「オリンピックおじさん」応援で繋いだ世界
山田直稔さん
IOCバッハ会長、五輪おじさんに哀悼の意「真のスーパーファンだった」
2019.3.18 SANSPO.COM
国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は18日、「五輪おじさん」の愛称で親しまれてきた実業家の山田直稔さんが92歳で亡くなったことに「“Uncle Olympics(五輪おじさん)”の死は悲しい知らせだ。彼は1964年の東京からずっと全ての五輪を見てきた真のスーパーファンだった」とIOC公式ツイッターで哀悼の意を示した。
来年の夏季五輪は56年ぶりの東京開催となる。同会長は「彼がいないことをみんな寂しく思うだろう」と残念がった。
https://www.sanspo.com/sports/news/20190318/oly19031823190005-n1.html
死生観と生命科学 より
川勝
各人が自分の死生観を確立し、延命治療はいらないという選択肢をもてるようにするべきだということですね。日本は自殺者が年3万人ぐらいもいて、なかなか減りません。大半は健康問題と経済的理由による自殺です。一方、終末期医療で、植物状態で、管だらけでも、延命させることが、人道に適っているとも思われています。これも1つの死生観ですね。それを今一度考えるべき時にきていることは確かです。生命とは何か、自己とは何か、これらについて、生命科学は教えていますか。
本庶
生命科学が教えているかといわれると、これは宗教の領域に入ります。ただ、少なくとも人は必ず死ぬ。死ぬ時はどういう風に死ぬべきか、あるいはどういうふうに死にたいかを考えなくてはいけない。生命がどうやって誕生するか、生命が子孫にどういうふうに伝えられるかということを学び、そして個の生命は無限である必要はなくて、生命はジェネレーションを通して永遠であるという、この基本をしっかり学ぶことが重要だと思います。
川勝
宗教について、先生は、死という不安にたいして、それを解消する装置としてつくられたと書かれています。
本庶
はい、人間の知恵ですね。
川勝
宗教といってもキリスト教、イスラム教、ヒンドゥー教など、いろいろですが、「いまだ生を知らず、いずくんぞ死を知らん」と、死を敬遠した孔子の儒教もあります。仏教には、人間は生まれ変わる、ただし、人間に生まれ変われるかどうかはわからなくて、チョウに生まれ変わったり、毛虫に生まれ変わったりするという輪廻転生の教えもあります。
本庶
うーん。私は、仏教に詳しくありませんが、輪廻転生の思想はすごいと思います。生命ということを何もわからないときに、そういうことを考えていた。それはすごいと思います。
自分の死は地球よりも重い。他人の死は犬の死よりも軽い。
山田風太郎著『人間臨終図巻 上巻』 より
カゲロウは水中で幼虫を2~3年過ごす。しかし、羽化すると口器が働かなくなって食物が摂取できず1~2日で死ぬ。
”オリンピックおじさん”こと山田直稔(92歳)が心不全のため東京都内の病院で亡くなった。
山田さんが語っていた言葉。
「幸せになる原点は、たくさんの人を喜ばせること」
3月19日、テレビ朝日 「羽鳥慎一モーニングショー」より