈瘤といった動脈硬化由来の疾患は、なべて血液中の悪玉コレステロール(LDL)値と密接に関係していることが判明している。
念のためおさらいしておくと、コレステロール中性脂肪など余分な脂質が酸化すると、血管の壁に塊(プラーク)を形成。これが肥大化して血流が滞り、動脈硬化が進んでいく。一般に、血液中のLDLが140mg/dl以上、善玉(HDL)が40mg/dl未満、中性脂肪150mg/dl以上のうち、1つあてはまれば「脂質異常症」と診断される。その該当者は、全国で実に2000万人とされているのだ。
診療現場を熟知する帝京大学臨床研究センターの寺本民生センター長が言う。
脂質異常症に該当する方や、高血圧や糖尿病で数値の悪化が見られる患者さんには、まず一度『頸部エコー』を受けてもらいます。それによってプラークの有無や程度、動脈硬化の進行具合まで分かるからです」
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頸動脈のプラークがはがれて脳の血管に飛び、重篤な症状を引き起こすケースも多いのだが、
「頸動脈の狭窄のスピードはゆっくりで、もし詰まっても周囲の血管が迂回路となるため、直ちに死には至りません。ただ血流の悪化によって視神経が傷み、失明してしまうケースはあります。画像で見ると首や脳に細い血管がたくさんできてもやっとしている『もやもや病』と呼ばれる状態になることもあり、これを放置すれば脳梗塞心筋梗塞を起こすケースが多い。頭部MRIより早く異常を見つけられる検査で将来のリスクを把握し、生活習慣を改善することが大切です」(同)
その手立ては後述するとして、かりに異常の発見が遅れた場合は、投薬のほか外科的療法もある。齋藤康・千葉大名誉教授が言う。
「血管壁が盛り上がって通路が狭まっている箇所に『バルーン』を通し、コブを潰して内腔を広げる療法があり、内視鏡を使う場合もあります。あるいは心臓の冠動脈に他の部位の血管を使って繋げるといった血管造設手術も行なわれています」
一方、千葉大大学院の横手幸太郎教授によれば、全く別の“アプローチ”が開発されつつあるという。
ハーバード大の研究チームが8月、『血管の炎症』を抑えて動脈硬化が減らせるという研究結果を発表しました。特定の細胞を刺激して炎症を起こすたんぱく質『サイトカイン』の一種で、発熱やリウマチを引き起こす『IL-1β』(アイエルワンベータ)という物質に対して中和抗体を注射したところ、動脈硬化や肺がんが減少する有意のデータが得られたというのです」
炎症の詳しい仕組みは分かっていないものの、
「現在使われているIL-1βの阻害薬は注射薬。動脈硬化を減らした新しいメカニズムが分かれば、内服薬など新薬の開発につながるかもしれません」(同)
朗報は心強いが、まずは自力で何とかしたい。動脈硬化はLDL値を下げれば病変が改善される。すなわち、必ずしも不可逆的ではないのだ。

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どうでもいい、じじぃの日記。
いやあ、糖尿病というのは恐ろしいですね。
司馬遼太郎の命を奪ったのは、他ならぬ腹部大動脈瘤破裂であった」
司馬遼太郎さんの場合は、タバコをよく吸っていたというから、タバコが「隠れ動脈硬化」につながったのかもしれない。
ともかく、血管の病気、アルツハイマー病でもみんな糖尿病がついてまわります。
「現在使われているIL-1βの阻害薬は注射薬。動脈硬化を減らした新しいメカニズムが分かれば、内服薬など新薬の開発につながるかもしれません」
専門的に言うと、血管の病気は「IL-1β」というサイトカインが関係しているらしい。