サンゴの末期、悲しい輝き 沖縄「白化」の海に記者が潜った
白化したサンゴ
トランプ米大統領、米政府の気候変動報告「信じない」
2018年11月27日 BBCニュース
ドナルド・トランプ米大統領は26日、米政府がまとめた気候変動に関する報告について「信じない」と発言した。米政府の関係省庁がまとめた報告書は、気候変動が米経済と米国民の健康に深刻な損害を与えると警告している。
https://www.bbc.com/japanese/46354080
『ビッグヒストリー大図鑑:宇宙と人類 138億年の物語』
デイヴィッド・クリスチャン/監修、ビッグヒストリー・インスティテュート/協力、オフィス宮崎/日本語版編集 河出書房新社 2017年発行
気候変化 より
地球の気候はその45億年の歴史を通じて劇的に変動したが、今日、科学者は、化石燃料の燃焼や農業のための開墾といった人類の活動もまた、気候変化の一因となっていることを証明している。
気候変化とは、気温、降水量、風などの指標の変化からみた気象状態の長期的変動である。気象学は、100年以上前に、科学者らが、化石燃料の燃焼が地球の温暖化を招き、それが気候変化をもたらす可能性があると指摘したときに始まった。2016年、人類は大気中に二酸化炭素(CO2)を、過去6600万年におけるどの時点よりも10倍もいスピードで排出した。それによって地球は、この1400年でもっとも気温が高い時期を迎えた。
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地球の気温上昇
地球の気温を記録するために、科学者は人工衛星、船舶、測候所から大気の測定を行い、データを分析している。そうした測定により、現在の地球の平均気温は1880年に蔵ヴぇて0.8℃高いことが明らかになった。2015年には、こうした温暖化がアジアとヨーロッパで熱波を、アフリカで洪水を、南米で干ばつを引き起こした。また、地球全体で暴風、サイクロン、台風など、異常気象の増加という事態が生じた。
海面上昇
潮位計の示度、氷床のコアのサンプル、人工衛星からの測定によって、地球全体の平均海水準は全盛期の間に7cm上昇したことが明らかとなった。この上昇は、氷河や極地の氷帽の融解と、水温上昇による海水の膨張が原因である。海面上昇は、多数の太平洋上の島嶼など、海岸沿いの低地の居住地に甚大な被害を及ぼした。
海氷の縮小
人工衛星のとらえたグリーンランドと南極の氷帽の画像によれば、気温の上昇とともに、それらが10年間に13.4%のペースで縮小していることがわかる。海氷は太陽光を宇宙空間に反射する。海氷がなければ、海は太陽光の90%を吸収する。それは海水温度を上昇させ、北極の気温上昇を加速し、海氷のさらなる融解を招く。このプロセスをポジティブ・フィールドバック・ループという。
海洋酸性化
科学者は氷床コアのサンプルを研究している。海洋生物の化石の化学組成に海洋の酸性度の時系列変化が表れている。海表面の酸性度は200年間に30%上昇した。これは大気中に増加したCO2を海が吸収したことによる。酸性化はサンゴ、イガイ、カキなどの生物が、骨格を維持するのに必要な炭酸カルシウムを吸収するのを妨げる。
海水温度の上昇
科学者は海洋観測用ロボットを用いることで、世界の海洋の温度が1971年から2010年の間に約0.11℃上昇したことを示した。海水温度の上昇はサンゴ礁など生態系の破壊をもたらした。
2016年には世界中でサンゴの白化が起きている。
彩豊かな藻類(藻類はサンゴに着色し、それらに酸素と栄養分を与えている)が失われているところがそれである。こうした圧力がかかり続ければ、白化したサンゴは死滅するだろう。