じじぃの「科学・芸術_752_クフ王の大ピラミッド」

Building the Great Pyramid (HD)

動画 YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=uUPY71S9avo

Pyramid Capstone Missing?

NHKスペシャル|エジプト発掘 第1集 ピラミッド 隠された回廊の謎

2009年7月5日 NHK 総合テレビ
今から約5000年前、エジプトの砂漠地帯に忽然と現れたピラミッド。その後500年あまりに渡ってピラミッドは建造され、その数は現在確認されているだけでも100個を越える。その中でも最大規模を誇るのが、世界遺産にも登録されている「クフ王の大ピラミッド」。高さ147メートル、底辺の長さ230メートル。世界最大の石造建造物である。
平均2.5トンの石を300万個積み上げて造られている大ピラミッド。

地上60メートルの場所には、重さ60トンもの巨石も使われてる。クレーンもない時代に、この巨大ピラミッドをいったいどうやって造ったのか?

古来、様々な研究者が謎解きに挑んだが、そこ答えは出ず、古代エジプト史上、最大の謎とされてきた。ところが今回、ついにこの謎を解き明かしたという人物が現れた。フランス人建築家ジャン・ピエール・ウーダン氏である。彼は、最新技術を駆使し、建築家の視点から、「内部トンネルを使って建設した」という独特の説を世界に発表した。番組では、ピラミッドの登頂調査をはじめ、ウーダン氏のピラミッド調査に同行取材、神秘に満ちた、大ピラミッド建造の謎を興味深く解き明かしていく。
https://www.nhk.or.jp/special/pyramid/

ピラミッドの謎を解く新説をフランス人建築家が3Dで公開

パリノルール blog
http://www.fr-dr.com/paris/archives/2007/04/01155144.php

NHKスペシャル エジプト発掘―解き明かされる4つの謎』

NHKエジプト発掘プロジェクト NHK出版 2009年発行

新たな発見はエジプト学に何をもたらすのか より

大ピラミッドは、内部構造も含めて他のピラミッドとは異なるものである。大回廊や「重力軽減の間」などの構造の機能や用途など解明できていない部分も数多く存在しているが、最大のものは本来の入口や内部通路などの位置がピラミッドの中央にはない点であろう。創建時の入口は、大ピラミッドの中央より7.3メートルも東に寄っているのだ。上昇通路や「女王の間」、「王の間」、「重力軽減の間」など全てが東に7メートルも寄っている。大ピラミッドの頂点の下に重力軽減の間がないことは力学的側面からも極めて理解に苦しむものである。このため、大ピラミッドの内部には、現在、発見されている東寄りの通路と対照的な西側に未発見の東側と同様な内部構造が存在していて、二重構造になっているとする説が提示されているが、それは、ある意味では納得できるものである。
内部構造の中で、その性格が未だに判明していないものに「王の間」と「女王の間」からそれぞれ2本ずつ伸びている「通気孔」がある。これまでこの通気孔は、大ピラミッドの外側まで延びており、特定の天体の方向を向いて設定されたものであるとの解釈がなされてきた。
ドイツのルドルフ・ガンテンブリンクを中心とする調査が、小型特殊ロボットを使用してこの通気孔の単さを実施した。「道を開くもの」の意を持つ古代エジプトの神の名をとって、「ウプウアウト・プロジェクト」と名付けられたこの探査の結果、調査隊は女王の間から南に伸びる通気孔の途中59メートル地点で、「謎の扉」を発見史、この通気孔が外部に通じているのではなく、途中で人為的な扉で築かれていることが確認された。「通気孔」の役割に照らしても一層疑問が湧いてくる。このガンテンブリンクが使用したビデオ・カメラ付の小型ロボットは、当初、王家の谷にある新王国第19王朝のセティ1世(KV17)の玄室から奥に伸びる下降通路の単さを目的に作られたものであったが、大ピラミッドの探査に転用されたものである。
ピラミッドの実際の建造方法ばかりではなく、大ピラミッドの造営に直接かかわった労働者が滞在した「ピラミッド建造都市」に関しては、1990年代から、アメリカの考古学者マーク・レーナ―によりギザ台地で発掘調査が実施され、これまでベールに包まれ謎であった古王国第4王朝のピラミッド建造のための都市の姿が明らかになっている。ギザ台地の南東の大スフィンクスの南に位置する通称「鳥の壁」の南側に広がる都市遺構の分析により、数千人規模の作業員が共同生活をしていた痕跡が明らかになった。

大ピラミッドの建造の謎は、将来も解けないかもしれない。

300万個とも言われる積石を全て解体しない限り、その内部構造や建造方法を完全に解くことは不可能であろう。さまざまな学説は、その時点で最も説得力があるものとして考案されてきた。それがどんなに合理的で説得力のあるものであっても、最終的にその説が正しいものであるかどうかの確証は得られないのである。