じじぃの「リーマン・ショック・トラブルメーカーになりたくない!見て見ぬふりをする社会」

The Last Days Of Lehman Brothers Moral Hazard 2008

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=yfslbOhvkrg

Lehman Brothers Moral Hazard (2008)

『見て見ぬふりをする社会』

マーガレット・ヘファーナン/著、仁木めぐみ/訳 河出書房 2011年発行

現実を直視しない より

ビジネス界ではこの現象を「現状の罠」と呼ぶ。すべてを現状のままにしておきたいと思うことだ。現状の引力というのはとても強い。「このままの状態にしておく」ことは、変化を起こすより容易でリスクが少ないように感じられ、精神的、感情的なエネルギーをあまり使わないですむ。現状維持は安全に感じられ、なじみがあり、慣れているので、変化を好む者はいない。変化は川床の向きをかえるように感じられる。努力が多くしてリスクが高いと、知らずにいれば害にならないと考えがちなのだ。
ビジネスの重役が現状の罠を非常に心配する理由の1つは、組織の中では惰性が非常に大きな力で人々を引き寄せるからだ。どんな変化にも衝突や不確かさや危険がつきものだ。ビジネスはわざわざトラブルの種を探さなくても、十分に流動的で困難だ。
2008年の世界規模の金融危機へと続く数年の金融業界ほど、これが当てはまった場所は他にない。そのずっと前から不動産価格とローン貸し付けがコントロールできなくなっているのを誰もが知っていた。
2006年8月、ヌメエル・ルービニは市場が「自由落下」の状態にあると述べている。その年の終わりにはもっとずっと控えめな観察者で経済にも金融にも素人であるアーロン・クラウンが、毎日サブプライムローンの貸し主である企業の権利譲渡を追う「企業崩壊メーター」というウェブサイトを立ち上げるほど、金融破綻の勢いは加速していた。アメリカ経済の大きな部分、基盤でもある部分が破綻しつつあるのは容易にわかった。こうしたローンや不動産担保ローンを貸したのが銀行であり、その破綻の影響を受けるのも銀行であるのは別に国家機密でもなんでもなかった。それなのに銀行が、自身のリスクをどうして知らずにいられたのだろう?
偏見なしにいえば、もちろん知っていた銀行もあった。ゴールドマン・サックスは知っていた。JPモルガンも知っていた。キャンター・フィッツジェラルドは2007年のはじめに、静かにローンの取り扱いを縮小していた。しかし大銀行の多くはそのままだった。彼らがリスクを直視しなかった理由はたくさんあるが、直視したくないからというのも理由の1つだった。みながもうかっているうちは、多くのCEOもみなと同じように現状を変える必要が感じなかったり、変える勇気を持てなかったりする。

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どうでもいい、じじぃの日記。
「2008年の世界規模の金融危機へと続く数年の金融業界ほど、これが当てはまった場所は他にない」
2008年、当時 私は61歳だった。
60歳までは何とか仕事にありつけていた。
アメリカの大手金融機関であったリーマン・ブラザーズが2008年9月に破綻(リーマン・ショック)したことをきっかけに世界的な金融危機が起きた。
年齢のこともあり、もう仕事がないとあきらめて、千葉に引っ越してきた。
あのリーマン・ショックが起きた年は私にとって、運命の年だった。